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【第9回】失恋、失業、婚活苦というドン底からでも、一歩踏み出せば人生も変わる!?

  • 2019.1.20
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どうして彼女たちは一歩ふみ出せないんだろう?

どうしても一歩ふみ出せない友人たち

ここ最近、同世代アラフォーの友人らが不安や悩みを抱えて一歩進みきれないでいる姿を見ることが重なりました。その悩みの種とはキャリアについてや恋愛、結婚、離婚などなど、生きていれば誰でも体験し得るものです。

友人らの話を聞くたびいろいろとアドバイスをさせてもらうのですが、その後に彼女たちがそれぞれ口にするのは「もっとよく考えてみる」、「頭では分かってるんだけど、ふみ出せないんだよね」、「一歩ふみ出してもすぐに結果が出なくて、自己嫌悪におちいっちゃうの」、「こんがらがって、自分が何をしたいのか分からなくなってきた!」などで、その後しばらくしてもなかなか解決に近づけず苦しんでいることがとても多いのです。

どんなに私がアドバイスしても結局は本人が選択して解決していくもの。そうとは分かっているつもりでも、悩むばかりの友人らを見ていると、「どうして彼女たちは一歩ふみ出せないんだろう?」という強い疑問がわいてしまいます。

実際その気持ちは痛いほどよーく分かるのです。なぜなら私自身も以前、悩み出したら悩んでばかりで何も手につかない性格だったから。ただ、これまで山ほど悩んできた経験を通して発見したことがあります。それは「同じ場所でじーっと悩み続けるより、一歩ふみ出してみたほうがずっと解決が早くなって楽になれる」という教訓です。

さて今回は、この教訓を得た私の体験を紹介してみようと思います。婚活で苦しんだ時も、この教訓のおかげで愛し合える人に出会えたのですから。

悩んでばかりで一歩もふみ出せなかった過去

中学生の頃に夢中になっていたのはチャゲ&アスカの音楽でした。そのせいで将来は芸能やテレビの世界で働いてみたいと思っていたのですが、だからといってどんな進路を選べばいいかはまるで未知。
大学受験がせまってもそんな夢をふんわり抱いては「一体どうしたらいいの!?」と悩んでばかりで試験勉強が手につかず。担任の先生や親からはいつも「悩んでばかりいないで勉強しなさい!」と怒られたのをおぼえています。
それから悩みまくったあげく、まぐれ的に進学した大学でも悩むと前に進めない性格は変わりませんでした。

就職活動をひかえて進路について悩んでいたある日。いつも無口で静かなゼミの先生にその悩みをこぼしたらば「悩んで立ち止まるんじゃなくて、悩みながら歩いてみたらどうですか?」と、いうアドバイスをもらったことがありました。
「なるほど、その手があったか! 悩んでもいいし、悩みながら一歩進んで歩いてみたらいいんだな」と、シンプルだけれど説得力のある言葉に目が覚めた思いがしたのです。そして、 ひとまず悩みながらでも就職活動をはじめることにしました。

田舎から就職活動で東京に来ている人は私くらい。「何も知らない田舎者」という劣等感をものすごく味わって焦りました

希望していたのはテレビ局への就職です。とはいえ超就職氷河期、そのうえ狭き門であるマスコミ系。どうやって就活をはじめたらよいのかが、これまた未知。私の通っていた長崎の大学は、私が入学第一期生という新しい学校だったのでOBもおらずOB訪問も不可能です。そこでとりあえず難航するのが目に見えていた就活に集中できるよう、事前に単位はとれるだけとって、まず上京することにしました。

何をしたらよいか分からないけれど、とにかくやってみた

妹が大学進学で先に埼玉県に住んでいたので、彼女のアパートに居候させてもらって就活をスタートします。アパートといっても「○○荘」という名の二階建ての木造で、目の前の線路に電車が走ったり横の道路をトラックが走ったりするだけで、地震が来たかと思うように揺れる超おんぼろ。そんな住まいにインターネットはなく、妹が通う大学の図書館に入り浸ってインターネットで情報を集める毎日でした。そこでマスコミ就活のコミュニティーがあることやいろいろなイベントが開催されていることを知り、足を運んでみることにしました。

そんなイベントに来ている同じ就活中の学生たちと話をしてみると、 わざわざ九州の田舎から就職活動で東京に来ている人は私くらいなもの。
東京の学生らは音楽や映画など本当によく知っているのに、私は「何も知らないただの田舎者」という劣等感をものすごく味わって焦りました。

これじゃだめだ! と東京のいろいろな文化に触れるべく、就活の合間にクラッシックな映画やインディペンデント系の映画を観たり、演劇を観に行ったりするようになります。

ある日、渋谷の劇場に行った時のこと。チケット売り場で「○○テレビ制作会社の△△です」という男性の声が聞こえてきました。これはすごいチャンスだ! と思い、勇気をふりしぼって声をかけました。有名なテレビ制作会社でベテランのディレクターとして働くその男性は、その日の主役を演じたタレントを以前取材した縁で観劇に来ていたのです。
そのディレクターは親切にも観劇の後、私と待ち合わせて近所のカフェで話をしてくれ、それまで何も知り得なかったテレビ業界でのリアルな仕事事情などについてくわしく話をしてくれました。

今までは知り得なかったことを教えてもらい、その後の人生を変えるような出会いに恵まれました

一歩ふみ出したことで開けた縁と新しい世界

このほかにも、ネットで見つけた『マスコミ就活中の学生座談会』という名の取材(お礼は取材時の飲食)に参加した時のことです。

その取材を企画した一人のフリー・ライターMさんは、これをきっかけにライターの集まる飲み会や雑誌の取材に連れて行ってくれたり、さらには小さなアルバイトを紹介してくれるようにもなりました。
このMさんは、私がその後テレビ業界で就職、退職した後にライターとして働くチャンスをくれた恩人でもあり、今では師匠と呼ばせてもらっています。

彼は現在、編集プロダクションやシェアオフィスを立ち上げた社長として、私だけでなく多くのライターやクリエーターに慕われる方として有名です。

九州の田舎から上京した私は東京というものも、社会というものも何も知らず、就活を機に新しい世界にとっかかりを探すものの、真っ暗闇の中で宙ぶらりんになっているような苦しさがありました。

それでも悩みながら、もがきながら一歩一歩進んだこと、そして勇気をふりしぼってみたことで、今までは知り得なかったことを教えてもらい、その後の人生を変えるような出会いに恵まれました。

こうした体験から分かったのは、同じ場所でじーっと悩み続けるより、一歩ふみ出してみたほうがずっと解決が早くなって楽になれる。
一歩進めば、解決するために必要な知識や判断材料が増えて決断しやすくなるうえに、人生を変えるような縁にも出会える
ということでした。

こうした体験があったから30歳の頃に失恋、失業、婚活苦というドン底におちいっても、なんとか一歩進みさえすれば苦しみから抜け出せて自分の人生も変わるはず、と世界婚活にふみ出すことができたのだと思います。

その結果、またまた本当にいろいろな人に出会え、たくさんの発見があり、結婚パートナーにも出会えることになりました。

悩みは一生つきないけれど

悩みにぶつかったときの教訓を体験から得たといっても、悩みというのは人生のつどつどで死ぬまでエンドレスに降りかかってきます。
さらに、勇気をふりしぼって一歩進んだところで、二歩さがるようなことだってしょっちゅうあるわけです。それに疲れて心が折れそうになることもありますが、こんなときにふと浮かぶのはフランス人がよくいうこんな言葉です。

「C’est la vie」セ・ラ・ヴィ(これが人生だもの)

なんだかこの言葉を聞くと、「私のせいじゃないんだし、まあこういうものよね。しょうがな〜い」とムダに力が入っていた体全体がゆるんでいくのを感じます。

みなさんも悩みにぶつかったとき、じーっと同じ場所で一人頭の中で考え続けるのはやめて、まず一歩進んでみましょうよ。そして、疲れたら 「セ・ラ・ヴィ」とつぶやきガス抜きして一息ついてから、また一歩ふみ出せば大丈夫。今の悩みも解決に近づいているのは確かなのですから。

さて、続く第10回は2019年1月27日(日)配信予定! お楽しみに。

▼前回の記事はこちら
【第8回】結論! 婚活で本当に必要だったものとは

▼第10回の記事はこちら
【第10回】モテないと結婚できないと思っていた

中村綾花さんプロフィール

Writing:Ayaka Nakamura
Illustration:foxco
Edit:TRILL編集部

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