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【第8回】結論! 婚活で本当に必要だったものとは

  • 2019.1.13

大切なのは、自分の基準で生きること

この連載では、私が日本や世界で婚活した中で気がついた「自分の基準」を持つ大切さについてお話をさせてもらってきました。「自分の基準」といってもピンとこないかもしれませんが、言いかえてみると「自分らしく」生きるということです。

自分らしく生きられるようになると、むやみに他人や世間一般と比べて苦しくなることから解放されて楽になる。それは私自身が体験した苦い婚活体験を通してお伝えしてきた通りです。

今回はちょっと視点を変えて、私の体験ばかりではなく日本とフランスの有名人たちの生き方を通して「自分らしさ」について考えてみようと思います。

その有名人の一人とは2018年秋に亡くなった女優、樹木希林さんです。彼女の悲報を受け、あらためて彼女の生前の言動や生き方が注目を集めました。

生前の樹木さんのビデオなどを見て印象に残ったのは、彼女は日本社会、一般で良しとされていることを基準にするのでなく、自分の信念を断固として貫いて生きてきた人だったという点です。

まさにこれこそが「自分の基準」「自分らしさ」というもの。樹木希林らしさというものを知れば知るほど、「自分らしさ」を追求する際にとても参考になるなと思いました。

空気をよんだらこうあるべき。そんなことは関係なく自分の信念で生きた彼女のスタイルはとてもロックンロールだと感じた

どんなときも「自分らしさ」を貫き生き抜いた人

樹木希林さんの「自分らしさ」の具体例をまずひとつあげると、彼女はお土産やプレゼントを一切受け取らないと決めていた人だったということです。

あるドキュメンタリー番組の中でこんな場面がありました。旅する樹木さんが訪れたうどん屋にて、おかみさんがぜひにとお土産をくれようとするのですが樹木さんは「いりません」と一言。

おかみさんは「あなた、こういうの好きかなと思って……」と、なかなか引きさがりません。それでも樹木さん、はっきりと「いや、好きじゃありませんから」と、断固おことわりするのです。

相手が芸能業界の相手ならばまだしも一般の方。しかも撮影でお世話になっている人からの思いをまっすぐに断る樹木さん。

あまりに率直に断るので、相手のおかみさんも機嫌を悪くしてブツブツ言いだす始末。その場にいた人は一人残らず凍りついてしまうような空気だったはずです。いち視聴者の私ですら、これまでテレビで見たこともない出来事にハラハラしたのですから。

これには続きがあって、樹木さんは「頂きものを受け取ったらその場がうまくいくのはわかっているんです。だけれど、いらないものをもらってモノを粗末にしたくないんですよ」と、お土産やプレゼントをもらわない理由を話していました。

こうした自分の信念を持って、周りの空気が凍りつこうが相手がけんか腰になろうが絶対にゆずらない人、樹木希林。

「社会一般ではこうすべき」、「空気をよんだらこうあるべき」、そんなことは関係なく自分の信念で生きる彼女のスタイルって、とってもロックンロールだなと感じました。彼女の夫であるロックンローラー内田裕也さん以上にロックな生き方をしてきた人じゃないの、となんだかうれしく驚かされたのです。

国のトップである大統領ですら、プライベートでは世間の目なんか気にせず「自分らしく」、素直に従って突き進むのがフランス

社会的な立場を越え、個を大切にするフランス文化とは

さて、ここからは私が開いた口がふさがらなくなるほど驚いた「自分らしさ」を地でいくフランス有名人たちの例を紹介してみようと思います。その有名人とは意外にも歴代フランス大統領たちなのです。

日本のニュースでも耳にしたことがあるのではないでしょうか。現在のフランス大統領であるマクロン氏は、自身の通っていた高校の教師(当時、既婚&子持ち)である女性と恋愛の末に結婚。その年の差は24歳で、これはさすがにフランス人もざわつくまれな例でもありました。

そんな彼を大統領に選ぶフランス人国民に「自分らしさ」を持つこと、そして「自分の基準」を尊重するふところの深さも感じます。

マクロン大統領の一人前、オランド元大統領は未婚ですがパートナーである政治家の女性(元大統領候補でもあった優秀な方)との間に子供が4人。彼が大統領に選ばれた時はそのパートナーとは別れており、ジャーナリストの新しい恋人がいました。しかしそのまた数年後、フランス人女優と新たな熱愛が発覚!

週刊誌がスクープしたその写真が話題にもなりました。現役大統領がおつきの者に運転してもらうスクーターに二人乗りして、愛する女優の元に通っている姿を撮られてしまったのでした。

こうした大統領にバッシングが起きるかと思いきや、どちらかというとフランス国民のお笑いの対象になっていたのが印象的です。

さらにもう一人大統領をさかのぼると、任期中に離婚と再婚をしたサルコジ氏。現在の奥様は、フランスで知らない人はいない元スーパーモデルで、有名なシンガー・ソングライターです。

こんな風に、公的な仕事でしかも国のトップである大統領ですら、プライベートでは世間の目なんか気にせず「自分らしく」、というか本能に素直に従って突き進むのがフランス。むしろ、こうした人間くさいプライベートがあるから、国民は大統領を身近に感じている傾向さえあるのです。

大切なのは、自分の本当の気持ちにフタをし続けないこと

自分の気持ちにフタをし続けないことが自分らしく生きるコツ

樹木希林さんや、フランス人大統領たちの「自分の基準」を持った自分らしい生き方を紹介してみましたが、みんな特別な人で私たちにはマネできないと思ってしまうかもしれません。たしかに日本では樹木希林さんのような存在はまれで、誰もが彼女のように自分らしさを貫いて生きているわけではありませんよね。

私たちは常日頃、なんだかんだと他人の意見や空気に流されてしまいます。だって人に嫌われたくないし、のけ者にされたくないもの。と、ついつい自分よりも他人を優先してしまうのではないでしょうか。でも、他人の価値基準を優先して生きることは何の意味もありません。

そうして周りの基準で生きてしまうと自分を追いやってしまい、さらには自分の感情や本能にフタをすることに。しまいには「自分が何をしたいのか」、「自分らしさって何なのか?」もわからなくなって、自分がマヒすることもあるはずです。

大切なのは、自分の本当の気持ちにフタをし続けないこと。そして有名人らであっても、自分とは全く違う生き方をしている人を見て驚いたりショックを受けることだと思います。

そのショックが「自分もそうなりたい」という、自分でもまだ気がついていない本当にしたいことを気づかせてくれる起爆剤になるはずだからです。

樹木希林さんだってフランスの大統領だって、シンプルにいってみれば私たちと同じ地球上に生きる人間。それなのに、私たちの中には妙に「自分を殺して生きている自分」がいる。それがわかると、自分が本当に思うように生きられていないことがバカバカしくなって、変わろうと少しでも思えるはずです。

あなたも是非、あなたらしい「自分らしく生きるためのヒント」を探ってみてください。

さて、続く第9回は2019年1月20日(日)配信予定! お楽しみに。

▼前回の記事はこちら
【第7回】日本での婚活失敗を経てわかったこと

▼第9回の記事はこちら
【第9回】失恋、失業、婚活苦というドン底からでも、一歩踏み出せば人生も変わる!?

中村綾花さんプロフィール

Writing:Ayaka Nakamura
Illustration:foxco
Edit:TRILL編集部

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