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【第7回】日本での婚活失敗を経てわかったこと

  • 2019.1.6
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この連載ではこれまで、日本で婚活してもうまくいかず世界で婚活してしまった私の経験や、そのなかで自分に向き合うことになったことを紹介しています。
とくに世界婚活の旅で訪れた国の1つ、フランスはパリで出会ったパリジャンや在仏日本人たちの生き方を見てすっかり衝撃をうけて移住したお話などをつづってきました。

自分の基準を持つ=自分らしく生きること

婚活で苦しんだことで日本を飛び出し、世界で色々な出会いを通してわかったことは「自分の基準」を持つことの大切さでした。自分の基準を持たないと結婚しようがしまいが幸せなれないし、他人や世間の基準と自分を比べて苦しくなる呪縛からのがれることができないからです。

「自分の基準」を持つというとピンとこないかもしれませんが、シンプルにいうと自分らしく生きるということです。

そのためには自分に真っ正面から向き合うこと。自問自答して自分をよく知るということが必要です。そして他人や世間の基準にとらわれず、自分に「私はこれでいい」「私はこれがいい!」と言える、もっというと自分に自分で「OK!」と言えるようになる状態だと思っています。

ただ日本社会の中で生まれ育った私たちは、世間や他人の基準で自分をはかって決める習慣が骨の髄まで染みわたっています。「自分は本当のところどうしたいの?」ということよりも、「自分が他人にどう見られるか、どうするべきか?」を考えてしまう人がほとんどではないでしょうか。

かくいう私もその一人でした。パリに住み始めたことをキッカケにいかに私は自分自身を知らず、自分のことについて自信を持って決められないかに驚き悩んできました。

自信が持てず不安ながらも、自問自答するクセをつけて生活をつづけていたある日のこと。ようやく自分の基準らしきものを持て、他人と自分を比べて苦しくなることが減って生きやすくなっていることに気がつきました。
今回はその体験と誰でもすぐに実践できる具体的な方法についても紹介してみようと思います。

他人のSNSをみて、どうして嫌な気持ちになるんだろう

SNSでみる他人の投稿にムカついてしまう

パリに生活の場を移してから数年がたち、日々の生活の中で自問自答することすら意識しなくなっていたころのこと。私はいつものように朝食をとりながらFacebookをチェックしていました。タイムラインには友人らの子供の成長や元同僚や知人の仕事の成果、海外旅行や美味しいレストランでの食事などの幸せそうな報告が目立ちます。

こうした華々しい近況投稿を目にすると、心から「イイネ!」と思えることもあればどうしても重い気持ちになってしまうこともあります。これって誰にでも経験があることではないでしょうか。

この日の私は、ある投稿を見て重い気持ち……というか、ぶっちゃけムカつきネガティブなものがふつふつと身体の中から湧いてくるのを感じました。ただ同時にふと立ち止まって自分にこんな質問しはじめていたのです。

「どうして、私はこんな嫌な気持ちになっちゃうの?」

そう、すでに習慣になっていた自問自答がはじまっていたのです。この質問の答えを自分の頭の中でゆっくり探してみると、「自分にないものを持ってる他人をうらやましいと思ってしまうからなんだろうな」という結論に至りました。

でも、ちょっと待てよ。

「それって本当の、本当にうらやましいこと?」

「うらやましいと思うポイントは、世間的に見ると素晴らしいことだから? それとも、本当に自分も欲しいのに手に入れられていないから?」

ネガティブでゴミのような感情に向き合って整理していくと、自分でも気づかなかった「自分」を知ることができる

ネガティブなゴミ感情を分別してみたら

こうして自問自答しながらネガティブでゴミのような感情に向き合って、どうしてこんな気持ちになってしまうのかと考えてみたのです。これはまるでゴミ箱からゴミを手探りでほり出して分類するような作業でした。

「世間一般的に『イイネ』と誰もが思うようなことに、つい自分もうらやましいと思ってしまっただけ」だとしたら→ 可燃ゴミ

「心の底から自分が欲しい、やってみたい。けれどまだ手に入れられていない、できていないからうらやましいと思った 」ならば→ 不燃ゴミ

ゴミ感情の内容が「可燃ゴミ」に分類されるものとわかると、その時点でゴミ感情はどうでもよくなり、燃えるようにすーっと消えてしまうのがわかります。一方で不燃ゴミならば燃えずに残ってしまうわけですが、その見たくない醜いゴミの固まりの中にこそ自分を知るヒントが残されています。

こんなことやってみたいんだ。こんなものが欲しいと思っているんだな、という自分でも気がついていなかった「自分」を知ることができるのです。

私はこのゴミ掘り起こし&分別する作業を自問自答しながら自然とできていたことに気がついた時、「おお、これって自分の基準を持ち始めているということだな」としみじみしたのを覚えています。

そしてこの作業をやることでネガティブな感情にむやみに飲まれて苦しくなるのではなく、客観的に自分を見られて冷静になれ、気楽にもなれることがわかりました。

SNSから離れてみる

時にはSNSと距離をおくことも必要

SNSなどを見て他人と自分を比べてしまうことや、ネガティブな気持ちを持ってしまうのは悪いことではないとも感じています。こうして立ち止まって自分に向き合うチャンスだし、自分の基準をブラッシュアップすることにもなるからです。

ただ問題なのは現代を生きる私たちの生活には、あまりにも色々なSNSが深く浸透しているということです。数年前にはなかった色々なSNSが登場したことで、それまで見えなかった他人の生活が目に入ってくる機会が増えてしまいました。

私もひどい時はSNS中毒のようになっていて、朝起きてすぐにベッドの中で、ご飯を食べながら、レジに並んでいる間、電車を待っている間に……と、四六時中SNSを通して他人の生活をチェックする状態でした。

あまりにSNSをチェックし、他人と自分を比べる機会が多すぎると疲れて心が折れてしまいます。いくらゴミ感情を分別して自分の基準をブラッシュアップできるようになった私ですら、SNSの見過ぎには気をつけています。

そこでもう1つ、私が実践している他人と自分を比べて苦しくなるのを防ぐ方法を紹介しようと思います。それは携帯からSNSのアプリを削除して、わざわざログインしないと入れないようにするというシンプルな方法です。

こうすることでSNSをチェックしたくてもすぐには開けません。まずはインターネットのアプリを開いて、SNSのログイン画面まで辿り着いてIDとパスワードを入れて……という面倒な手順がかかってしまうのでSNSを見る回数が減るというわけです。これは手軽にいますぐできるのでおすすめですよ。

さて、続く第8回は2019年1月13日(日)配信予定! お楽しみに。

▼前回の記事はこちら
【第6回】結婚だけじゃない!?別の生き方とは

▼第8回の記事はこちら
【第8回】結論! 婚活で本当に必要だったものとは

中村綾花さんプロフィール

Writing:Ayaka Nakamura
Illustration:foxco
Edit:TRILL編集部

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