【第3回】世界で婚活して見えた「結婚の呪縛」

世界で婚活をして色々な国を旅して渡り歩いた結果、すぐさま移住したいと衝撃を受けたのがフランスのパリでした。実はそれまでパリに興味があったわけでも、幻想を抱いていたわけでもありません。それが、どうして移住するまで惹かれることとなったのか。

今回は、色々な国を訪れた中でもフランス・パリは何が違って、どんな出会いや発見に衝撃を受けたのかを紹介してみようと思います。

マダムと呼ばれて浮かれる自分

マダムと呼ばれて浮き足立った

パリを訪れて驚いたのはカフェやレストランなど、いつでもどこでも「マダム」と呼ばれることでした。

そして、自分が「マダム」という言葉で呼ばれる度、なんだかドキドキしてしまったのです。それはなぜかというと、たとえ化粧をしたりスカートをはいたりしていなくても、私は女性だと無条件で認識されるということがとても新鮮でうれしかったからだと思います。

日本では、カフェやレストランに行ってお客様扱いはされても、一人の女性として扱われることはほぼありません。仕事をしている時はなおのこと。特に私は仕事上では女性であることより、どういう仕事をするかで評価されようと気を張って生きていたので、むしろ女性の気配は消して生きていました。

というか、そもそも自分の中に「女性らしさ」というものがあるかどうかということもわかっていなかったのです。

日本でフリーズ・ドライされたようにカチコチに固まって存在すら忘れられていた自分の中の「女性」が、パリで「マダム」と呼ばれる度、自分の身体の芯から少しずつ溶け出してくるような感覚を味わうことになりました。

キスの風景がパリの日常として馴染んでいた

路上でみんなチュッチュしてた

愛の街として有名なパリでは、実際、本当に路上のいたるところでチュッチュとキスするカップルがあふれていました。その現象を初めて目にした私は、他人のキスなのにもかかわらず心拍数があがり、恥ずかしくなって直視できませんでした。でも、気になってチラチラと観察はしていたんですけどね。

例えば、白髪のおじいさんおばあさんが、ぎこちない身体をよせて「チュ」っとなにげにするキスから、自分の親と同じ世代と思われる熟年のカップルのドラマチックなキス、他には30代の「おいおい、もうそれ前戯ですから!」みたいな衝撃的なキス、学生同士のツバメが舞うようなキスまで、色々とありました。

あらゆるチュッチュの年代やスタイルがあることもさることながら、そうしたチュッチュの風景が、パリの日常として馴染んでいること。また、それを見て見ぬフリをして通り過ぎるパリジャンたちにも感心してしまいました。

つまりそれは、この街では人が愛し合うことに寛容で、大切なことだと認められていると感じたからです。そんな場所が地球上にあるんだなと知って驚いたし、なんだか解放されたような気分にもなりました。

滞在中、チュッチュするカップルたちを路上で見かけていると、これまた不思議と自分も恋をしているような心地よい胸のざわめきと同時に、浮き足立ってくるのも感じました。

パリに住む日本人はとても個性的

変な日本人がたくさんいた

世界各国を周りながら、現地に住んでいる日本人にも会って話を聞いてみました。すると、国ごとに住む日本人にもある傾向があるのを感じました。

例えば、イギリスではしっかりと仕事をもって地に足をつけて生きていると感じる人が多く、スペインのバルセロナは街が小さくてコミュニティーも小さいからかみんなのことを知っていて、ほのぼのと仲良し平和な感じ。パリはというと、今まで見たことも会ったこともない変な人がたくさんいて度肝を抜かれました。

具体的に言うと、タンゴに情熱を注いでいて、日本語なのに話し振りがラテン男そのものな人。本物の毛皮をさらりと着こなすけれど、全く嫌みのないマダム。50 年代か60年代のヴィンテージ服で全身をキメ、マンガの中の登場人物のようなお嬢様言葉でしゃべる女性。一方で、スッピンであまり洋服にも力がはいっていない人……、などなど、統一感はなくバラバラ。だれもかれも、個性的で傾向もなにもあったもんじゃない。

唯一言える共通点は、人目を気にせずにマイペースに自分らしく、個性のアクセル全開でぶっとばして楽しそうに生きていたということです。

他人がどうだから、社会の常識がこうだ、なんて関係ない。「私は私が生きたいように生きています!」そんな生きざまを見るようで、私は「ああ、自分が生きたいように生きていいんだなぁ」という強い肯定感を見たような気がしました。

「溺れるような恋がしたい!」と気づけば橋の上で涙を流す私

色々な人が色々な生き方をしているパリ

自由に生きている在仏の日本人の方たちだけでなく、パリには「自分」というものを強くもち、自分が生きたいように、生き方を選択して生きている人たちがたくさんいることもわかってきました。

それは、恋愛や結婚においてももちろんのこと。フランスでは、結婚というのはあくまで選択肢の1つでしかなく、事実婚や同性カップル、未婚のまま子供を生んでパートナーと暮らす人も珍しくありません。また、それができる社会制度があることも知りました。

路上でチュッチュして、別に結婚に焦らず、自分に合った形の生き方を選んでいい。

「なんなんだ、パリって! 私も結婚とかじゃなくてまず、恋がしたいわ。溺れるような恋がしたい!」

気がつけばパリ滞在最終日、セーヌ川にかかる橋の上で涙を流している私がいました。

それは、婚活、結婚というものにとらわれて苦しんでいた思い込み、という呪縛から解放されたこと。本当に自分が心からしたいことがわかったこと。でも、日本に戻る飛行機に乗って帰らなければいけないこと等々、色々な感情が溢れてのことでした。

こうして、絶対にパリに戻って恋したい!と心に決め、世界婚活の旅は終わり、パリ移住へとあいなったのでした。

さて、続く第4回は2018年12月16日(日)配信予定!
結婚しないことで「死ぬ!」とまで思いつめてしまうのはどうしてなのでしょうか?ということについて紹介していきます! お楽しみに。

▼前回の記事はこちら
【第2回】世界で婚活して見えた世界の恋愛・結婚事情のリアル

▼第4回の記事はこちら
【第4回】「結婚しないと死ぬ死ぬ病」にかかっている人へ

中村綾花さんプロフィール

Writing:Ayaka Nakamura
Illustration:foxco
Edit:TRILL編集部

提供元: TRILLの記事一覧はこちら
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