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「この株は、もう上がらないよ」そう言って株を売った僕。ひと月後、妻の手帳に書かれていた思わぬ内容に苦笑い

  • 2026.11.8

何年たっても動かない株

僕はある会社の株を、長いあいだ持ち続けていました。

買った当初は、いつか大きく値上がりするかもしれないと期待していたものです。

ところが、何年たっても株価はほとんど上がりませんでした。

それでも、夕食後に居間のパソコンで株価を確認するのが、いつの間にか日課になっていました。

ある晩、いつものように画面を眺めていると、台所から戻ってきた妻がお茶を置きながら、画面をのぞきました。

「この株は、もう上がらないよ」

僕がそうつぶやくと、妻は笑いながら言いました。

「そう言いながら、毎日見てるじゃない」

「長いこと持ってるから、やっぱり気になるんだよ」

「だったら、もう売っちゃえば?」

「まあ、そのうちな」

そう答えたものの、何年も持ち続けた株です。

なかなか手放す決心がつかず、その日も結局、画面を閉じるだけでした。

ところが先月のことです。

いつものように株価を確認すると、久しぶりに値上がりしていました。

買ったときよりも高くなっていて、今なら利益が出る状態です。

「これなら、もう売ってもいいかな」

これまで何度も売ろうか迷っていた僕は、ようやく決心しました。

持っていた株をすべて売却し、取引が成立したことを確認すると、椅子に座ったまま大きく伸びをしました。

「もうええわ、清々した」

「あら、とうとう売ったの?」

「うん。少しだけど利益も出たし、これで気にしなくて済むよ」

「よかったじゃない」

妻もそう言って笑っていました。

長年気になっていた株をようやく手放せて、僕はすっきりした気分でした。

その日の昼ごはんは、いつもよりおいしく感じられたほどです。

ひと月後の夜、画面の前で

それからしばらくして、企業を狙ったサイバー攻撃のニュースをよく目にするようになりました。

実は、僕が売った会社も、サイバー攻撃への対策を手がけている会社だったのです。

売却からひと月ほどたった夜、ふとその会社のことを思い出し、久しぶりに株価を調べてみました。

すると、画面には僕が売ったときよりも、ずっと高い株価が表示されていました。

「……えっ?」

一瞬、違う会社の株価を見ているのかと思いました。しかし、会社名を確認しても間違いありません。

「うそだろ……」

売ったあとも株価は上がり続け、今ではかなりの値上がりになっていたのです。

あのまま持っていたら、もっと利益が出ていたのに。

そう考えると悔しくて、僕はパソコンの前で頭を抱えてしまいました。

そこへ、台所で洗い物をしていた妻がやって来ました。

「どうしたの?何かあった?」

「この前売った株、覚えてる?」

「うん。やっと売れたって喜んでたやつでしょ?」

「あれ、今すごく上がってるんだよ…」

「えっ、そうなの?」

妻は驚いた顔で画面をのぞき込みました。そして、僕の顔を見ると、口元を押さえて笑い始めたのです。

「ちょっと、笑い事じゃないんだけど」

「ごめん。でも、あなたが売ると上がるのね」

「そんなこと言わないでくれよ…」

僕がため息をつくと、妻はまた笑っていました。

それからというもの、僕が別の会社の株価を見て「この株も、もう上がらないだろうな」と口にすると、妻はなぜか楽しそうな顔をするようになりました。

その理由が分かったのは、ある晩のことです。

テーブルに置きっぱなしになっていた妻の手帳を何気なく開くと、見覚えのある会社名がいくつも並んでいました。

よく見ると、どれも僕が「もう上がらない」と話した覚えのある会社ばかりです。

「これ、何のメモ?」

僕が尋ねると、妻はすました顔で答えました。

「次に上がる会社の一覧よ」

「……僕の予想、そんなに信用できない?」

「だって、前の株も上がったじゃない」

そう言って笑うと、妻は手帳を取り上げ、エプロンのポケットにしまいました。

どうやら僕の株価予想は、妻にとって逆の意味で参考になっているようです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本記事は個人の体験談をもとに構成したものであり、特定の銘柄の売買や投資方法を推奨するものではありません。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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