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【寝かしつけ絵本に最適】「もぐらじゃん まくらじゃないじゃん」音の繰り返しが心地良い「枕のお話」を3歳の息子と読んでみた【書評】

  • 2026.11.7
まくらじゃないじゃん ゆきまゆこ/中央公論新社
まくらじゃないじゃん ゆきまゆこ/中央公論新社

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親が子どもに絵本を読む理由はいろいろある。「言葉や知識を身につけてもらいたい」という場合もあれば、「寝かしつけのために読んでいる」というケースも多いだろう。だから、読み終えたらそのまま寝かしつけに移行できる絵本は、親にとって重宝する。そんな寝かしつけの絵本に、新しい名作と呼べる一冊を見つけた。

『まくらじゃないじゃん』(ゆきまゆこ/中央公論新社)は、「書店員が選ぶ絵本新人賞2026」で大賞を受けた絵本だ。第4回となる今回は国内外から613作品の応募があり、全国の書店員368人と絵本専門士171人のオンライン投票で選ばれた。作者のゆきまゆこさんは、グラフィックデザイナーとしてCDジャケットなどを手がけたのち、イラストレーターとして活動している。

本稿では、筆者の3歳2カ月の息子にベッドの上で読み聞かせたときの反応を交えながら、その面白さを掘り下げていきたい。

もぐら、まふらー……2つ目で息子は「法則」に気づいた

この絵本を見せながら「絵本読んでみる?」と誘うと、息子は喜んでベッドについてきた。物語は、布団の上で寝る前の男の子が「あれ? まくら ないじゃん」と気づくところから始まる。次のページをめくると、出てくるのは「もぐら」。「もぐらじゃん。まくらじゃないじゃん」という言葉とともに、地面の中からぴょっこり顔を出したもぐらが可愛らしい。

その次は、もぐらがマフラーを巻いていて、「まふらーじゃん。まくらじゃないじゃん」という言葉が添えられている。その先は、同じ言葉のリズムで「かまくら」「いくら」「おくら」など、名前の似たものが次々に現れる……。

息子は、もぐら、まふらーと進んだあたりで、この法則に気がついた。そこから先はニコニコしながらお話を聞き、途中からは自分でページをめくるようになった。オクラはふだんから食べている野菜なので、出てきたとたんうれしそうに「オクラ!!」と言っていた。

このように同じリズムが繰り返される絵本は、本を読み慣れていない小さな子どもでも楽しめるし、読み手の親も節をつけて読みやすい。そしてこの絵本は、ページをめくるたびに新しいものが出てくる。「次こそ枕かな?」と期待させながら読み進めたり、「これは何だか分かるんじゃない?」と聞いたりしながら、言葉を学んでもらえるのも良いと思った。

絵の雰囲気もいい。前半は青系の背景に、男の子と布団が線だけでシンプルに描かれ、色がついているのは、もぐらやかまくらなど新しく出てきたものだけ。子どもが絵のどこを見ればいいのかがすぐ分かるのだ。男の子の姿も愛らしく、全体にほんわかとした雰囲気なので、とくにママには手に取りやすい本だと思う。

ワクワクの先に、寝かしつける親がうれしい結末

後半には提灯の並ぶお祭りの「やぐら」も現れる。これを見た息子は「ツリーハウスじゃん!」と言っていた。最近キャンプに行って覚えた言葉だ。「これやぐらっていうんだよ」と教えると、「やぐら」と繰り返し言いながら、頑張って覚えようとしていた。

やはり絵本は、知っている言葉と結びつけながら、新しい言葉を覚えていくのにちょうどいい。とくにこの絵本は、言葉をどんどん覚えている3歳くらいの子どもには、ぴったりの本だと思う。まだ言葉を覚えていない子なら、音の繰り返しを楽しみながら言葉にふれる本になるだろう。

物語の終盤で、男の子は枕を見つける。男の子が枕を抱きしめるページでは、息子も自分の枕のほうに寄っていき、一緒にぎゅっと抱きしめていた。

そして物語の結末は、子どもを寝かせる親にとって、とってもうれしい展開だ。何が待っているかは、本を開いて確かめてほしい。

この絵本は枕の話なので、枕のある寝室で読めるのがいい。枕を抱っこしたり、枕に転がったりしながら読むのが本の雰囲気に合っていて、息子もとても楽しそうだった。何より読み終えたら、「じゃあ○○くん(ちゃん)も寝てみよっか」とスムーズに寝かしつけに移行できるのが親にとっては最高だ。「寝る前に読むのに良い絵本」を探している親御さんには大推薦したい。

文=古澤誠一郎

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