1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 冷えと肩こりの関係は?秋冬におすすめの温活習慣を整形外科医が解説

冷えと肩こりの関係は?秋冬におすすめの温活習慣を整形外科医が解説

  • 2026.11.6

10月〜11月になると朝晩の気温がぐっと下がり、「手足が冷える」「肩がこる」「何だか体がだるい」「寝つきが悪い」といった不調を感じていませんか?
「温活」という言葉が広く知られるようになりましたが、無理に体を熱くすればよいというわけではありません。
まえだ整形外科リウマチクリニック院長の前田俊恒先生によると、秋冬の不調対策で大切なのは、冷えを必要以上に心配せず、服装・入浴・運動・睡眠などの基本を自分に合う形で整えること。
本記事では、「冷え」と「肩こり・不調」の意外な関係をはじめ、市販の薬への注意点、日常でできる温活の工夫や「温活のやりすぎ」への注意点まで詳しく解説します。

この記事のポイント
・冷えと肩こりの深い関係:寒さから身を守ろうと筋肉が緊張・収縮し、血流が悪くなることで「コリ」や「痛み」を引き起こす。
・日常の生活習慣でできる温活:38〜40℃のぬるめのお湯への入浴、脱ぎ着しやすい重ね着、30〜60分ごとのこまめな身体の動かし方が効果的。
・「温活のやりすぎ」に注意:カイロの低温やけどや熱いお風呂の長湯など、我慢して温め続けるのは禁物。心地よい範囲で行うことが大切。

そもそも「冷え性」とは?手足が冷えやすい人の特徴と原因

「冷え性」は日常的によく使われる言葉ですが、ひとつの病気の名前ではありません。
一般には、「手足が冷たい」「体が冷えてつらい」と感じる状態を指します。
寒い場所では、体の熱を逃がさないように手足の血管が細くなるため、指先や足先が冷たくなるのは自然な反応です。
ただし、暖かい場所でも強い冷えが続く、指先の色が白や紫に変わる、しびれや痛みを伴う場合には、貧血や甲状腺、膠原病などの病気、血流や神経のトラブルなどが関係していることもあります。
つらい症状が続くときは、「冷え性だから」と決めつけず、医療機関に相談しましょう。
冷えの感じ方には個人差があります。
筋肉量が少ない人、あまり運動をしない人、長時間座っている人、薄着で過ごすことが多い人は、寒さを感じやすいことがあります。
ストレスや不規則な生活により、血管をコントロールする自律神経のバランスが崩れ、血流障害を起こしやすくなります。
また、寝不足や疲れ、食事量が少ない日など、体調によっても感じ方は変わります。
特にデスクワークでは、長い時間同じ姿勢でいることで、脚や肩まわりの筋肉を動かす機会が減り、「冷える」「こわばる」と感じやすくなります。

寒さと動かない時間が引き起こす!「冷え」と「肩こり・むくみ・睡眠」の関係

体が冷えると、寒さから身を守ろうと筋肉が無意識に緊張し、ギュッと収縮します。
無意識に肩をすくめたり、体を丸めたりしがちです。
首や肩の筋肉が緊張すると血管が圧迫されて血流が悪くなり、疲労物質が蓄積して「コリ」や「痛み」を引き起こします。
秋冬になると肩こりが悪化するのは、この防衛反応と血行不良が主な原因です。
また、長く座ったままだと脚の筋肉を動かす機会が減り、血流が滞ると、水分や老廃物を回収するリンパや静脈の流れも悪くなり、夕方に脚のむくみを感じやすくなることもあります。
冷えだけが肩こりやむくみの原因ではありませんが、「寒さ」と「動かない時間」が重なると不調が出やすくなることがあります。
手足が冷たくて寝つきにくい人は、寝る前に入浴したり、寝室を冷やしすぎないようにしたりすることも役立ちます。

がちがちの肩こりに市販の薬は効く?服用時の注意点

肩こりでは、痛み止めや塗り薬・貼り薬、筋肉の緊張をやわらげる成分を含む市販薬で、一時的に楽になることがあります。
ただし、肩こりの原因が姿勢や長時間のデスクワーク、首の骨の病気、神経の圧迫などにある場合は、薬だけでは十分に改善しないこともあります。
市販薬の中には眠気が出るものもあるため、車を運転する人、ほかの薬を飲んでいる人、妊娠・授乳中の人は、購入前に薬剤師へ相談すると安心です。
腕のしびれや力が入りにくい、強い頭痛や発熱を伴う場合は、自己判断で薬を使い続けず受診しましょう。

体の内側から温める!体を冷やさないための工夫

温活でまず取り入れたいのは、特別なことをするより、毎日の生活を少し工夫することから始めましょう。
入浴は、熱すぎるお湯に長くつかるのではなく、38〜40℃くらいのぬるめのお湯に10〜15分ほど浸かることで、全身の血管が広がり、凝り固まった筋肉が芯からほぐれます。リラックス効果による自律神経の調整にも最適です。
のぼせや動悸、ふらつきが出たら中止してください。
服装は、厚手のものを1枚着るより、カーディガンやストールなど、脱ぎ着しやすいものを重ねると調節しやすくなります。
首や肩に冷たい風が直接当たり続けないようにすることも大切です。
運動は激しいものでなくて大丈夫です。
30〜60分に一度立つ、少し歩く、肩を回す、背伸びする、足首を動かすなど、こまめに体を動かすことを意識しましょう。

白湯や根菜類、タンパク質をバランスよく取り入れる食事のポイント

外側からの対策と合わせて大切なのが、体の内側からの温活です。
温かい飲み物やスープをとると、ほっとして体が温かく感じることがあります。
常温の水や、白湯、カフェインの少ないほうじ茶や生姜湯などを選びましょう。
にんじん、ごぼう、れんこんなどの根菜類は体を温める性質があります。
また、筋肉の材料となり熱を生み出しやすいタンパク質(肉、魚、大豆製品)を含めてバランスよく食べることが大切です。
無理なダイエットや食事制限を続けると、筋肉や体力が落ち、寒さを感じやすくなることもあります。
温かい食事を楽しみながら、栄養のバランスも意識しましょう。

漢方薬や市販薬を使う際の体質の見極めと、医師・薬剤師への相談の重要性

「漢方だから安全」「市販薬だから気軽に使える」とは限りません。
漢方薬にも副作用があり、ほかの薬との組み合わせに注意が必要なことがあります。
体質(虚証・実証など)や症状によって適するものが異なります。
市販薬も同様です。
持病がある人、いくつかの薬やサプリメントを使っている人、妊娠・授乳中の人は、医師や薬剤師に相談してから使うと安心です。
また、冷えや痛みが長く続くときは、薬だけで我慢せず、原因となる病気がないか確認することも大切です。

注意!「温活のやりすぎ」が招くトラブル

「温めれば温めるほど体によい」というわけではありません。
使い捨てカイロや電気毛布、温熱シートを長時間同じ場所に当てると、低温やけどを起こすことがあります。
また、熱いお湯での長風呂やサウナは、脱水や立ちくらみの原因になることもあります。
皮膚の感覚が鈍い人や、糖尿病・神経の病気がある人は特に注意が必要です。
「熱いけれど我慢する」のではなく、心地よい範囲で行いましょう。

まとめ:「温めること」だけでなく、「冷やしすぎない」「動く」「きちんと食べて眠る」基本を整える大切さ

秋冬の冷え対策で大切なのは、「温めること」だけではありません。
「冷やしすぎない」「同じ姿勢を長く続けない」「こまめに体を動かす」「きちんと食べて、しっかり眠る」といった基本を整えることが大切です。
肩こりも、温めるだけでなく、仕事の途中で姿勢を変える、少し歩く、肩や肩甲骨を動かすといった工夫を組み合わせるとよいでしょう。
温活は、特別な健康法というより、寒い季節を快適に過ごすための生活の工夫です。
無理なく続けられる方法を選び、強い冷えや痛み、しびれなどが続く場合は、医療機関で相談してください。

執筆者


前田俊恒(まえだ としひさ)先生
医師・医学博士(整形外科医)

日本整形外科学会 整形外科専門医・日本リウマチ学会 リウマチ専門医・日本リハビリテーション医学会 リハビリテーション科専門医
神戸大学医学部卒業。神戸大学病院(整形外科)入局後、神戸大学大学院医学研究科(整形外科学)修了。
米国スタンフォード大学医学部免疫リウマチ科に客員講師として留学、帰国後は神戸大学医学部附属病院整形外科助教を経て、まえだ整形外科リウマチクリニックの院長に就任。
肩こり・腰痛・関節痛などの慢性疼痛から、関節リウマチ、骨粗鬆症、スポーツ障害まで幅広く診療。
日常生活に根ざした運動指導・セルフケアの啓発にも力を入れている。
肩や膝、腰の痛みなど日常の体の不調や身近な健康情報についても、医学的根拠に基づいた分かりやすい解説を行っている。

まえだ整形外科リウマチクリニック
https://maedaseikei.jp/

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ