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「お前を振ったのは俺だ」と3年言い続けた元カレ→座敷で「振ったのは私でしょ」と返すと目をそらした幹事

  • 2026.11.7
ハウコレ

「振ったのは私でしょ」と言った瞬間、座敷の笑い声が止まりました。言い返してくると思っていた元カレが、グラスを置いて窓の外に目を向けます。

座敷のふすまを開けると、サークル仲間の笑い声があふれてきました。半年ぶりの集まりで、一番奥の席には3年前に別れた元カレが座っています。目が合った瞬間、また始まるのだと分かりました。

毎回の決まり文句

「お、来た来た。お前を振ったのは俺だからな」
元カレは集まりのたびに、同じことを言います。
本当は逆でした。
元カレとは大学のサークルで知り合い、卒業の少し前から2年ほど付き合っていました。
3年前の雨の日、駅前のカフェで別れを切り出したのは私のほうです。
それなのに元カレは、仲間の前では必ず自分が振ったことにしていました。
仲間たちはそのたびに笑い、私は苦笑いで聞き流すのがお決まりです。
場の空気を悪くしたくなくて、少しくらいは我慢しようと思ってきました。
けれど3年も同じ話を聞かされると、さすがに笑えなくなっていました。

とうとう言い返した

乾杯がすみ、昔話で盛り上がり始めたころです。
幹事の友人が、思い出したように聞きました。
「そういえば2人、なんで別れたんだっけ」
元カレはすかさず、いつもの調子で答えます。
「お前を振ったのは俺だ」
仲間たちが、どっと笑いました。
私はグラスをテーブルに置き、元カレをまっすぐ見ました。
「振ったのは私でしょ」
座敷の笑い声が、ぴたりと止まります。
隣の席の誰かが、箸を持ったまま私と元カレを見比べていました。
元カレの口が、ゆっくりと開きました。

「あの日、雨だったよな」

てっきり、言い返してくるものだと構えていたのです。
ところが元カレは、グラスを置いて窓の外に目を向けました。
「そうだったな。あの日、雨だったよな」
確かに、あの日は雨でした。
カフェの窓を、水滴がずっと流れていたのを覚えています。
元カレはそれ以上何も言わず、上着をつかんで座敷を出ていきました。
残った仲間たちは、気まずそうにグラスを口に運んでいます。
ふと見ると、幹事の友人がなぜか私から目をそらしていました。

そして...

元カレは、それきり座敷に戻ってきませんでした。
帰り道、駅までの道を歩きながら、この3年の集まりを1つずつ思い出してみました。
元カレはいつも、私が席に着く前にあの言葉を言っていた気がします。
仲間に笑われてまで、どうして振ったのは自分だと言い張っていたのか。
そして幹事の友人は、なぜあのとき私から目をそらしたのでしょうか。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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