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来週は5年記念日なのに「約束したっけ?」と言った彼が、約束の画面を見て玄関を出ていった

  • 2026.11.6
ハウコレ

スマホの画面をしばらく見つめたあと、彼は上着をつかんで玄関に向かいました。テーブルの上には、開いたままの私のスマホだけが残されています。

カレンダーアプリに入れていた記念日の通知が、スマホに表示されました。付き合って5年になる彼とは、2年前から一緒に暮らしています。ソファで隣に座る彼に、私はその画面を見せました。

記念日の話をした私に

「来週、5年目の記念日だね」
彼はテレビから目を離さずに、「そうだね」と答えるだけでした。
3年前の記念日、私たちは初めてデートをした洋食店に行きました。窓際の席で、少し緊張しながら乾杯したものです。帰り道に彼が送ってくれたメッセージを、私はときどき読み返していたのです。
「あの店、予約した?」
そう聞くと、彼はようやくこちらを向きました。
「約束したっけ?」
冗談めかした言い方ではありませんでした。本当に覚えていないような、きょとんとした顔です。
私は返事をせずに、その顔をしばらく見返していました。

3年前のメッセージ

リモコンの横に置いていたスマホを手に取り、メッセージの履歴をさかのぼりました。
探すのに、時間はかかりません。3年前の記念日の日付で、彼からの1通が残っていました。
「5年目の記念日には、あの店にもう1回2人で行こう」
その画面を、彼の目の前に差し出しました。
「ほら、言ったよ」
少し意地の悪い言い方になったのは、自分でも分かっていたのです。
彼は私の手からスマホを受け取り、画面に目を落としたのです。

画面を見つめたままの彼

彼はしばらく、何も言わずに画面を見ていました。指で少しスクロールしては、また同じところに戻ります。
「ごめん」
小さくそう言うと、彼はスマホをテーブルに置きました。それから立ち上がり、椅子の背にかけていた上着をつかみます。
「ちょっと出てくる」
「え、今?」
私の声には答えず、彼は玄関で靴を履いて出ていきました。ドアの閉まる音のあと、部屋にはテレビの音だけが残っていました。ソファには、彼が座っていたくぼみがついたままでした。

そして...

テーブルの上では、私のスマホが3年前の画面を映したままでした。
彼が送ってくれた1通を、もう一度読み返してみます。どこにもおかしなところはありません。彼に「どこ行ったの?」とメッセージを送っても、返事は来ないままでした。
しばらくして、彼は買い物袋を提げて帰ってきました。袋をテーブルに置くと、彼は自分のスマホを手に、ゆっくり話し始めました。話を聞き、見せられた写真をしばらく見てから、私は「先に言ってよ」とだけ言いました。
忘れていたのなら、謝って終わりにすればいい話です。それなのに彼は、なぜあの画面を見て家を出ていったのか。「約束したっけ?」と言ったあの顔は、本当に忘れていた人の顔だったのでしょうか。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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