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付き合って10日の彼女に地名だけ送った僕→「なんでその浜?」に答えず、ひとりで歩いた下見の道

  • 2026.11.7
ハウコレ

「誰かとの思い出の場所?」と聞かれて、慌てて「違う」と返しました。思い出の場所なのは、僕ではなく彼女のほう。ただ、それを文章で伝える自信はありませんでした。

初めてふたりで食事をした日、今は付き合って10日になる彼女が、子どものころの夏の話をしてくれました。海のすぐそばを走る電車と、駅から歩いてすぐの砂浜。そこで食べたアイスが、一番の夏の思い出だそうです。

彼女が覚えていなかった、海の名前

「おばあちゃんと行ったんだけど、どこだったか分からないの。いつかまた行きたいな」
彼女はそう言って笑っていました。地名も、駅の名前も覚えていないそうです。
その話が、ずっと頭から離れませんでした。海の目の前を走る電車。駅から近い砂浜。家に帰ってから、手がかりになりそうな言葉で検索を続けました。
写真を何枚も見比べて、たどり着いたのが有名な観光地にある浜でした。翌週の休みには、ひとりで電車に乗って確かめに行きました。駅から浜へ抜ける細い道の途中に、古いアイスの店が今も残っていました。

地名だけを送ってしまった

帰りの電車で、気持ちが先走りました。送ったのは地名だけです。
すぐに「地名だけ送ってくるってどういうこと?」と返ってきて、説明が足りなかったと気づきました。でも、ここで全部書いてしまったら、彼女が自分で思い出す楽しみがなくなる。そう考えて、先に予定だけを聞きました。
「来週の土曜、空いてる?」
「空いてるけど、なんでその浜?」
答えは、現地まで取っておきたかったのです。
「行けば分かる」

「誰かとの思い出の場所?」と聞かれて

次に届いたのは、思いもしなかった1通でした。
「誰かとの思い出の場所?」
言われてみれば、そう読まれても仕方ありません。付き合って10日の相手から、理由もなく地名だけが届いたのです。
「違う。でも行けば分かる」
そう返しながらも、自信はありませんでした。あの店が、彼女の覚えている店なのか。もし違ったら、ただの空回りです。それでも、下見で歩いた道順だけは、何度も地図で確かめておきました。

そして...

当日、僕は改札を出て、下見で覚えた細い道へ彼女を案内しました。古いアイスの店の前で、彼女は足を止めました。
「ここ。おばあちゃんと来た」
彼女は店先の看板を、しばらく見上げていました。それから同じアイスを2つ買い、1つを僕に渡してくれました。
彼女が「なんでその浜?」と聞き返したその地名は、彼女自身が名前を忘れていた、あの夏の海でした。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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