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400年の歴史を未来へ。「メレリオ」14代目が語る、伝統と革新の美学

  • 2026.11.5
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1613年の創業以来、400年以上にわたりフランスの宝飾文化を彩ってきたMELLERIO(メレリオ)。王侯貴族に愛され、幾世代にもわたって卓越した職人技術と美意識を受け継いできた、フランス最古のジュエリーメゾンです。現在、その歴史を継承するのが、14代目当主であり、プレジデント兼アーティスティック・ディレクターを務めるロール=イザベル・メレリオさん。由緒あるメゾンの伝統を守りながら、現代の感性を吹き込む彼女が見据える未来とは。2026年の新作に込められた思いとともに、クリエーションの哲学に迫ります。

400年の歴史を継承し、新たな時代へとアップデートを続けるメレリオ

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1613年に創業した「メレリオ」は、フランス最古のジュエリーメゾンとして、ヨーロッパの王侯貴族をはじめ、時代を象徴する人々に愛されてきました。創業家のルーツはイタリアのクラヴェッジャにあり、イタリアの豊かな芸術文化とフランスの洗練された美意識が、メゾンの独創性を育んできました。数多くの名門ジュエリーメゾンが大きなグループの傘下に入るなか、現在も創業家による独立経営を貫いていることも、メレリオの特筆すべき魅力です。

歴史を受け継ぎ、新時代へ。ロール=イザベル・メレリオが描く未来像

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14代目としてメゾンを率いるのが、ロール=イザベル・メレリオさん。美術史と宝石学を学び、インテリアデザインにも精通する彼女は、プレジデントとアーティスティック・ディレクターというふたつの立場から、メゾンの新たな時代を切り拓いています。

<Profile>

Laure-Isabelle Mellerio(ロール=イザベル・メレリオ)/プレジデント兼アーティスティック・ディレクター
1613年創業のフランス最古のジュエリーメゾン「メレリオ」14代目当主。プレジデント兼アーティスティック・ディレクター。イタリア・クラヴェッジャにルーツを持つメレリオ家の歴史を受け継ぎ、美術史、宝石学、インテリアデザインの知識を生かしてメゾンのクリエーションを統括。伝統的なサヴォアフェールと現代的な感性を融合させ、メゾンの新たな可能性を追求している。

400年以上の歴史を未来へ紡ぐということ

――14代目としてメゾンを継承される際、どのような思いを抱かれたのでしょうか。

メレリオは400年以上の歴史を持ちながら、現在も創業家が経営を続ける非常に稀有なジュエリーメゾンです。私は14代目として、この長い歴史を受け継ぐと同時に、次の世代へと手渡していく継承者であると考えています。

メレリオは、これほど由緒ある歴史を持ちながらも、知る人ぞ知る存在でした。フランスでは、いわば“眠れる森の美女”のようなメゾンだったのです。私が継承する際に決意したのは、この素晴らしいヘリテージを大切に守りながら、よりコンテンポラリーな存在へと進化させることでした。

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――その思いを実現するために、どのような改革から着手されたのでしょうか。

メゾンを現代的な存在へと進化させるためには、あらゆる面で発想を転換する必要がありました。 例えば、店舗の改装やコレクションの見直しなど、メゾン全体のイメージを刷新すること。それから若い世代にも親しんでいただける、よりカジュアルでありながら、本物のジュエリーとしての価値を備えた「ミューズ」コレクションの展開も、その施策のひとつといえますね。

――歴史を持つメゾンを率いることには、大きな責任が伴うと思いますが、一方で、どのような喜びを感じていらっしゃいますか。

これほど長い年月にわたり、創業家が事業を継続してきたことは、とりわけラグジュアリーやジュエリーの世界では非常に特別なことです。その歴史を受け継ぐことは、私にとって大きなチャレンジであると同時に、大きなチャンスでもありました。

メレリオには膨大な歴史的遺産が存在しています。しかし、その価値が十分に知られ、評価されてきたとは必ずしもいえません。だからこそ、その素晴らしい遺産の価値をより明確にし、現代において最大限に生かしていくことが重要だと考えています。それは単なる重責ではありません。私にとって非常に大きな可能性を秘めた仕事であり、プロフェッショナルとしての喜びでもあるのです。

LE PROVOST NICOLAS / Hearst Owned

――家族経営だからこそ大切にできる価値観とは、どのようなものでしょうか。

家族経営の大きな利点は、長期的な展望を持つことができる点です。短期的な成果だけにとらわれず、次の世代、そのまた次の世代までを見据えた経営ができます。また、意思決定のプロセスがシンプルであることも大きなメリットです。

そして何より、お客様との関係、ビジネスのあり方、従業員との関係において、より人間的な繋がりを大切にできることだと思います。独立した家族経営のメゾンだからこそ、こうした関係性を築いていけるのです。

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アーカイブに息づく美意識と、創造の源泉

――歴史上の人物たちとの数多くのエピソードや貴重なアーカイブが残されています。そうした歴史的遺産と、どのように向き合っているのでしょうか。

アーカイブは、私にとって非常に重要なインスピレーションの源です。ただし、いつもアーカイブを出発点にしているわけではありません。アーカイブの中から新しい発想が生まれることもあれば、まず自分自身の中にアイデアが浮かび、それにふさわしい歴史的な資料を探していくこともあります。

私はメゾンを継承するにあたり、半年以上をかけて膨大なアーカイブを詳しく研究しました。そのため、新たなアイデアが生まれたときに、どの時代のどの資料に手がかりがあるのか、おおよその見当をつけることができます。歴史を知り、理解しているからこそ、そこから新たなクリエーションを生み出すことができるのだと思います。

――メレリオのスタイルを象徴する「キャビネ・ド・キュリオジテ」は、どのように生まれたのでしょうか?

「キャビネ・ド・キュリオジテ」は、貴重なものや珍しいものを集めたコレクション、いわゆる“驚異の部屋”を意味しています。このアイデアが生まれたのは約3年前のことで、それ以来、継続的に発展させてきました。

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インスピレーションの源となったのは、ルネサンス時代の希少な宝石や貴重なものを収集する文化です。ダイヤモンドや色石など、一つひとつの宝石が持つ個性や希少性を大切にするとともに、それぞれのジュエリーを自由に重ねづけしたり、組み合わせたりすることを提案しています。身につける人自身の個性を表現できる、パーソナライズされたジュエリースタイルを楽しんでいただきたいと考えています。

75年前の革新的な発想を、現代のジュエリーへ

――1951年に考案された「ネイル オーナメント」を、なぜ2026年の新作コレクションとして発表されたのでしょうか。

1951年当時、このネイルジュエリーは非常に先進的なアイデアでした。当時はオートクチュールのような、特別な装いのために考案されたもので、一般のお客様が気軽に身につけられるものではなかったのです。そのため、長い間、商品化されることなく、アーカイブの中に残されていました。

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しかし、75年を経た現在、ネイルアートは日本をはじめ世界各地で広く親しまれ、自分らしさを表現する手段の一つになっています。だからこそ、メレリオが考える究極のラグジュアリーとして、特許を取得したこのネイルジュエリーを現代に蘇らせることに意味があると考えました。

――1951年のデザインでありながら、今見ても非常にモダンで、斬新さを感じます。

メレリオは、どの時代においても、その時代の最先端を目指してきたメゾンです。もしかすると1951年当時には、あまりにも斬新すぎて、人々がその発想についていけなかったのかもしれません。だからこそ、75年という時を経たいま、むしろ新鮮に受け止めていただけるのではないでしょうか。

ネックレスやイヤリングといった従来のジュエリーには、身につける場所について、ある種の固定観念があります。しかし、爪を宝石で飾るという発想は、そうした既成概念を超えるものです。

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――繊細なゴールドの細工や宝石の色使いにも、メレリオらしい美意識が感じられます。

もともとのアーカイブに残されていたデザインを出発点にしています。そこに、現代的なロックテイストを取り入れたり、メレリオが伝統的に得意としてきた色彩豊かな表現を加えたりすることで、さまざまなバリエーションを展開しました。

非常に小さく、細部まで作り込まれたジュエリーですから、精巧な仕事が求められます。そこには、長年受け継がれてきたメゾンのサヴォアフェール、すなわち職人の卓越した技術が欠かせません。歴史的なルーツを感じさせながらも、現代の装いにふさわしい新鮮さを大切にしています。

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――ネイル オーナメントは、どのように身につけて楽しんでいただきたいとお考えですか。

必ずしもゴージャスな装いに合わせる必要はありません。むしろ、普段の控えめなスタイルに、一つだけさりげなく身につけるというのも、非常に洗練されたおしゃれだと思います。例えば、小指に一つだけつける。それだけでも十分に美しく、個性を表現することができます。

もちろん、特別な機会に複数を組み合わせ、より華やかに装うこともできるでしょう。決められたスタイルにとらわれず、それぞれの感性で自由に楽しんでいただきたいですね。

いま、自分がこのポジションにいることには、非常に大きな意味があると感じています。400年以上にわたって受け継がれてきた歴史を大切にしながら、次の時代を形づくっていく。その重要な役割を担っていることを強く意識しています。メレリオがこれまで積み重ねてきた価値を守りながら、次世代へと繋いでいくこと。それが、私の使命だと思っています。

問い合わせ先
メレリオ
TEL/03-5817-7550
URL/mellerio.jp

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