1. トップ
  2. エピソード
  3. 「飲み会に彼女を呼ぶ男は無理」と言った彼が、職場の飲み会に私を呼んだ→座敷で「彼女です」

「飲み会に彼女を呼ぶ男は無理」と言った彼が、職場の飲み会に私を呼んだ→座敷で「彼女です」

  • 2026.11.6
ハウコレ

ふすまが開くと、知らない人たちの視線が一斉にこちらへ向きました。駅までの帰り道、彼が口にしたのは「助かった」の一言だけ。私は何から彼を助けたのか、まだ分かっていません。

テレビのバラエティ番組で、恋人を職場の飲み会に連れてきた男性が紹介されていました。ソファでグラスのビールを飲んでいた彼は、その場面を見て鼻で笑いました。

バラエティ番組を見ながら

「飲み会に彼女を呼ぶ男は無理」
彼はそう言って、グラスをテーブルに置きました。仕事とプライベートはきっちり分けたい、というのが彼の口ぐせです。
私も彼の職場の集まりに顔を出したいとは思わなかったので、「そうだね」と笑って返しました。同棲して1年になりますが、彼の会社の人たちとは一度も会ったことがありません。
彼が仕事の話をするときも、出てくるのは仕事の中身ばかりでした。

届いたメッセージ

数週間後、彼は職場の飲み会に出かけていきました。私は家で洗濯物をたたみながら、テレビをつけっぱなしにしていたのです。
スマホが鳴ったのは、彼が出かけてから2時間ほどたった頃でした。
「今から店に来てもらえない?」
続けて、駅前の居酒屋の地図が送られてきました。どうしたのかと返すと、届いたのは「来てから話す」だけです。
急いで上着を羽織り、電車に乗りました。店の前では、入口の明かりの下で彼が待っていました。
「ごめん、少しだけ顔を出して」
彼に案内されて、奥の座敷へ向かいます。ふすまの向こうからは、にぎやかな笑い声。彼はふすまに手をかけ、一度だけ私の顔を見てから、それをゆっくりと開けたのでした。

座敷の手前に座っていた人

座敷には、10人ほどの人がいました。いちばん手前に座っていた年上の男性が、私を見て目を丸くします。彼が小声で「先輩」と教えてくれました。
「彼女です」
彼がそう言うと、座敷のあちこちから「え!」と声が上がりました。先輩は少し間をおいてから笑いました。
「わざわざありがとうね」
私が頭を下げてあいさつすると、座敷はまた笑い声に包まれたのです。彼にすすめられてウーロン茶を1杯だけ飲み、15分ほどで店を出ました。
誰に何を聞かれたわけでもなく、私がしたのは本当にあいさつだけでした。

そして...

駅までの道で、彼は「助かった」とだけ言いました。何が助かったのかと聞いても、前を向いたまま「今度ちゃんと話す」と返すばかりです。
「飲み会に彼女を呼ぶ男は無理」と言っていたはずの彼が、どうして私をあの座敷に呼んだのか。
あいさつしかしていない私は、いったい何から彼を助けたのでしょうか。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ