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「読みなさいって怒っちゃった」を解決 本を読まない子が「一人読み」! おすすめの児童書「3つの選び方」

  • 2026.11.3

な、なんだこのキャラクターは……!?

強烈な印象を与える『たいやきデカ』は、対象年齢5歳から小学校低学年向けの「一人読みスタート」ができる読みものです。

今回は保護者のみなさんに、『たいやきデカ』が子どもにとってどんな本かを紹介します。

cocreco『たいやきデカ①だいふくどろぼうを つかまえろ』文:春間美幸/絵:ふじはらむつみ(講談社)

飯田一史(いいだ いちし)

出版ジャーナリスト・ライター。中央大学法学部法律学科卒。グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了(MBA)。出版社にてカルチャー誌や小説の編集に携わったのち、独立。国内外の出版産業、読書、子どもの本、マンガ、ウェブカルチャー等について取材、調査、執筆している。

興味を持って読み切れるかどうかが大事

cocreco『たいやきデカ (1)だいふくどろぼうを つかまえろ』文:春間美幸/ふじはらむつみ(講談社)

表紙をパッと見たとき、子どもから見て「おもしろそう!」と感じるインパクトがあるかどうかは、未就学児~小学校低学年の子向けの本ではとても大事なポイント。そこで興味を惹かれたら、手に取って本をひらいてくれるからです。

大人なら『たいやきデカ』というタイトルで「ミステリーなのかな」と予想がつきますが、低学年くらいまでの子どもには、本を手に取るときにどんなジャンルなのかとか、どのくらい難しいのかといった知識がまだあまりありません。

ですから、目に入ってくる視覚的な情報や、タイトルのひびきで、めくってみるかどうかが決まります。ただ問題は、手に取って開いたあとで、大人が気になるのは「最後まで興味を持って読み切ってくれるのだろうか」です。

『たいやきデカ』は登場人物たちが、たいやきのコゲンボ、せんべいのカタスギ、大福屋さんのモチダなど、みんな食べものです。刑事であるコゲンボとカタスギが、大福強盗事件の犯人のゆくえを追うという話になっています。

本の中には、ちょっとした迷路や、絵から読者が謎を推理できる要素が登場します。

はたまた、あんこを飲んだ刑事コゲンボが突如パワーアップしたり、相棒のカタスギが持ち前の石頭でモノを破壊したりと、集中力がなかなか続きにくい年代の読者を飽きさせないよう、手数が多く、絵のインパクトも大きい展開が用意されています。

字を読むのが苦手な子でも、絵を追っていくだけでも楽しいと思います。

一回読んで終わりじゃなくて、くりかえし読んでくれる?

せっかく買うなら、一度読んでおしまいではなくて、子どもには何度も読んでほしいですよね。

ミステリーは「一回読んで、もう犯人やトリックがわかったからつまらない」ではなくて、くりかえし読むことで「ここでこんなふうにしていたのか」とか「ここにヒントがあったんだね」と探すおもしろさもあります。

この本ではとくに、絵の部分にもしかけ、伏線、それから本編とは関係のないオマケまでしかけられています。くりかえし、すみずみまで読むことでの発見があります。

知識や思考力は身につく?

「でも、ただ楽しく読んでおしまい、だとちょっとなあ……」という方もいると思います。せっかく読むなら、勉強につながる要素もほしい、という気持ちはよくわかります。

『たいやきデカ』では、聞き込みから得た手がかりをもとに、容疑者を3択からえらぶパートなど、情報をくみあわせて考える思考力を読者に求める要素があります。

また、「顔がしわしわのはずの容疑者のすがたが変わっている。どうして?」という点には、理科の知識がからんできます。

『たいやきデカ』は食べものたちがキャラクターとして登場する世界ですが、身近な食べもののふしぎな特徴が、なぞ解きにも関係してくるのです(これ以上はネタバレになるので言えません)。

また、「顔がしわしわのはずの容疑者のすがたが変わっている。どうして?」という点には、理科の知識がからんできます。

『たいやきデカ』は食べものたちがキャラクターとして登場する世界ですが、身近な食べもののふしぎな特徴が、なぞ解きにも関係してくるのです(これ以上はネタバレになるので言えません)。

一人読みだけでなく、大人もいっしょに読んでほしい

この本は一人で読みきれるように工夫してつくられていますが、ぜひ大人もいっしょに読んでみてほしいと思います。

大人が気づかないことに子どもが先に気づいたときに「よく気づいたね」と反応してあげたり、子どもが気づいていない「しかけ」に大人が気づいて問いかけをしたりすることで、一人で読むときとはまた違った体験ができるでしょう。

いっしょに読んで「まだまだこの本にはいろいろなナゾやしかけがあるね」とわかると、今度はまた一人で読んで「ここにこんなのがあるんだよ」と見つけたことを大人に教えてくれると思います。

本には、あるいはこの世界には、自分の観察によって発見できることや、考えて何かを解く楽しさがあるのだと子どもがわかってくれたら、その後の読書や勉強につながり、興味・関心を育てることにもつながっていくはずです。

ちょっとフザけた表紙の作品ですが、ぜひたいやきやおせんべい、大福を食べながら、読んでみてください。

文/飯田一史

cocreco『たいやきデカ (1)だいふくどろぼうを つかまえろ』文:春間美幸 絵:ふじはらむつみ(講談社)
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