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【不登校・学校に行きたくない】子どもに「お仕事マンガ」を読んでもらいたい「本当の理由」 先輩パパが実践

  • 2026.11.3
cocreco写真:years/イメージマート

「また子どもが学校を休んでしまった……」と焦りや不安を感じていませんか?

出版ジャーナリスト・飯田一史さんも「子どもが登校しない時間をどう過ごさせるべきか」と頭を悩ませてきたといいます。

そこで今回は、子どもが学校に行かない・行けない時間をポジティブな時間に変える、学べる「お仕事漫画」を紹介してもらいました。

学校に行けない/行かない時間をどう過ごすか

保護者のみなさん、お子さんは夏休み明けから学校に行けているでしょうか。

私の息子(小5)は小1から行きしぶりで、行けたり行けなかったりなのですが、5年生になると女子は思春期に入りかけており、クラスの空気も大きく変わり、学校の先生も低中学年までのときより、児童に規律を求めるようになってきます。

そういうことへのなじめなさもあるのか、ますます「学校行きたくない」というほうに傾いています。学校側も「教室に行かなくてもいい」など配慮してくれてはいますが、それでも厳しい。

別につらかったら学校に行かなくてもいいと思うものの、行かない時間をどう過ごすのかが問題なわけです。

一応、義務教育課程で習うことは身につけてもらいたいと、こちらとしては思うのですが、家で勉強するかと言えばあらゆる手段を使ってなるべくサボろうとするし、塾も決まった時間に決まった教室に拘束されるのがムリ(「学校っぽい」場所がたいていムリ)なので、なかなか大変です。

基本的に興味があることしかしないため、こちらができることといえば、

・興味の幅を少しでも広げる

・興味を持ったことを掘り下げられるように環境を整備する

・多少なりとも教科の学習と関係することにも興味を持ってもらえるようにあの手この手を使う

くらいになります。

興味を持ったものにアクセスしてもらう手段として便利かつ安心なのは、やはり本です。ですから本や本がある場所に関係するものを、そっと差し出すことで、親しみを持ってもらおうとしています。

そういう観点から、今回は「本に関わるお仕事漫画」を選んでみました。

1冊目:『税金で買った本』

cocreco『税金で買った本』原作:ずいの/著:系山冏(講談社)

「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。」と鎌倉市中央図書館がソーシャルメディアで発信したのはもうずいぶん前のことになりますが、子どもが安心してすごせる居場所に図書館がなってくれたら本当に心強いだろうなと思います。

そうでなくても、図書館自体に興味を持ってもらえると、自然と自分の関心に合わせて本を探すようになります。それでも「いっしょに行こう」と誘っても「めんどくさい」と言われて、親がひとりで予約した本を取りに行くこともよくありますが……。

ともあれ、図書館を舞台にしたマンガが『税金で買った本』です。この2026年8月からドラマも放送されていますし、青い鳥文庫から小説版も刊行されています。

cocreco『小説 税金で買った本』作:ずいの/著:系山冏(講談社)

図書館で働いている人たちの裏側を知ると、見慣れた図書館の風景も違って見えてきて、図書館に行く動機にもなります。

作中で私の著書『「若者の読書離れ」というウソ』がビブリオバトルの回で取り上げられたこともあるので、ぜひそういう意味でも読んでもらいたいですね(笑)。

cocreco『「若者の読書離れ」というウソ』著:飯田一史(平凡社新書)

そういえば、ときどき公共図書館では、書庫が見られるバックヤードツアーをやっています。行ったことがない人にはオススメします。

ふだん入れないところ、見られないところに足を運べることが楽しいですし、「え、予約した本を書庫から出してもらうと、こんなところから探してわざわざ自分の手元に届いているの?」と感じて、本や図書館へのありがたみが増します。

2冊目:『ガクサン』

cocreco『ガクサン』著:佐原実波(講談社)

勉強してほしいなと思って、ドリルや学習参考書(学参)をこちらの目線や感覚で買ってきても、我が子にちょうどよく刺さるものを見つけるのはむずかしいものです。

かといって、書店につれていったときに学参コーナーにいっしょに行こうとしても、受験が差し迫っておらず、勉強したい気持ちにスイッチが入っていない子どもが興味を持つはずもなく……。いや、受験が迫っていたとしても、学参は世の中にたくさん出過ぎていて、どれを選んだらよさそうなのか、アタリを付けにくい。

『ガクサン』は学習参考書の出版社を舞台にしたお仕事マンガですが、勉強に関するさまざまな悩みをもったキャラクターが登場します。子ども目線、大人目線双方から学参のえらび方や勉強法、親世代と今の受験システムの違いなどについて掘り下げています。

また、子どもに読んでもらって「マンガに出てきた『これ、よさそう』と思う学参あったら買うから教えて」と言って、興味が冷めないうちに買って手渡すか、書店にいっしょに確認しに行くことで勉強に向かってもらうという「鉄は熱いうちに打て」戦術を取るのもいいと思います。

読書推進においては「自分で興味を持ったものを、自分で選んで決めた」という体験が有効だとわかっていますが、勉強も同じです。

もちろん、それでも「やっぱり合わなかった」となることも普通にありますが、それは確率の問題で、しかたないですね。ちなみに大人が読んでもためになりますよ。

3冊目:『刷ったもんだ!』

cocreco『刷ったもんだ!』著:染谷みのる(講談社)

本にかかわる仕事と言えば印刷所もあります。最近はZINE(ジン。個人や少人数のグループが自由に作って発行する自主制作の小冊子)が流行っていることもあって、小学生はともかく中高生で本を「作ってみたい」「作ったことがある」という人は少なくありません。

教科の学習とは基本的には関係ないですが、アウトプットの機会として自分で印刷物を作ることや、イベントに出展するなどして売るのは本当にいい体験になります。学校に行かない/行けないのであればなおのこと、創作活動などを通じて何かしら社会と関わる機会にもなりますね。

『刷ったもんだ!』は、本に限らず印刷物全般を扱う印刷所の人たちが日々している仕事の世界を、おもしろおかしく描いています。

アイドルのグラビア写真の修整や、学校の卒業アルバムによく載っている年表を実は印刷所の人が作っていることがあるとか。

ただこの本には18禁のマンガ同人誌の話も扱っているので(性描写はないですが、その存在に触れているので)、高校生以上のお子さんに渡すのがいいのではと思います。

不登校の子にお仕事マンガを読んでもらいたい本当の理由

今回は不登校の子向けに本に関係する仕事を描いたマンガを紹介しました。これには冒頭に述べた「本や勉強に興味を持ってほしい」という以外の理由もあります。

個々人の年齢や発達、読書レベルにもよるのですが、小学校高学年~中学生くらいになってくると、それまで読んでいた学習マンガ、キャリア教育的な内容を含む学研の「ひみつ」シリーズなどを「子どもっぽい」と感じ始め、だんだん受け付けなくなっていきます。

でも、大人としては社会のことや自分の将来のことも考えてほしいですよね。漠然とでも「こういう仕事、おもしろそう」「こういう業界で働いてみたい」という興味や目標、方向性を持ってくれたほうが、「それならこういう進路を選ばないと」と定まり、進路が定まればそれに向けて自発的に勉強したり、活動したりするようになりやすい。

ただ真正面から進路や将来に関する話を振ったり、そういう本を渡したりしても、やはり親と子どもでは目線も考えも違いますから、そもそも反応がにぶかったり、摩擦が起きたり、双方が不安に駆られたりしやすい。

シリアスになりすぎずに読書を通じて「こんな仕事があるんだな」とか「働くってこういうことなのかな」と知ったり感じたり、登場人物たちの姿から触発されたりするには、お仕事マンガはちょうどいい距離感にあると思います。

cocreco写真:Paylessimages/イメージマート

小学生向けの学習マンガほどきれいごとの世界ではなく、進路選びのための本や大人向けのお仕事小説ほどは重たくない(読むためのハードルが低い)。

まあ、そんなことを考えてくれなくても、学校に行きたくないとか、人間関係がつらいということから、ひととき忘れて没入してくれるだけでも、十分に価値はあるのですが。

「子どもが学校に行かない/行けない」と、子どもも大変だったり、しんどかったりしますし、保護者の側もそうなりやすいです。本にも頼って、お互いなんとか、一日一日を乗り切っていきましょう。

文/飯田一史

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