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【中学受験直前期】「あと30分だけ…」が命取り? 絶対に親が守るべき1つの軸

  • 2026.11.3
cocreco写真:アフロ

こんにちは、教育ジャーナリストの佐野倫子です。夏が終わり、6年生の秋が始まると、中学受験生の勉強はいよいよ総仕上げへ。塾の授業に過去問、合格判定模試の復習、弱点補強……。

一日24時間では足りないように感じ、「もう30分だけ」「このページが終わるまで」と、夜の勉強時間を延ばしたくなる保護者は少なくありません。

しかし、眠気を我慢した勉強は最も効率が悪いのです。新刊『中学受験伴走力』から、直前期に親が絶対に守るべき睡眠と体調管理の極意をお伝えします。

佐野倫子(さの・みちこ)

東京生まれ、早稲田大学卒。現在、東京大学大学院情報学環教育部在学中。航空業界・出版社勤務を経て作家・教育ジャーナリストに。おもな著書に『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)。2人の男の子の母。現在中受伴走2周目中。

眠る時間は死守!まずはそこからスタート

6年生後期の家庭を悩ませるのが、勉強時間と睡眠時間のせめぎ合いです。塾の授業後に質問へ行けば帰宅は遅くなり、そこから食事や入浴を済ませると、就寝時刻はあっという間に22時をまわります。

宿題や直しが終わらなければ、「今日だけはもう少し」と夜更かしをさせたくなることも。

cocreco写真:KeyRabbits/イメージマート

親としては、少しでも穴を埋めてから眠らせたい。やり残したままだと明日の課題が増えてしまう、ついそんな気持ちになってしまいます。

でも、眠気を我慢して問題を解いても頭に入らず、翌日の学校や塾でぼんやりしてしまうのがもっとも効率が悪いですよね。かえって集中できる時間を減らしてしまいます。

取材では、その点について塾の先生に伺いました。

【体調管理は親ミッション! 睡眠時間はしっかりと】

6年生の受験生のときは成長期が重なり、いくら寝ても眠いという状態に……。しかしやることが多く、塾で授業のあと質問に行ったりすると、帰宅が遅くなり、就寝が23時近くになってしまう。

思い切って塾の先生に「授業中眠そうにしていませんか? 8時間は寝ていますが、もっと寝たほうがいいですか?」と相談。

先生は「身長が伸びる時期ですね、8時間確保できているのであれば、最低限は足りています。でも思い切って15分昼寝をしたり、少し早めに就寝してもいいですね。

眠くて集中できない、というのがもっとも非効率ですから」とアドバイスをいただきました。(2024年終了・男子保護者)

『中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと』より一部抜粋

「何時間寝たか」だけでなく、昼間の様子を見る

睡眠時間には個人差があります。だからこそ、「我が家は8時間だから大丈夫」などと数字だけで決めつけず、朝すっきり起きられるか、日中に強い眠気がないか、帰宅後に集中できているかという、我が子の様子を見ることが大切です。

なお、厚生労働省の情報サイトでは、小学生の睡眠時間は9~12時間が目安として紹介されています。(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「こどもの睡眠」)

もちろん、通塾のある受験生にとって毎日その時間を確保することが難しい家庭もあるでしょう。それでも、睡眠を「勉強が終わったあとに残った時間」と考えず、先に確保するものとして予定へ組み込む意識は持っておきたいところです。

気になるときは、塾の先生に「授業中、眠そうにしていませんか」「問題を解くスピードが落ちていませんか」と尋ねてみてください。家庭では元気に見えても、授業中に集中が切れていることがあります。

逆に、親が心配するほどではないと分かれば、安心材料にもなります。家庭だけでは見えない姿を知ることも、伴走の一つです。

また、疲れが強い日は思い切って夜の学習を一つ減らしましょう。質問したい問題に優先順位をつけ、塾から早めに帰る。夕食や入浴の段取りを家族で見直す。帰宅後に取り組む内容を「必ずやること」と「余力があればやること」に分ける。睡眠を守るために、調整できることは意外とあります。

ここで親が気をつけたいのは、子どもが頑張っている姿を見て、「もっとできるはず」と予定を足してしまうことです。直前期には、新しい課題を一つ増やすより、やらないことを一つ決めるほうが難しいもの。でも、親がブレーキ役を引き受けることもときには必要ですね。

入試直前に慌てないために、体調管理は秋から始める

直前期の体調管理は、睡眠に関連することだけではありません。花粉症対策や歯の治療、インフルエンザワクチン接種など、秋のうちに済ませておけるといいですね。

伴走を終えた保護者に取材をすると、受験本番から逆算し、早めに受診や予防接種を済ませていました。

cocreco写真:beauty_box/イメージマート

【受診や予防接種は冬休みまでを目安に】

我が家の場合、例年花粉症が2月から発症するので、かかりつけの耳鼻科に眠くならない薬の処方を早めにお願いしました。

11月にはインフルエンザの予防接種を家族で打ち、手洗いうがいはこまめに。念のために秋に歯科検診も済ませました。できれば冬休みまでに、受診、ワクチン関連は済ませておけると安心です。

『中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと』より一部抜粋

薬の効き方や眠気などの副作用には個人差があります。入試直前に初めて服用するのではなく、必要があれば早めにかかりつけ医へ相談し、本人に合う方法を確認しておくと安心です。予防接種の時期についても、体調やこれまでの接種歴によって異なるため、医療機関へ相談しながら予定を立てましょう。

また、手洗いやうがいといった日々の習慣は、子どもだけに任せるより、家族で一緒に続けたほうが自然です。受験生だけを特別扱いして緊張感を高めるのではなく、家族全員で生活リズムと体調を整える。そう考えると、子どもにとっても負担の少ないサポートになります。

受験勉強は長期戦。コンディションがいい日より、そうでない日のほうが多いくらいかもしれません。疲れている日があっても、予定どおりに進まない日があっても大丈夫。明日また集中できる状態をつくることが大切です。睡眠と体調も大切な受験準備として守っていきましょう。

文/佐野倫子

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cocreco『中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと』(講談社+α新書)著:佐野倫子
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