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野菜嫌いの子どものためにニンジンを混ぜ込んだハンバーグを作ったお母さん。しかし、一般的な「混ぜ込み」とは異なるようで……【書評】

  • 2026.10.30

【漫画】本編を読む

独特のギャグセンスでじわじわと読者を侵食する『文学的なオチが癖になる 雪のヤドカリ4コマ劇場』。漫画家・イラストレーターの雪のヤドカリさん(@yukinohotel)の描く、シュールな4コマ漫画である。

「ものしりクイズ王」なる大会で優勝したチーム東城大の女性3人組。副賞として贈呈されたのは「おせち一年分」だ。「ヤッター!!」「嬉し~!!」「最高です!」と祝福の中、喜びを露わにするチーム東城大だが、よくよく考えてみれば「おせち一年分」である。その心中で思っていたこととは……。

別の4コマでは、とあるご家庭の食卓が舞台となる。エプロン姿のお母さんが「今日はタカシの大好きなハンバーグだよ!」とにっこり。タカシも「やったあ!」と喜んだのも束の間、お母さんから「バレない程度にニンジンを混ぜ込んでおいたからね」という、正直すぎる告白が飛び出す。思わずタカシは虚無顔になり、「言ったら意味ないんだよ…」とこぼす。

しかしここはまだ、2コマ目だ。「ニンジンを混ぜ込んでおいた」。それがどういう意味を成すのか、この時のタカシはまだ知る由もなかった――。

「おせち一年分」しかり。「ニンジン混ぜ込み」しかり。「普通」の顔をして目の前に現れる「異常」な状況に、読者は戸惑いながらも、じわっとした笑いに包まれていく。この違和感こそが、本作にじわじわハマっていく最大の理由なのだろう。

文=雨野裾

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