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愛猫を見送ったあとに、新たな猫をお迎えしてみると…『じじ猫くらし』の著者による、昔と今がつながっていく猫との幸せな日々【書評】

  • 2026.10.30

【漫画】本編を読む

『ひび猫にっき』(ふじひと/KADOKAWA)は、おじいちゃん猫との暮らしを描いた人気作『じじ猫くらし』(KADOKAWA)の著者・ふじひと氏が、新たに迎え入れた保護猫「さび猫」との日々を綴ったフルカラーコミックエッセイ。新しい猫と少しずつ心を通わせていく時間や、ふとした瞬間によみがえる先代猫との思い出など、猫と暮らす何気ない日々にある小さな幸せをたくさん拾い集めた作品だ。

長く一緒に暮らした「じじ猫」を見送ったふじひと氏のもとに、新たな家族として「さび猫」がやってきた。しかし、新しい環境を警戒するさび猫との間には、すぐに信頼関係は生まれなかった。それでも、一緒に暮らしていきながら少しずつ互いの距離を縮めていき、やがて「さび猫」は心を許してくれるようになる。

本作に描かれているのは、猫と暮らしていれば当たり前に起こる日々のささやかな出来事が中心だ。けれど、ふと猫が見せる仕草に笑ったり、少しだけ心を開いてくれたことを喜んだりと、何気ないけれど、あとから振り返るとそれらがかけがえのない思い出となっていることが作品全体から伝わってくる。そして同時に、ふじひと氏のこの上ない猫への愛情も感じられるはずだ。

新しい猫との暮らしが始まっても、じじ猫との日々がなくなるわけではない。さび猫の仕草を見ていたり、一緒に過ごしたりしていくなかで、ふと「じじ猫」との暮らしを思い出すことがある。新しい家族を迎えることは大切にしていた存在を忘れることではなく、過去の思い出を大切にしたまま、新しい日々を重ねていくことなのだと気づかされる。

本作を読むうちに、「猫との日々はずっとつながっていく」という言葉の意味が少しずつ見えてくるだろう。何気ない時間を重ねることそのものが、大切な思い出になっていく。猫と暮らしている人はもちろん、大切な存在との別れを経験した人にも、ともに過ごしたことの意味を教えてくれる、温かな気持ちにさせてくれる作品だ。

文=益田聖良

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