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「わざわざ、ありがとうございます」謝罪に笑顔で応じた隣家の奥さん。数日後、家の境目に現れたものに背筋が凍った

  • 2026.10.30
「わざわざ、ありがとうございます」謝罪に笑顔で応じた隣家の奥さん。数日後、家の境目に現れたものに背筋が凍った

雪かきの日に起きたこと

数年前の冬、雪が積もった日のことです。

私は仕事で家を空けていました。

夜に帰宅すると、居間にいた妻が困った顔で話しかけてきました。

「今日、お隣のご主人にすごく怒られたの」

聞けば、当時小学生だった子どもが、家のガレージの雪かきをしてくれていたそうです。

うちと隣の敷地の境目には仕切りの壁がなく、作業をするうちに、知らずに隣の敷地へ入ってしまったといいます。

「スコップの先が、お隣の家の壁に当たっちゃった」

子どもは、私にも小さな声でそう話してくれました。物音を聞いて出てきたお隣のご主人は、しばらく壁を見たあと、雪かきの跡に目を向けて声を荒らげたそうです。

「勝手に人の敷地に入るんじゃない」

壁の傷についても「ただでは済まさない」と言われ、子どもはその場で謝って家に戻ってきたといいます。

雪かきをしてくれたことはありがたいものの、隣の敷地に入って壁にスコップを当ててしまったのは事実です。

私は子どもの頭に手を置きました。

「話してくれてありがとう。明日、お父さんが謝りに行ってくるよ」

翌日、私は半日休みをもらい、昼過ぎに菓子折りを持って隣の家を訪ねました。

ご主人は仕事で留守で、玄関に出てきたのは奥さんでした。

「昨日は子どもがご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません」

深く頭を下げると、奥さんは箱を両手で受け取り、にこやかに答えました。

「わざわざ、ありがとうございます」

責めるような言葉もなく、私は少しほっとしました。ただ、怒っていたご主人本人には会えなかったので、これで話が済んだのかどうかは分かりませんでした。

雪の残る朝の境目

その週末の朝、ゴミを出そうと玄関を出た私は、門の前で思わず足を止めました。

うちと隣の敷地の境目に鉄格子が立ち、その上に有刺鉄線がぐるぐると張られていたのです。菓子折りを渡してから、まだ数日しか経っていません。

ふと隣の家の窓を見ると、奥さんの姿がありました。

あの日、菓子折りを受け取ったときと同じような笑顔で、こちらを見ていました。

奥さんは目をそらさず、会釈もしません。

私は何と声をかければいいのか分からず、しばらくその場に立ち尽くしていました。

家に戻ると、台所にいた妻が私の顔を見て手を止めました。

「どうしたの、顔が真っ青よ」

「外を見てごらん。境目に、鉄格子ができてる」

「え……お菓子、受け取ってくれたんでしょう」

「ああ。笑って、ありがとうって言ってたよ」

それから数年、鉄格子と有刺鉄線は今もそのまま残っています。隣の家とはひと言も口をきかない日が続いていますが、それ以上のことは起きていません。

それでも境目の前を通るたびに、窓越しに見えた奥さんの笑顔を思い出します。あの笑顔にどんな思いがあったのか、私には今も分からないままです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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