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「今日も自習室来た」と母に送り続けた俺→6月の写真を撮った頃のことを、母にまだ言えていない

  • 2026.10.30
ハウコレ

言い訳をいくつも打っては消して、送れたのは短い謝罪だけ。母から返ってきたのは、怒った言葉ではありませんでした。それでも、まだ話せていないことが1つ残っていました。

その少し前、ドリンクバーのメロンソーダを手に席へ戻ると、友達がテーブルにカラオケの割引券を並べていました。母には、いつものように自習室の写真を送ったばかり。その写真の隅に何が写っていたのか、俺は気にもしていませんでした。

本当に通っていた6月

高校2年の6月、俺は本当に毎日、塾の自習室に通っていました。期末テストで点を取りたくて、閉まる直前まで粘った日もあります。

着いたら写真を送るようになったのも、その頃です。母から「毎日えらいね」と返ってくるのが、少しだけ嬉しかったのです。

撮りためた写真を使い回して

夏休みが明けると、クラスの友達に誘われて、帰りにファミレスやカラオケへ寄る日が増えました。それでも母には「今日も自習室来た」と送り続けていました。

添えたのは、6月に撮りためていた写真です。今さら行っていないとは、どうしても言い出せませんでした。毎日えらいねと言われていた頃の自分を、手放したくなかったのだと思います。

その日も、ファミレスでテーブルのスマホを見ると、母から2件のメッセージが届いていました。

「前のカレンダー、6月になってるよ」

「今どこにいるの?」

自分の送った写真を開くと、壁のカレンダーに傘とあじさいの絵。撮った時には、気にも留めていなかった絵でした。

怒られなかった帰り道

言い訳をいくつも打っては消して、結局「ごめん。友達とファミレスにいる」とだけ送りました。

返ってきたのは、怒った言葉ではありませんでした。てっきり叱られると思っていた俺は、画面を見たまま、グラスの氷が溶けていくのを眺めていました。母の1通目は、こうでした。

「嘘をつかれたのが一番悲しい」

続く2通には、何かあった時に助けに行けないこと、自習室にいなくてもいいから行き先を教えてほしいことが書かれていました。

「わかった。ほんとにごめん」と返して、友達には先に帰ると伝えました。

家に着き、玄関のドアを開けました。

「ただいま」

「おかえり。ごはんあるよ」

母はそれ以上、何も聞いてきませんでした。俺は母の顔を見られないまま、洗面所へ向かいました。

そして...

それからは、遅くなる日は先に行き先を送るようにしました。

「今日は友達とカラオケ寄ってから帰る」

母からは、決まってこう返ってきます。

「了解。気をつけてね」

自習室に行く回数は減りましたが、行った日は、その日に撮った写真を送りました。壁のカレンダーは、もうぶどうと栗の絵に変わっていました。

6月は本当に毎日通っていたことを、母にはまだ話せずにいます。次のテストで点が取れたら、あの頃の写真と一緒に話すつもりです。

(10代男性・高校生)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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