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「あなたじゃ話にならない。上の人に代わって」長電話で怒り始めた客。だが、上司が契約を調べると、声が止まったワケ

  • 2026.10.28

契約と合わない長い話

社会に出て間もないころ、私は契約に関する問い合わせを受け付けるコールセンターで働いていました。

上の担当者への交代を希望された場合は、まず理由をうかがう決まりになっていました。

ある日の昼、契約について不満を訴える男性客から電話がありました。

「上の人と話したい」と言われたため、決まりどおり理由をたずねると、男性はていねいな口調で話し始めました。

「いいですか。最初から順を追って説明しますからね」

ところが、話を聞いているうちに違和感を覚えました。

男性が口にする手続きや書類の名前が、当社で扱っている契約の内容とまったく合わないのです。

「恐れ入ります。いまおっしゃった書類ですが…」

「まだ途中です。最後まで聞いてください」

別の会社の契約ではないかと思い、何度か確認しようとしましたが、そのたびに言葉をさえぎられてしまいます。

画面には電話を待っているお客様の件数が表示されていました。周囲では次々と電話を受けているのに、私はなかなか話を進められませんでした。

上司が確かめた契約

男性の説明がひと区切りついたところで、私はもう一度、契約内容を確認させてほしいとお願いしました。

すると、男性は大きなため息をつきました。

「こっちはずっと説明してるんですよ。通じないのは、あなたが分かってないからでしょう」

それまでのていねいな口調とは違い、明らかにいら立った声でした。

そして、強い口調で言われました。

「あなたじゃ話にならない。上の人に代わって」

何度も確認しようとしているのに…。

悔しい気持ちを抑えながら電話を保留にし、上司を呼びました。

上司は私の横に座り、ヘッドセットを受け取って対応を引き継ぎました。

「お電話代わりました。恐れ入りますが、ご契約のお電話番号を教えていただけますか」

上司は相手の返答を聞きながら番号を入力し、画面を確認していました。

そして、少し間を置いてから、落ち着いた声で告げました。

「お調べしましたが、その番号では当社のご契約が確認できません。お話に出てきた手続きも、当社では扱っていないものです。別の会社さまのご契約ではないでしょうか」

それまで上司のヘッドセットから漏れていた男性の声が、ぴたりと止まりました。

「お手元の書類に書かれている会社名を、ご確認いただけますか」

しばらく沈黙が続いたあと、男性は何も言わずに電話を切りました。

やはり、別の会社の契約を取り違えて問い合わせていたようでした。

上司はヘッドセットを外すと、私に声をかけてくれました。

「あなたの聞き方で合ってたよ。最初からうちの契約の話じゃなかったみたいだね」

その言葉を聞いて、ようやくほっとしました。

通路の向こうにいた先輩とも目が合い、小さくうなずいてくれました。

長い電話の間、私の対応が悪いのではないかと不安になっていましたが、必要な確認をしようとしていたことは間違っていなかったのです。

肩の力が抜けると同時に、相手がどれだけ強い口調でも、落ち着いて確認することの大切さを感じた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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