1. トップ
  2. エピソード
  3. 付き合って2年の彼が「髪、切ったの気づかなかった」→切ったのは3か月前。私が冷めていった日

付き合って2年の彼が「髪、切ったの気づかなかった」→切ったのは3か月前。私が冷めていった日

  • 2026.10.30
ハウコレ

彼の部屋の流しで、2人分のマグカップを洗っていました。水を止めた途端、リビングからノートパソコンを閉じる音。戻った私の顔、というより髪のあたりを、彼はしばらく見ていました。

3か月遅れの一言

付き合って2年になる彼とは、休みが重なる日に彼の部屋で過ごすのが決まりになっていました。

「髪、切ったの気づかなかった」

彼はそう言いました。

背中まであった髪を、あごのラインで切りそろえたのは3か月前のことです。美容院の帰りにそのまま彼の部屋へ寄った日のことも、よく覚えていました。職場の同僚には、似合うと言ってもらえた髪型でした。

「切ったの、3か月前だよ」

笑って返したつもりでしたが、声は思ったより平らでした。

あの日も、彼は画面を見ていた

3か月前のあの日も、彼はノートパソコンに向かっていました。仕事の資料が終わらないと言って、彼は画面から顔を上げませんでした。部屋に入った私が髪に手をやって見せても、彼はおかえりと返しただけ。忙しい時期なのだと、自分に言い聞かせてその日は帰りました。

それからも、似たことは続きました。新しく買ったワンピースも、色を変えたネイルも、話題にのぼったことはありません。話しかけても、返ってくる相づちは少しずつ短くなっていくように感じていました。

今日だって、私が台所から戻るまで彼が見ていたのは、あの画面です。

言いかけて、やめた彼

「切ったの、3か月前だよ」という私の返事に、彼は慌てて言いました。

「ごめん、そういう意味じゃなくて」

彼は何か続けようとして、閉じたノートパソコンのほうへ1度目をやりました。けれど、その先は出てきません。

「いいよ、もう」

私はそう言って、床に置いていたバッグを手元に引き寄せました。責めるつもりはありませんでした。ただ、3か月前の私をこの人は見ていなかったのだと、はっきり分かってしまったのです。予定より早く帰ることにして、玄関まで見送る彼に手だけ振りました。

帰りの電車の中で届いた、彼からのメッセージ。来週は、付き合って2年の記念日でした。

「今日はごめん。記念日、楽しみにしてて」

いつもなら迷わず押していたスタンプは選ばず、「うん」とだけ返しました。

そして...

それから、彼への返信は前より短くなりました。来週の記念日に着ていく服も、まだ決めていません。次に髪を切っても、きっと自分からは言わないと思います。

ただ、1つだけ分からないことが残っています。髪のことを言われたあの日、私が戻る直前まで彼が見ていた画面には、何が映っていたのでしょうか。

(20代女性・販売職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ