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喧嘩中「もういい」と送るたびに「よくない」と返す彼。12回目のメッセージで私が吹き出した理由

  • 2026.10.28
ハウコレ

ソファの上でスマホを握ったまま、言い方を変えては同じ意味のメッセージを送り続けていました。相手は付き合って2年になる彼。喧嘩の最中だというのに、画面に返ってくる言葉は毎回まったく同じでした。

約束が消えた1通のメッセージ

きっかけは、彼から届いたこのメッセージでした。

「ごめん、次の休み、仕事が入っちゃった」

次の休みは、前から2人で水族館に行こうと決めていた日です。

「え、前から約束してたよね?」

「急に頼まれて、断れなくて」

その返事を読んだ途端、たまっていたものがあふれました。頼まれごとを断れない性格なのは知っています。それでも、後回しにされるのはいつも私との予定のような気がしていたのです。

「いつもそうじゃん」

送ってから、言いすぎたかもしれないと思いました。けれど引っ込みがつかず、続けて打ったのがいつもの言葉です。

「もういい」

これまでの喧嘩は、私の「もういい」に彼が「わかった」と返して終わるのが決まった流れ。今回もそうなるのだろうと、半分あきらめていました。

何を送っても変わらない返事

ところが、届いたのは見慣れない返事でした。

「よくない」

意味が分からず、もう一度送ります。

「もういいってば」

「よくない」

「しつこい」

「よくない」

言い訳も謝罪もなく、既読がつくと少しして同じ言葉が届くだけ。だんだん腹が立ってきました。こっちも負けるものかと、「もういい」を言い換えては送り続けます。

5回を過ぎたあたりから、気づけば届いた「よくない」を指で数えていました。7回、8回。怒っているはずなのに、次の通知を待っている自分がいたのです。

「寝る」と送ったのは、10回目のあと。それにもすぐ「よくない」が返ってきて、これで11回目でした。

12回目に付け足されたもの

そして12回目。画面に表示されたのは、こんなメッセージでした。

「よくない。あとお腹すいた」

読んだ途端、こらえきれずに吹き出していました。あれだけ意地を張り合っていたのに、最後に付け足されたのが空腹の報告。張りつめていたものが、一気にほどけていきました。

笑いがおさまると、さっき送った「いつもそうじゃん」が目に入りました。言いすぎたのは私のほうです。通話ボタンを押すと、彼はすぐに出ました。

電話の向こうから聞こえてきたのは、電車の発車メロディと改札の電子音でした。

「今どこ?」と聞くより先に、聞き慣れた駅名のアナウンスが耳に入りました。

そして...

上着をつかんで部屋を出て、駅まで小走りで向かいました。改札の前に立っていた彼は、私を見るなり「ごめん」と頭を下げます。

「私も、言いすぎた。ごめんね」

2人でコンビニに寄り、彼のおにぎりを選びながら聞いてみました。

「なんでずっと『よくない』だったの?」

「なんとなく」

彼はそれだけ言って、おにぎりの棚に目を移しました。

これまでなら「わかった」で終わっていたはずの喧嘩。どうして今回だけ、彼は同じ言葉を送り続けたのでしょう。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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