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ママ友の子を乱暴だと決めつけていた私。年長の息子がこっそり耳打ちした一言

  • 2026.10.27
ハウコレ

ベンチから見えるのは、すべり台の上の段の、すべり降りる側だけでした。そこで、同じ幼稚園に通うママ友の息子くんが、娘の服の袖をつかんでいたのです。泣き声を聞いて立ち上がったとき、私の中ではもう答えが決まっていました。

ベンチから見えていた場面

娘はおとなしく、嫌なことがあっても自分からは言い出せない子です。少なくとも、私はずっとそう思っていました。

すべり台の下に着いたとき、はしごのほうから「手を離しなさい」というママ友の声が聞こえました。すぐに娘がすべり降りてきて、私に抱きつきます。

「ひっぱられた」

その一言で十分でした。

「お宅の子、乱暴ね」

息子くんは何か言いかけたようにも見えましたが、ママ友に促されて、小さな声で謝ってくれました。そのときの私は、娘の頭をなでて涙を拭くので手一杯だったのです。

3度目に足した一言

それから2週間で、同じことがあと2回ありました。ベンチから見上げるたび、息子くんの手は娘の袖にかかっています。3度目には、ため息と一緒に言葉を足していました。

「お宅の子、乱暴ね」

「ちゃんと見ててあげてね」

言いすぎたかもしれない、とは思いました。それでも、娘を守れるのは私しかいないという気持ちのほうが強かったのです。

その帰り道、娘が少し先を歩いているときでした。年長の息子が私の手を引き、耳元に顔を寄せてきます。

「ママ、ぬかしてたの、いつも妹のほうだよ」

柱の陰にあったもの

上の息子は、すべり台の列にいつも一緒に並んでいて、はしごの途中から全部見えていたそうです。妹がほかの子の前に入りこむたび、息子くんが袖をつかんで止めていたこと。妹に聞こえないよう、ずっと言う機会を待っていたこと。

すぐには信じられませんでした。次に公園へ行ったとき、私はベンチに座らず、遊具の裏側へ回りました。はしごの横から見上げると、ちょうど娘がはしごを上りきり、先に待っていた小さな子の前へするりと入りこむところでした。

はしご側は、ベンチからは遊具の柱に隠れて見えません。私が3度見ていたのは、娘が上の段に出てきたあとに起きたことだけでした。

砂場に目をやると、息子くんはママ友の隣でスコップを動かしていました。ときどきすべり台のほうへ顔を向けるのに、立ち上がろうとはしません。

そして...

娘と上の息子の手を引いて、砂場へ向かいました。ママ友は、息子くんの肩を引き寄せたまま、こちらを見ていました。

「少し、いいかな」

「ずっと、うちの子が順番を抜かしてたみたいなの。ごめんなさい」

頭を下げると、隣で娘も小さく頭を下げました。息子くんはママ友の顔を見上げてから、すべり台のほうへ目を向けます。

あれから公園では、ベンチではなく、はしごの横に立つようにしています。娘が泣いて降りてきても、すぐには誰のことも口にせず、まず上の段で何があったかを聞いています。

(30代女性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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