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彼女の親の前で、答えを半分で止めた俺→本当は先に言うべきことがありました

  • 2026.10.25
ハウコレ

友人の結婚式の帰り道に、彼女がこぼした言葉をずっと覚えていました。そのつもりで用意してきた答えだったのに、改札で別れるまで、最後の一言だけは言えないままでした。

彼女のお父さんが湯のみを座卓に置いたとき、俺が言うつもりだったことはまだ続いていました。続けるはずだった言葉は、お母さんが立ち上がる気配に紛れていきました。その続きを口にできたのは、玄関の外に出てからです。

友人の結婚式の帰りに聞いたこと

付き合って3年になる彼女の実家へ、初めて挨拶に行った日のことです。

2年目の頃、共通の友人の結婚式の帰り道で、彼女が「結婚するかどうかは、2人で決めたい。誰かに聞かれて答えるんじゃなくて」と言ったことがありました。両家の親どうしで先に話が進んでいたと、披露宴の席で耳にしたあとのことです。笑ってうなずいただけでしたが、その言葉はずっと残っていました。

だから、親の前で先に「考えています」と答えるのは違うと思っていました。駅からの坂道で「お父さん、たぶん聞いてくると思う」と言われて「分かってる」と返せたのも、答えを用意してあったからです。

湯のみが置かれたところで止まった続き

お父さんが湯のみを持ったまま「それで、結婚は考えているのかな」と聞き、俺は箸を置いて「結婚は考えてません」と答えました。

用意していたのは、そのあとに「自分1人で決めることではないので、まず彼女と話したいです」と続ける答え。言い終えた瞬間、先に言うべきだったのは後ろの半分だと気づいたのです。

次を言おうとしたところで、お父さんが湯のみを座卓に置いて「そうか」と言い、お母さんが「お茶、入れ直すわね」と台所へ立ちました。続けるなら今だと分かっていたのに、お父さんの手元から目を上げられないまま、庭の柿の木の話にうなずくだけ。話が変わったことに、少しほっとしている自分もいました。

背中に向けて言えた半分

門扉を出たところで、お母さんと話している彼女に「さっきの、続きがあって」と声をかけました。

「もういいよ」

彼女は振り返らず、紙袋を提げて駅への坂を先に下りていきました。1歩後ろから「俺1人で考えることじゃないと思ってる」と言うのが、精一杯だったのです。

本当はその先に「だから、まず聞かせてほしい」と続けるつもりでした。けれど、振り返らない背中に聞くことではないと理由をつけて、飲み込みました。断られるのが怖かっただけです。返事がないまま改札を抜け、別々のホームへ分かれました。

そして...

スマホに、彼女から「続き、明日ちゃんと聞かせて」と届きました。すぐに開いて「うん。今度は最後まで言う」と返したあと、明日話すことを、メモ帳に順番に書き出してみました。1行目は、お父さんに答えた言葉ではありません。彼女に最初に聞くことです。

それを聞いた彼女がどんな顔をするのかは、まだ分かりません。

(30代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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