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「メモでもしてるの?」彼女の愚痴をメモし続けて1年。一覧につけた題名の理由

  • 2026.10.25
ハウコレ

彼女に送ったメモの画像には、写さなかった行が1つあります。一覧の一番下、1年前に俺が最初に書いた行です。

この1年、帰宅するとスマホのメモを開き、彼女の新しい愚痴を書き足すのが習慣でした。ある日、俺はその一覧を、彼女本人に見せることになりました。

聞き返したあとの3週間

付き合って2か月の頃、彼女から仕事の愚痴が届きました。何人かの呼び名が出てきて、途中で誰の話か分からなくなった俺は、軽い気持ちで返しました。

「ごめん、課長代理って誰だっけ?」

少しして、彼女から「ううん、もういいや。たいした話じゃないし」と返ってきました。そこから3週間ほど、彼女からの連絡は「おつかれ」と、おやすみのスタンプだけになりました。

責められたわけではありません。それでも、前は長かった彼女の文面が一行で終わるたびに、話す相手から外されたのだと分かりました。俺が一度聞いた話を覚えていなかったこと。それが、彼女の答えだったのだと思います。

返信の前に開くメモ

俺はもともと、人の話を覚えるのが得意ではありません。だからスマホのメモに一覧を作り、彼女の愚痴を日付と一緒に書き留めることにしました。一番下の最初の行は「課長代理の話を聞き返した。もう聞き返さない」。題名は「もう一回、話してもらえるように」とつけました。

返信する前には必ずメモを開き、前の話とつながるところを探しました。カレーパンが売り切れていた話も、そうやって拾ったものです。1年が過ぎる頃には、彼女の文面はすっかり長くなり、愚痴の数だけ一覧も伸びていました。

送る前に消した一文

付き合って1年2か月がたったある日、彼女から届いたのは、資料の締め切りをまた2日早められたという愚痴でした。先月は3日早められたことを一覧で確かめてから返事をすると、彼女から「メモでもしてるの?」と、笑っている猫のスタンプが届きました。

俺はすぐに「まあね笑」と打ちました。送れば冗談で終わります。けれど、この一覧を笑い話にはしたくありませんでした。打った文字を消し、メモ画面を撮った画像を送ることにしたのです。

画面に収まったのは、題名と新しいほうの数件だけ。一番下の行は写っていません。

送ってから急に恥ずかしくなり、「引いた?」と送りました。彼女から返ってきたのは、題名の理由を尋ねる返事です。画面の文字では説明しきれない気がして、「今度会ったとき話す」とだけ送りました。

そして...

次に会ったら、一番下の行から話すつもりです。1年前の聞き返しを、彼女に思い出させてしまうかもしれません。それでも、題名の理由はそこにしかありません。

その夜、題名のすぐ下に、新しい行を2つ足しました。

「締め切り2日前倒し、猫のスタンプ」

「次は、俺の話も聞いてもらう」

1年前、話す相手から外された俺が、今は自分の話も聞いてほしいと思えています。題名の「もう一回」は、もうとっくにかなっていたのかもしれません。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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