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「SNSで彼氏アピールするな」と送ってきた彼→同じ水族館の投稿には「今日もひとりで」

  • 2026.10.24
ハウコレ

水族館の帰りに届いた、彼からの短い一行。その言葉の意味を、私はその夜のうちに知ることになります。

水族館の半券を2枚並べて撮り、投稿ボタンを押しました。説明文は「彼と水族館。クラゲがきれいだった」。家に着いてからも続いていた楽しさを、少しだけ残しておきたかったのです。数分後、スマホに届いたのは彼からのメッセージでした。

届いたのは、短い一行だけ

付き合って8か月になる彼とは、休日のたびにどこかへ出かけていました。水族館を選ぶのはいつも彼で、その日もクラゲの水槽の前で、長いあいだ写真を撮っていました。

画面に表示されたのは「SNSで彼氏アピールするな」という一行でした。

写っているのは半券だけで、顔も名前も出していません。「アピールって、チケットの写真だけだよ?」と返すと、すぐに「彼って書くのやめて」と届きました。

言い返す文章をいくつか打って、どれも送らずじまいでした。説明文から「彼と」を削り、「水族館。クラゲがきれいだった」だけにしたのです。削ったのは短い一語なのに、投稿全体がよそよそしく見えました。

クラゲの写真に添えられた一言

投稿の場所の表示を、何気なくタップしました。同じ水族館で撮られた写真が新しい順に並び、自分の投稿のすぐ下に、見覚えのある円柱の水槽がありました。

クラゲの写真に添えられていたのは「今日もひとりで」。水槽のガラスには、白いニットの袖と、からし色のパーカーがうっすら映っていました。どちらも、その日の私と彼の服でした。

「独身」のプロフィールと、長い間

アカウントのプロフィールには「独身。休日はひとりで水族館めぐり」とあり、フォロワーは3000人を超えていました。過去の投稿をさかのぼると、一緒に行ったはずの水族館の写真が「ひとりで」という説明つきでいくつも並んでいました。

写真の中にはちゃんと私がいるのに、文章の上ではいないことになっている。ガラスに映った袖を、指で何度も拡大して確かめました。彼氏アピールするな、の意味が、やっとつながった気がしました。

水槽の写真とプロフィールのスクリーンショットを撮り、彼に送りました。続けて「これ、私も写ってるよね」「独身って、どういうこと?」。

既読はすぐにつきました。けれど、返事はなかなか来ませんでした。今頃、あのアカウントを消そうとしているのだろうか。それとも、言い訳を考えているのだろうか。待つあいだに、テーブルの上の半券を財布の奥へしまい直しました。

ようやく届いたのは「ごめん。付き合う前から続けてるアカウントで、言えなかった」という文面。そのあとに「明日、会って話させて」とありました。

言えなかった、の意味を何通りも考えてから、「わかった」とだけ返信しました。

そして...

スマホを置く前に、もう一度だけ彼の投稿を開きました。ガラスに映った白い袖は、うっすらとしているのに、もう見落とせませんでした。

水槽の前で、彼は長いあいだシャッターを切っていたはずです。その中から、なぜ私の映り込んだ1枚を選んで、「今日もひとりで」と書いたのでしょうか。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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