1. トップ
  2. エピソード
  3. 「ぼく、変なこと言った?」児童館でおもちゃを取られそうな女の子を見た息子。職員が間に入ったあと、私に尋ねた一言

「ぼく、変なこと言った?」児童館でおもちゃを取られそうな女の子を見た息子。職員が間に入ったあと、私に尋ねた一言

  • 2026.10.22

返事を待たずにおもちゃへ伸びた手

小学校低学年の息子と児童館で遊んでいた、昼のことです。

プレイルームの床にはいろいろなおもちゃが並び、息子は私のそばで積み木を重ねていました。

少し離れた場所では、小学生くらいの女の子が白いロケットのおもちゃで遊んでいました。

そこへ、同じ年ごろの男の子が駆け寄ってきたのです。

「それ、貸して!」

男の子は返事を待たずに手を伸ばし、ロケットの羽をつかみました。

「まだ使ってる…」

女の子はロケットを離さず、困ったように男の子を見ています。

すぐそばにいた女の子のお母さんも困った顔をしていました。

すると、壁ぎわのベンチにいた、黄色い服の男の子のお母さんが笑顔で近づいてきました。

「うちの子にも使わせてあげてよ」

女の子のお母さんは戸惑いながら答えました。

「あの、まだ遊んでいるので。もう少し待ってもらえませんか?」

ところが、男の子のお母さんは声を立てて笑いました。

「えー、そんな細かいこと言わなくても。ね、ちょっと貸してあげられるよね?」

そう言いながら女の子の顔をのぞき込み、ロケットに手を添えたのです。

女の子はうつむき、握っていた指を少しずつゆるめていきます。

私は思わず声をかけそうになりました。でも、親同士の言い合いになってしまいそうで、すぐには動けませんでした。

息子の一言で、職員が振り向いた

そのときです。

いつの間にか積み木の手を止めていた息子が、大きな声を出しました。

「まだ遊んでるのに、どうして貸さなきゃいけないの?」

奥で片づけをしていたエプロン姿の職員さんが、その声に顔を上げ、こちらへやって来ました。

女の子がロケットを握り、男の子とそのお母さんが手を伸ばしている様子を見て、職員さんは声をかけました。

「今はこの子が遊んでいるところですね。終わるまで待ってもらえますか?」

男の子のお母さんは、少し不満そうな顔をしました。

「でも、子ども同士なんだし、少しくらい…」

「そうですね。でも、ここではおもちゃは順番に使ってもらっているんです」

職員さんが穏やかに伝えると、男の子のお母さんは言葉に詰まりました。

近くのベンチにいたほかの保護者も、やり取りを見ていました。

職員さんは男の子の目の高さにしゃがみ、やさしく話しかけました。

「次に貸してねってお願いして、待っていようか」

男の子は小さくうなずき、ロケットから手を離しました。

女の子はロケットを胸に抱え直し、ほっとしたような顔になりました。女の子のお母さんも、職員さんに深く頭を下げていました。

男の子のお母さんはそれ以上何も言わず、気まずそうに男の子の手を引いて別の部屋へ移っていきました。

その様子を見届けた息子が、私の顔を見上げました。

「ぼく、変なこと言った?」

少し心配そうな顔をする息子に、私は首を横に振りました。

「ううん。言ってくれて、よかったよ」

そう言って、息子の頭をそっとなでました。

大人の私がためらっている間に、息子は自分が疑問に思ったことを素直に口にしてくれました。その言葉に、私自身も考えさせられた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ