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「店長と知り合いなんだから、サービスしてよ」飲み放題にない酒を無料で求める男性客。だが、店長の質問に黙り込んだ瞬間

  • 2026.10.21

料理を急かす男性客

20代のころ、私は居酒屋で働いていました。

その夜は店が混み合っていて、厨房では注文を受けた順に料理を作っていました。

通路側のテーブル席には、飲み放題のコースを注文した男性3人組が座っていました。

話の中心にいたのは30代くらいの男性で、連れの2人より少し年上に見えました。

最初の料理を出してしばらくすると、その男性が通路を通る私を呼び止めました。

「ねえ、次の料理、まだなの?」

「申し訳ありません。いま順番にお作りしていますので…」

そう答えると、男性は小さく舌打ちをしました。

それからというもの、私がテーブルのそばを通るたびに声をかけてきます。

「さっきも聞いたよね? あとどれくらい待つの?」

「お待たせしてすみません。もう少々お待ちください」

何度説明しても、男性の口調は強くなるばかり。私も申し訳ない気持ちはありましたが、順番を飛ばして料理を出すわけにもいきません。

すると男性はメニューを広げ、飲み放題の対象外になっている値段の高いお酒を指さしました。

「じゃあ、待たせたお詫びに、これ無料にしてよ」

「えっ……。すみません、そちらは飲み放題に入っていないので、別料金になるんです」

すると男性は、連れの2人にも聞こえる大きな声で言いました。

「俺、店長と知り合いなんだから、サービスしてよ」

私は困ってしまいました。店長の知り合いだとしても、勝手に無料にすることはできません。

呼ばれた店長が口にした一言

「すみません、それは私の判断では…」

「だから、店長に聞けば分かるって。早く呼んできてよ」

隣の席のお客さんまで、こちらを気にしていました。連れの2人も気まずそうにグラスを見つめています。

これ以上は私だけで対応できないと思い、厨房に戻って店長に事情を説明しました。

店長はすぐに客席へ出てきて、私の隣に立ちました。

そして男性の顔をじっと見つめ、少し首をかしげたのです。

「……失礼ですが、どちらでお会いしましたっけ」

その瞬間、男性の表情が固まりました。

「えっ……いや、その……」

さっきまであれほど強気だった男性が、急に言葉に詰まっています。

連れの2人も思わず顔を見合わせ、周りの席からは小さな笑い声が聞こえました。

店長は落ち着いた声で続けました。

「申し訳ありませんが、飲み放題に入っていないお酒は、どなたでも別料金なんです。ご注文されますか?」

男性はテーブルについていた肘を下ろし、店長から目をそらしました。

「……いや、じゃあいいです」

すると、連れの1人が男性の肩をぽんとたたきました。

「おいおい、知り合いじゃなかったじゃん」

男性は耳まで赤くして、うつむいてしまいました。

その後、男性が料理を急かすことはありませんでした。先ほどまでとは打って変わって、黙々と箸を動かしています。

私は厨房へ戻る前に、対応してくれた店長に小さく頭を下げました。

あれほど困っていたやり取りが、店長のたった一つの質問で終わるとは思ってもいませんでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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