1. トップ
  2. エピソード
  3. 「友達とランチ?俺の金で?」夫に言い返して、カフェで食べたハロウィン限定パンプキンパイ

「友達とランチ?俺の金で?」夫に言い返して、カフェで食べたハロウィン限定パンプキンパイ

  • 2026.10.22
ハウコレ

スマホの画面いっぱいに、オレンジ色のパイの写真が並んでいました。友人から届いた、ハロウィン期間だけのメニューの案内です。洗濯物をたたみながら夫に声をかけたのですが、返ってきたのは思っていたのとは違う言葉でした。

ソファから返ってきた一言

夫は会社員で、私は週4日のパート勤め。家事は結婚するときに、2人で話し合って分けてきました。洗濯と料理は私、掃除とゴミ出しは夫。自分の分は自分でこなす、それが我が家のやり方でした。

友人が見つけてきたのは、駅の近くのカフェのパンプキンパイ。ハロウィンの時期だけ出る限定メニューだそうで、写真を見た瞬間に行きたくなりました。

「今度の休み、友達とハロウィン限定のパンプキンパイを食べに行ってくるね」

ソファでスマホを見ていた夫は、顔を上げないまま言いました。

「友達とランチ?俺の金で?」

たたみ終えた洗濯物の横で

持っていたタオルを、握り直しました。

パートとはいえ、私も毎月自分のお給料をもらっています。パイを食べに行くくらいで、誰かの許しをもらう必要はありません。目の前には、今日の分をたたみ終えた洗濯物が積まれていました。

「自分で稼いだ金で行くんだから口出さないで」

夫はようやく顔を上げ、私を見ました。それから、私の横に積まれた洗濯物へ目を移し、そのまま黙り込んで、少しすると何も言わずに浴室へ向かっていきました。

言い過ぎたとは思いませんでした。ただ、言い返されると思っていた分、その背中を見送るだけになったのは拍子抜けでした。

オレンジ色のパイと友人との時間

当日、カフェの窓際の席には、カボチャの形をした小さなランプが置かれていました。運ばれてきたパンプキンパイは、写真で見たより濃いオレンジ色。フォークを入れると、シナモンの香りがふわっと広がりました。

友人とは、仕事の話や最近見たドラマの話で笑い合いました。夫の一言のことは、話題にしませんでした。せっかくのパイを、あの言葉の味にしたくなかったのです。

会計は、自分の財布から払いました。レシートをしまうとき、少しだけ背筋が伸びた気がしました。

そして...

家に帰ると、廊下の床に掃除機の跡がまっすぐ残っていました。朝、家を出たときにはなかったものです。

リビングから出てきた夫の第一声は、これでした。

「おかえり。どうだった?」

「おいしかったよ」

短く答えると、夫は「そっか」とだけ言ってうなずきました。あの日の言葉について、謝られたわけではありません。積まれた洗濯物を見つめたまま黙り込んだあのとき、夫は何を思っていたのか。私はまだ聞けずにいます。

(30代女性・パート)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ