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弟の彼女に「弟をよろしく」と送った俺→改札の手前で弟から届いた2通で、早とちりに気づいた

  • 2026.10.22
ハウコレ

帰りの電車で送ったメッセージに、弟の彼女から返ってきたのは、問い返す1行でした。そのあと弟から届いた2通を、改札の手前で読みました。俺の思い込みは、そこでひっくり返りました。

実家の食卓に母が大皿を置くと、弟は箸を持ったまま、また彼女の話を始めました。行った店の名前、笑ったところ、別れ際に言われたこと。ここ数か月、実家に寄るたびに聞く流れでした。

彼女の話になると変わる弟

弟は昔から、自分のことをあまり話さない子でした。学校のことも仕事のことも、聞かれなければ黙っている。それが付き合って8か月の彼女の話になると、母に「これ、嫌がられないかな」と服の写真を見せたり、俺に店選びを相談してきたりしました。

久しぶりの休日に顔を出したその日も、話題は来月の母の誕生日でした。

「今度の誕生日、連れてくるって決めた」

母はうれしそうに、当日の料理を1品増やす相談を始めました。俺も、弟がもう彼女を誘ったのだと受け取ったのです。

長い文面を消して残したもの

帰りの電車で、弟の彼女とのチャットを開きました。2か月前、弟がスマホの画面を割ったとき、俺のスマホを貸して連絡させた。そのときのやりとりが、そのまま残っていました。

当日会う前に、兄として何か伝えておきたい。そう思って、弟が家でどんな顔で彼女の話をしているかを長々と打ちました。読み返すと押しつけがましく思えて、全部消しました。残したのはこれだけです。

「弟をよろしく」

しばらくして、彼女から返信。

「えっと、何かありましたか?」

それを見て、ようやく自分の文面がどう読めるかに気づきました。会ったこともない相手の兄から、前置きもなく届く「よろしく」。よくない知らせに見えても、おかしくない書き方でした。

どう書き直せば伝わるのか、次の駅に着くまで打っては消しました。

「ごめん、急に変だったよね。あいつ家でずっと君の話してるから、つい」

「母さんの誕生日、来てくれるんだってね。楽しみにしてる」

既読はつきましたが、それきり返信はありませんでした。

「決めた」の本当の意味

最寄り駅で電車を降りたところで、弟からメッセージが届きました。

「なんで先に言うんだよ」

「まだ誘ってなかったのに」

改札の手前で、画面を見たまま立ち止まりました。弟の「決めた」は、誘うと決めた、という意味だったのです。

前に寄ったとき、弟がぽつりと漏らした言葉を思い出しました。

「家族の誕生日とか、重いって思われたら終わりだろ」

口数が少ないのではなく、彼女の前では言葉を選びすぎていたのかもしれません。家で彼女の話を続けていたのは、その練習だったようにも思えました。

「悪い、完全に早とちりした」

それだけ返して、改札を抜けました。

そして...

弟から次のメッセージが届いたのは、アパートの鍵を開けたあとでした。

「来てくれるって」

「兄貴も、当日ちゃんと謝って」

「わかった」と返してから、彼女とのチャットを開きました。最後に並んでいるのは、俺の送った2通のまま。謝る文を打ちかけて、やめました。弟に言われたとおり、当日、顔を見て伝えるほうがいい。

母に電話をかけ、誕生日の料理はそのままで大丈夫だと伝えると、「よかった」とだけ返ってきました。弟が何と言って彼女を誘ったのかは、聞かずにおきました。

(30代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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