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「サプライズ!」と笑った友人が、居酒屋での私の誕生日会に連れてきたのは彼女の彼氏でした

  • 2026.10.21
ハウコレ

並んで自撮りをする2人の向かいで、取り分けたケーキはなかなか減りませんでした。友人の彼氏を帰らせる言い方なんて、あの場では思いつかなかったのです。

ろうそくの火を吹き消すと、テーブルのあちこちから拍手が起きました。大学時代の友人たちが、内緒で居酒屋の個室を予約してくれていました。店の入り口のほうから聞き覚えのある笑い声が近づいてきたのは、その拍手がやんだ頃でした。

「サプライズ!」と現れた、友人の彼氏

集まったのは、私を入れて5人です。プレートに名前の入ったケーキまで用意されていて、乾杯から笑いっぱなしでした。少し前に「ちょっと電話してくる」と席を外した友人が戻ってきたのは、ちょうど切り分けを始めたときです。

「サプライズ!」

笑顔の友人の隣には、知らない男性が立っていました。付き合って半年になる、彼女の彼氏だそうです。

「前に紹介してって言ってたでしょ」

確かに、ランチの席で「今度、彼氏さんどんな人か紹介してよ」と頼んだのは私でした。けれど、それが今日だとは考えもしなかったのです。

旅行の写真で埋まっていったテーブル

礼儀正しく頭を下げる彼に、反射的に会釈を返しました。そこから先、テーブルの話題は2人の旅行の写真へ移っていきました。スマホを回す友人と、思い出話を付け足す彼。並んで自撮りをする2人に、ほかの3人は苦笑いを浮かべながら、ちらちらと私のほうを見ていました。拍手をもらったときの浮き立つ気持ちは、もうどこにもありません。

彼が何か悪いことをしたわけではありません。友人の彼氏を、この場で帰らせる言い方も思いつきません。それでも、喉の奥まで言葉がせり上がってきました。

今日の主役は私じゃないの?

最後まで減らなかった、皿のケーキ

口から出かかったその言葉を、グラスの烏龍茶で流し込みました。代わりに私は、空いたグラスに飲み物を注ぎ足して回りました。

取り分けたケーキは、フォークを入れたきり皿の上で崩れていくばかりでした。

お開きになると、友人は「またね!」と手を振り、彼と並んで先に駅へ向かいました。残った4人の帰り道、あの話に触れる人はいません。幹事をしてくれた友人だけが、「来年もやろうね」と私の背中を軽くたたいたのです。

そして...

それから数日、彼氏を連れてきた友人からは何の連絡もありませんでした。私からも、何を送ればいいのか分からないままでした。

ある夜、スマホの画面に、その友人の名前が表示されました。メッセージを開こうとした指が、そこで止まりました。

あの日、あんなに楽しそうに笑っていた彼女が、今になって私に何を伝えようとしているのでしょう。

(20代女性・販売職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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