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彼が寝落ちしたあとに届いていた音声→寝言で私の名前と、聞き取れない一言が入っていました

  • 2026.10.21
ハウコレ

名前のあとに続く言葉だけが、音量を上げても、イヤホンで聞き直しても拾えませんでした。翌日届いた彼からのメッセージの一文が、私をいっそう落ち着かなくさせます。

洗面所から戻ると、ソファに置いたスマホに通知が1件残っていました。少し前に返事が途絶えた彼から届いた、38秒の音声メッセージです。間違えて送られてきたものだろうと、軽い気持ちで再生ボタンに触れました。

途切れたやりとりの続き

付き合って1年半になる彼とは、次の休みにどこへ行くかをメッセージで相談していました。ここ最近、仕事を理由に2回続けて約束を延ばしてもらっていたので、今度こそ私から行き先を決めるつもりでした。

候補のお店を送ったところで、彼から届いたのは「ごめん、ちょっと目つぶる」。「おつかれ。寝ていいよ」と返すとすぐに既読がつき、そこでやりとりは止まりました。

音声が届いたのは、それからしばらくあとのことです。再生すると、布団がこすれる音と、ゆっくりした呼吸の音が続きました。やっぱり眠っているのだと思った矢先、間延びした声が私の名前を呼びました。

名前のあとにも、何かが続いていました。けれど口の中でくぐもって、最後の「もう」という音だけがかろうじて拾えました。そこから先は、呼吸の音が終わりまで続いているだけでした。

名前のあとの言葉を探して

もう一度、最初から再生しました。音量を最大にしても、スマホを耳に押し当てても、名前のあとの部分だけが輪郭を結びません。イヤホンを取り出して聞き直し、10回を超えたあたりで数えるのをやめました。

「もう」で終わる言葉を、頭の中で並べていきました。「もういい」なのか、「もう無理」なのか。延期をお願いした2回のやりとりは、画面をさかのぼらなくても思い出せました。待たされ続けて、眠りながら口にするほど何かが積もっていたのだとしたら。

送信欄に「今の、なに?」と打ちかけて、消しました。眠っている相手に聞いても、答えが返ってくるはずはありません。イヤホンを片耳だけ外して布団に入り、最後に再生したのがいつだったのかは覚えていません。

翌朝、アラームより先に通知の音で目が覚めました。画面には、彼の名前が表示されていました。

取り消すような返信

彼からのメッセージは「ごめん、寝ぼけて変なの送ってたよね。忘れて」。

忘れて、という言葉が引っかかりました。ただの寝言なら、笑って流せばいいはずです。わざわざ取り消すように書かれると、あの「もう」の先に、聞かれたくない何かがあるように思えてきました。

「最後、なんて言ってたの?」

送るとすぐに既読がつきました。けれど返信はなかなか来ません。パンを焼いて、コーヒーを淹れて、カップが半分空になったころ、ようやく画面が光りました。

「今度会ったとき言う」

寝言の続きを、起きている彼が言う。それがどういうことなのか、見当がつきませんでした。

そして...

「わかった。次の休みは空けとく」と返して、スマホを伏せました。今度は、私の都合で延ばすつもりはありませんでした。

あの音声は消さずに残したまま、聞き返しはしませんでした。聞き取れなかった一言を、彼は目を開けたまま、どんなふうに口にするのか。次の休みまで、そればかり考えていました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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