1. トップ
  2. エピソード
  3. 「結婚式のご祝儀、後で払うね!」と会場の出口で笑う友人。3ヶ月後、彼女のSNSを見た私が下した決断

「結婚式のご祝儀、後で払うね!」と会場の出口で笑う友人。3ヶ月後、彼女のSNSを見た私が下した決断

  • 2026.10.20
ハウコレ

空港のラウンジに続いて、見慣れない街並みの写真が並んでいきました。催促するほどのことじゃない。そう思うほど、彼女への返事は短くなっていきます。

会場の出口で、ゲストにお菓子の小袋を手渡していきました。列の終わりに近づいたころ、高校時代から仲のいい友人の番が来ました。小袋を受け取った彼女が笑顔で口にしたのは、お祝いの言葉ではありませんでした。

お見送りの列で言われた言葉

「結婚式のご祝儀、後で払うね!」

小袋を胸の前で持ったまま、彼女は明るく笑いました。隣には夫が立っていて、後ろにはまだ親戚の列が続いています。

「あ、うん」

苦笑いを返すのがやっとで、そのまま次のゲストに頭を下げました。

誕生日には毎年手書きのカードをくれて、引っ越しのときは真っ先に手伝いに来てくれた子です。だからこそ、あの明るい言い方が引っかかりました。

送れなかった短い文面

式のあと、ご祝儀の話は一度も出ませんでした。

お金がほしいわけではありません。ただ、彼女自身が言い出したことが、そのまま流れていくのが気になっていました。

「ご祝儀、どうなった?」と送ればすむ話です。けれどその文面を打つたびに、お祝いを請求しているようで、送信ボタンの手前で消してしまいました。

内祝いのリストを作りながら、夫に打ち明けたこともあります。

「気にしなくていいんじゃない?」

そう言われてうなずいたものの、リストの彼女の欄には何も書けないまま、ペンを置きました。

式から3ヶ月がたったころ、SNSに彼女の投稿が流れてきました。

3ヶ月後に流れてきた写真

写真は何枚も続いていました。空港のラウンジ、見慣れない石畳の街並み、海沿いのレストラン。どの写真にも、知らない女性と並んで笑う彼女が写っていました。投稿の日付は、どれも式のあとのものでした。

旅行に行けるなら、お金がないわけじゃないんだ。

そう思ったとたん、スマホを伏せてテーブルに置いていました。

数日後、彼女からメッセージが届きました。

「帰ってきたよ!今度ごはん行こう」

「ごめん、最近ちょっと忙しくて。また連絡するね」

送ったその「また」を、自分から使うつもりはありませんでした。

そして...

それから、彼女とは会っていません。誘いが来るたびに似たような返事をして、やりとりの間隔は少しずつ空いていきました。

結婚式のアルバムをめくると、高砂の前で私の肩に手を回して笑う彼女の写真が出てきます。そのページだけは、まだ外せずにいます。

あの日、彼女はなぜお見送りの列であんなふうに笑ったのか。聞けばよかったのかどうか、今も答えは出ていません。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ