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「財布を忘れて出かけるやつ、なかなかいないぞ」友人を笑った私。だが、ラーメン店のレジで青ざめた理由

  • 2026.10.19

財布を忘れた友人に貸した1000円

以前、昔からの友人と出かけたときのことです。

帰りぎわになって、友人が突然、上着のポケットを何度も探り始めました。

「あれ…ない。やばい、財布忘れてきた」

友人は青い顔で私を見ました。

「悪い、帰りの分だけ貸してもらえないか」

財布を忘れて出かけるなんて、ずいぶんうっかりしているなと思いました。

それでも長い付き合いの友人です。困っている様子を見て、私は1000円を貸しました。

それからしばらくして、私たちは昼どきのラーメン店で再び会いました。

カウンター席に並んで座ると、友人が注文より先に千円札を差し出してきました。

「この前はありがとう。助かったよ」

正直、返ってこないかもしれないと思っていたので、少し驚きました。

「おお、ありがとう。ちゃんと覚えてたんだな」

「当たり前だろ。借りたんだから」

友人は笑いながら答えました。私は受け取った千円札をズボンのポケットにしまいました。

やがてラーメンが届き、私たちは学生時代の思い出話で盛り上がりました。

そんな中、ふと以前のことを思い出した私は、友人をからかってしまいました。

「それにしてもさ、財布を忘れて出かけるやつ、なかなかいないぞ」

「分かってるって。あの日は本当に焦ったんだから」

友人は照れくさそうに頭をかきました。

「まあ、今度から気をつけろよ」

私はすっかり得意になっていました。まさか、このあと自分が同じ失敗をするとは思ってもいなかったのです。

レジの前で気づいた、まさかの失敗

ラーメンを食べ終え、私たちはレジへ向かいました。

先に会計をしようと、私はかばんに手を入れました。

ところが、いつも財布を入れている場所に何もありません。

「……あれ?」

かばんの底まで探し、上着やズボンのポケットも確認しました。それでも財布が見つかりません。

そこでようやく思い出しました。家を出るとき、財布を机の上に置いたまま、上着だけ羽織ってきてしまったのです。

手元にあるのは、さっき友人から返してもらった千円札だけ。これでは会計に足りません。

「おい、どうした?」

不思議そうにのぞき込む友人に、私は小さな声で言いました。

「……悪い。財布、忘れてきた」

「えっ?」

「千円はあるんだけど、足りなくてさ。ちょっと貸してもらえないか」

友人は一瞬ぽかんとしたあと、声を上げて笑い始めました。

「おいおい、ちょっと待てよ!」

そして、笑いながら私に言ったのです。

「財布を忘れて出かけるやつはなかなかいないって言ったのは、誰だよ!」

「……いや、本当にその通りだわ」

さっきまで散々からかっていた手前、もう何も言い返せません。

レジの店員さんまで、私たちのやり取りを見て思わず笑顔になっていました。

結局、私は返してもらったばかりの1000円に、友人から借りたお金を足して会計を済ませました。

店を出ると、友人がまだ笑いながら私の肩をぽんと叩きました。

「今度は、お前が返す番な」

「……はい。ちゃんと返します」

私は頭をかきながら、笑ってうなずくしかありませんでした。

人の失敗をあれほど笑っていたのに、まさか同じ日に自分も財布を忘れているとは。

あの日ばかりは、友人に何を言われても反論できませんでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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