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【ルームツアー】ヴィクトリアン様式の邸宅がカラフルなメゾネットに!リノベーションのポイントは?

  • 2026.10.16
Brent Darby

イングランド中部、ノッティンガム。一見、なんの変哲もないアパートメントの一室が、マキシマリストの天国に! 家主夫婦のエネルギーとクリエイティブなビジョンによって、大規模かつ大胆なリノベーションが実現した。着想源となったのは、この建物がもつヴィクトリアン様式のルーツ、地中海風スタイル、そして彼らのデコレーションマインドを盛り上げるさまざまな物たちの個性だった。UK版「ハウス・ビューティフル」より

Brent Darby

インスタグラムのフォロワーが急増!

メイクアップアーティストでインテリアデザイナーのジョディ・ヘイズルウッドと、フォトグラファーとして活躍する夫のオリー・ハンターは、2020年3月にメゾネットのアパートメントを購入すると、他の多くの例にならった。つまり、 インスタグラムのアカウント(@thehouseupstairs)をつくり、リノベーションの過程を記録したのだ。

彼らは全エネルギーを注ぎ込み、リノベーションに積極的に関与し定期的な投稿もねばり強く続けたところ、フォロワー数は急増。そして、ヘイズルウッドはキャリアの転機を迎えることに。現在、フォロワー数は10万人を超えている。オーダーメイドの家具コレクションも人気を博し、英国中から発注を受け付けている。これまでの労力と、間を空けないポストが実を結んだのだ。

<写真>自宅の玄関にて、ジョディ・ヘイズルウッドとミニチュア・ピンシャーのロイ・ダンディ。

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「この家を初めて見たとき、ほかの誰かがここに関心を持つなんて全く思いませんでした。配管も暖房施設も機能していなかったから。しかも、窓は1960年代に取り付けられたもの。どこもかしこも湿気がひどかったのを覚えています」とヘイズルウッドは振り返る。「ただ、家のバランスはよかった。壁を壊してレイアウトを変えれば、大きなロフトのある空間に再生できる可能性を感じました。こうして、プロジェクトが始まったというわけです」

<写真>アート作品や装飾的な照明のあるエントランスの一角。

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夫婦は、プロの力を借りたことを真っ先に認めている。初期の建物の構造にかかわる作業が大規模で、どこから手をつければよいのか見当もつかなかったからだ。けれど、このプロセスを通じて、2人とも多くを学んだ。「DIYに対する自信は、日に日に強まっています」とヘイズルウッド。「自分たちでできることが、かなり増えました」

<写真>いくつかの部屋をつなげて、エントランスを多目的空間に。ここでゲストをもてなし、仕事もする。

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最も大切な問いは「どのように暮らしたいのか?」

これほどの規模のリノベーションを始めるとき、一体なにを起点としたのだろうか。鍵は、プラグマティズム。実用主義だ。「リノベーションに取り掛かる際、考えたのはこんなこと。『私たちは、どのように暮らしたいのか』。最も重要な問いです」とヘイズルウッド。

「これに対する私たちの答えは、『気楽にゲストをもてなしたい』『リラックスして快適に過ごしたい』それから『オープンプランの空間で暮らしつつ、プライベートエリアは隔離しておきたい』ということでした」。そして3年以上経った今、彼らがこの「答え」を思い通りに実現したのは明らかだった。それぞれの空間がシームレスにつながり、カジュアルな空気が流れているのに、華やかさも感じられるのだ。

<写真>ゲストと語らうバーエリア。

Brent Darby

最初にやらなければならなかったのは、電気配線と配管の撤去と交換。続いて、時代遅れの窓を取り外した。大規模な構造補強工事も必要だった。修繕と補強作業は永遠に続くかのようにも思われた。

修繕が一段落すると、リビングとダイニングを一体化し、オープンプランの空間を創出。改めてリビングとキッチンを配置した。そして、メインの階段を改修し、使われていなかったロフトスペースを拡張、ベッドルームと、それに隣接するドレッシングルームを設けた。

<写真>リビングの一部のように感じられることを目指してデザインされたキッチンには、ヴィンテージ家具を再利用した収納ユニットを設置。

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かつてキッチンだった部屋は、バスルーム付きのゲスト用ベッドルームに。ほかのバスルームもすべて改修した。また、あるベッドルームは、バスタブを備えたくつろぎの空間とし、物置部屋だった場所にはアーチ型の天井を復元して新しいドアと窓を取り付け、腐食していた壁を張り替え、2つ目のゲストルームへとリノベーションした。最後の大仕事は、玄関のドアを交換すること。これが最大の変化だった。

<写真>壁と天井に同じ壁紙を貼り、心地よいコテージのような雰囲気とした。ヘッドボードには、ここに泊まりにくる姪を思い浮かべ、ヘイズルウッドがお気に入りのファブリック「ピエール・フレイ」による“ラッソ”を選んだ。

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多くのリノベーションがそうであるように、このプロジェクトでも予期せぬ出費があった一方で、うれしい驚きもあった。それは、建物の竣工当初に流行していたディテール。まさに、ヴィクトリア朝様式の邸宅ならではの事態だ。「作業を進めていると、オリジナルの天井を見つけたんです。1960年代のリノベーションの際に加えられた吊り天井の中に隠されていたようですね。それから、美しい床板、ステンドガラス、煙突もありました」とヘイズルウッド。「歴史の足跡を残すことで、この家の個性を取り戻そうと思いました」

<写真>ヘイズルウッドとハンターは、ひとつのリビング2つの着席エリアに分けた。写真は、テレビを見ながらリラックスするための場所。

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最後の仕上げは“お気に入りの家具”

最も大変な作業を終え、ついにヘイズルウッドとハンターに、クリエイティビティを発揮する——そして残された予算を使う——チャンスが訪れた。真っ白なキャンバスをお気に入りの家具で埋め尽くすのだ。「昔からそこにあったかのような、生活感あふれるインテリアにしたいと思いました。完璧すぎたり、わざとらしく演出されたりした感じは一切避けたかったのです。」

<写真>この場所のために設えた本棚が、キッチンへと続く広い出入り口をフレーミング。キッチンには、紳士服店で入手したキャビネットを中央のアイランドとして使えるよう手直ししたものを設置。本棚の色は「ファロー&ボール」“ストーンブルー”。

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インスピレーションを旅やソーシャルメディア、ホテル、大邸宅、本に求め、夫婦はすでに充実している家具、アクセサリー、テキスタイルのコレクションに、さらなる彩りを加えた。インスタグラムや、時にはオークションを通じて、ヴィンテージや、再び命を与えられた「宝物」を手に入れたのだ。

<写真>空間自体はコンパクトだが、そのインパクトは大きい洗面エリア。

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「のみの市のほか、eBayやFacebookマーケットプレイスも好きです」とヘイズルウッドィはつけ加える。実際のところ、再生材を使ったキッチン、大理石製の暖炉、張り地を交換したソファなどは、その一部に過ぎない。

<写真>内見の際、ハッチから軒下のロフトスペースを見つけた
ヘイズルウッドとハンターは、そこをベッドルームにリノベーションした。

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彼らのインテリアプランは、まだまだ終わらない。カラーとパターンのレイヤーも重なり、空間にさらなる個性が加わった。「私は、さまざまなものを混ぜ合わせてしまうのが好きなんです。ただし、バランスは大切にします」とヘイズルウッドは続ける。「鮮やかな要素には、落ち着いたタッチを合わせています」

<写真>真っ赤なチェアの背景には、ブルーを基調とした壁紙を選んだ。

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家全体に、自然体で、旅慣れた雰囲気が漂う。2人は、まさに時代を超越した美学をつくり上げた。そして、どういうわけか英国の魅力と地中海的精神の両方が感じられる。「ドアを開け、ここに足を踏み入れたら、どこにいても居心地よく思える、夢の国へ逃避行でもしているような感覚を味わってもらいたかったのです」

<写真>ベッドルームの隣には、バスタブのあるリラックス空間が。ここには、プロジェクションのためのスクリーンやコーヒーステーション、薪ストーブもある。

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そして挑戦は続く

プロジェクトは、まだ終わらない。ヘイズルウッドとハンターが次に挑むのは、ドレッシングルーム——「今は、ちょっとした物置部屋のようになっています」——と庭だ。それから……。この先どうなるかなんて誰もわからない。「もしかすると、2人で海外に住むかもしれませんね」とヘイズルウッド。「大きなプロジェクトに取り組める余力は、まだ残っていますよ」

今後の展開にも、ぜひ注目してもらいたい。こんな楽しげなメゾネット。すばらしいものに、ならないわけがない。

<写真>新しい「ベルックス」の窓を取り入れたロフトのベッドルーム。自然光に満ちた空間に、「ピエール・フレイ」の壁紙“ラ・パノニー”をはじめとする鮮やかなテキスタイルのレイヤーがコージーな雰囲気を醸し出す。

Original Text : NICKY RAMPLEY-CLARKE Translation : CHISATO YAMASHITA

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