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「そっちのバッグ大きいから入れてよ」出かけるたび私に荷物を持たせる友人→ある日、私も同じお願いをしてみると…

  • 2026.10.16
ハウコレ

「これでいいの」。「次は大きいバッグで来たら?」と言っても、友人はそう笑うだけでした。あの日、私が同じお願いを返すと、友人の両手は最後まで荷物で塞がったままになりました。

雑貨屋を出たところで、友人が買ったばかりの紙袋を私のバッグに押し込んできました。続いて折りたたみ傘、化粧ポーチ。友人の肩の小さなバッグは、財布とスマホだけで口が閉まりきらなくなっていました。

「これでいいの」と笑う友人

友人とは前の職場の同期で、今もよく買い物に出かける仲です。しかし、会うたびに「そっちのバッグ大きいから入れてよ」と言われるのが悩みでした。

友人が持ってくるのは、いつも財布とスマホでいっぱいになるような小さなバッグ。入りきらない分は、すべて私のバッグ行きです。

一度、「次は大きいバッグで来たら?」と言ったこともあります。けれど友人はバッグをポンポンと軽くたたいて、「これでいいの」と笑うだけでした。

買い物に行くと分かっているのに、なぜ毎回そんなに小さなバッグで来るのだろう。入りきらないなら大きいバッグを持ってくればいいだけなのに……。喉まで出かかった言葉を飲み込んで、その日も荷物を引き受けました。

蓋の緩んだアイスコーヒー

預かる荷物は、遊ぶ回数を重ねるごとに増えていきました。帰り道には、バッグのストラップが肩に食い込むほどです。

化粧直しのたびに、友人は断りもなく私のバッグを開け、中をごそごそとかき回してポーチを探します。レシートや手帳が床に落ちてしまったこともありました。

決定打となったのは、前回カフェを出たときのことです。飲みかけのアイスコーヒーを手にした友人は、「これも入れといて」と私のバッグに押し込んできました。駅に着いてバッグを開けると、底には茶色い水たまりが……。仕事の予定を書き込んでいた手帳が、半分ほど湿って波打っていました。

「ごめん、蓋閉まってると思ってた」

友人が差し出してきたのは、紙ナプキンたった1枚だけ。大きいバッグを持ってこないのなら、その不便さを一度味わってもらうしかない。私はそう心に決めました。

同じお願いを返した日

次の買い物の日、私はあえてカードと鍵しか入らない小さなバッグで出かけました。手には、スマホにつないだモバイルバッテリーだけを持っています。

最初の店でハンドクリームを買った友人が、いつものように私のバッグへ手を伸ばしてきました。けれど、バッグの口を開けても入れる隙間はありません。

私はケーブルを抜き、バッテリーを友人に差し出しました。

「そっちのバッグ大きいから入れてよ」

いつも言われている言葉を、そのまま返しました。大きいバッグを持ってこない不便さを、少しは分かってほしかったのです。

友人は財布とスマホの間にバッテリーを押し込もうとしましたが、すぐに諦めた様子でした。結局、バッテリーは友人の手の中に残ることに。そこにハンドクリームと傘が加わり、カフェに入るころには膝の上に荷物の山ができていました。会計のたびに荷物をテーブルへ下ろし、友人は自分の小さなバッグをじっと見つめていました。

いつもより早く、友人は「今日はもう帰るね」とバッテリーを私に返すと、そそくさと改札の向こうへ歩いていきました。

そして...

次に会った日、友人は改札で私の顔を見るなり口を開きました。

「この前の手帳、本当にごめん」

そう言って頭を下げた友人は、その日、買った紙袋を最後まで自分の手で提げていました。それ以来、私のバッグに手が伸ばされてくることはありません。

自分の物しか入っていないバッグは、驚くほど軽くなりました。それでも友人の肩には、今も財布とスマホしか入らないあのバッグが掛かっています。両手がふさがると分かっていて、なぜ大きいバッグを持とうとしないのか。その理由だけは、今も分からないままです。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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