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【伊丹】創業1688年!伊丹の老舗が挑む新しい日本酒。「老松直売所」

  • 2026.10.16

<伊丹発>こんにちは、リビング神戸・阪神間Web地域特派員のあひるです。
今回訪れたのは、阪急伊丹駅から徒歩約3分の場所にある「老松直売所」。「老松」の名前は、伊丹に住んでいる方なら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。なんと創業は1688年(元禄元年)。300年以上の歴史を持つ伊丹老松酒造株式会社です。今回は、杜氏兼取締役の重村侑哉さんに、老松の歴史や酒造りへの思い、そしてこれから目指している日本酒についてお話を伺いました。

老松直売所
出典:リビング神戸・阪神間Web

江戸時代の酒番付で「東の大関」だった「老松」

老松の歴史を語るうえで、ぜひ知っておきたいのが「御免酒(ごめんしゅ)」です。
元禄10年(1697年)、伊丹の大手酒造家24軒には帯刀が許され、江戸幕府の「官用酒」を造る格式の高い酒屋として扱われました。その「御免酒」の中でも、「老松」は特に格式が高く、宮中奉納酒や将軍の御膳酒として知られていたそうです。現在の「老松」のラベルにも「御免酒」の文字が入っています。
そして今回、特別に見せていただいたのがこちら。

老松直売所
出典:リビング神戸・阪神間Web

「江戸積み銘酒名寄」。当時「老松」は「東の大関」に位置していたそう。通常は非公開の貴重な資料を、特別に撮影させていただきました

江戸時代の「酒番付」に「老松」の名が!
なんと当時の「老松」は、「東の大関」に位置していたのだとか!
老松の公式サイトによると、この資料は1716年に刊行された文献よりも前のものと考えられているそうです。

さらに、老松の「商標」も見せていただきました。

伊丹老松直売所
出典:リビング神戸・阪神間Web

こちらも普段はお客さんの目に触れない場所で大切に保管されているもの。長い歴史を持つ酒蔵ならではの貴重な資料です

「研究」の経験を生かして、杜氏として酒造りに挑戦

今回お話を伺った重村侑哉さんは、4年前に老松へ。実は以前、製薬会社で研究職をされていたという異色の経歴の持ち主です。現在は杜氏兼取締役として、酒造りに携わっています。
老松の後継者として声をかけられたときは、「驚きもありましたが、面白そうだなと思いました」と振り返ります。そして、酒造りを始めて感じたのは、製薬の研究との意外な共通点。それは、「どちらも、試行錯誤を繰り返しながら、より良いものを追求していく仕事」。ただし、大きな違いもあります。製薬では品質を数値で表すことができますが、日本酒の「おいしい」は数字だけでは表せないこと。「最後に判断するのは、人の舌」と重村さん。研究者としての経験と、杜氏としての感覚。その両方を生かしながら、老松の酒造りに新しい風を吹き込んでいます。

出典:リビング神戸・阪神間Web

伊丹老松酒造株式会社 取締役 兼 杜氏 重村侑哉さん

「淡麗やや辛口」の老松から、新しい“乾杯の一杯”へ

老松の酒造りで大切にしているのが、伊丹の酒らしい淡麗やや辛口の味わい。すっきりとして飲み飽きない酒を追求してきた老松ですが、重村さんが現在取り組んでいるのが、これまでとは少し違う新しい日本酒です。 目指しているのは、最初の「乾杯」に飲みたい一杯。
お米由来の甘さが強く残ると、口の中に重さを感じることがあります。そこで、すっきりとした後味を目指しながら、ほどよい発泡感もプラス。アルコール度数は約12%を想定。目標は、2027年夏の発売。
300年以上続く酒蔵から、どんな新しい「乾杯の一杯」が誕生するのでしょうか。今から楽しみです!

「GI伊丹」のお酒をもっと増やしたい

もう一つ、重村さんが取り組んでいるのが、GI伊丹のお酒を増やすこと。
GI(地理的表示)は、その土地ならではの品質や特徴を持つ産品の名称を、地域のブランドとして保護する制度です。 現在、老松では本醸造酒「伊丹諸白」がGI伊丹の認定を受けています。
今後は、大吟醸などについても品質をさらに高め、GI伊丹のお酒を増やしていきたいとのこと。「伊丹の酒」としての伝統を守りながら、その価値をさらに高めていく挑戦です。

伊丹老松直売所
出典:リビング神戸・阪神間Web

秋の楽しみ「ひやおろし」

取材時期におすすめいただいたのは、秋のお酒「ひやおろし」。
「ひやおろし」は、冬から春に造られた新酒を一度火入れして貯蔵し、夏を越して熟成させたもの。秋になって出荷する際には、二度目の火入れをしないのが特徴です。新酒の荒々しさが落ち着き、まろやかさが出てくるのだとか。まさに、秋に味わいたい日本酒ですね。

伊丹老松直売所
出典:リビング神戸・阪神間Web

毎月違う「原酒」が楽しめる!

老松直売所では、毎月違う「原酒」を量り売りする取り組みも行っています。始まったのは3年前。 原酒は、一般的な日本酒よりアルコール度数が高く、17~20%ほどになることもあるそうです。
「今月はどんなお酒かな?」と、毎月楽しみに訪れるお客さんも少しずつ増えているそう。
今年は10月までの予定ですが、来年も実施する予定とのこと。お気に入りの一本を探しながら、月ごとの味わいを楽しむのも面白そうです。

オリジナルラベルのお酒も相談できます

老松では、毎年のお正月に干支をデザインした限定ラベルのお酒も登場します。
また、結婚式の引き出物など、オリジナルラベルのお酒を作りたいという相談にも応じているそう。 「こんなお酒を贈りたい」という希望があれば、まずは相談してみてはいかがでしょうか。

店内には日本酒だけでなく、奈良漬などの商品も並び、酒蔵ならではの雰囲気を感じることができます。
ちなみに私は、お酒も大好きなのですが……
甘酒も大好き!
ということで、今回購入したのはこちら。

私が選んだのは「夏のあまざけ」

今回、私が直売所で購入したのは「夏のあまざけ」。
酒蔵で造られる甘酒には、また日本酒とは違った魅力があります。
暑い時期にも楽しみやすい甘酒をいただきながら、300年以上続く老松の歴史に思いをはせるのもいいですね。

出典:リビング神戸・阪神間Web

300年以上の歴史、その先へ

1688年の創業から300年以上。
江戸時代には「東の大関」と称された老松は、今も伊丹の地で酒を造り続けています。けれど、今回重村さんのお話を伺って感じたのは、「伝統を守っている酒蔵」というだけではないということ。研究者として培った経験を生かしながら、酒造りの可能性を探り、新しい味わいに挑戦する。「東の大関」という歴史ある名前の先に、2027年夏を目指す新しい「乾杯の一杯」が待っています。300年以上続く老舗酒蔵が、これからどんな一杯を私たちに届けてくれるのか。伊丹のまちで生まれる、新しい「老松」にも注目です。

老松直売所
住所: 兵庫県伊丹市中央3-1-8
(JR伊丹駅より西に徒歩5分、阪急伊丹駅より東に徒歩3分)
電話番号: 072-782-2470
営業時間: 9:00~18:00
定休日: 祝日
URL:https://oimatsu.biz/

※記事に掲載した内容は公開日時点または取材時の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください

※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

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