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「10キロなら歩けるよ」平日はバスが走らない駅から歩いた大学生2人。まだ半分と知って後悔→スーツ姿の男性から思いがけない申し出

  • 2026.10.15

平日の駅前で気づいた時刻表の見間違い

大学生のころ、授業のない平日に、友人と2人で田舎の遊園地へ出かけました。

前の晩に行き方を調べ、最寄り駅からバスに乗るつもりでいたのです。

ところが、昼前に小さな駅に降りると、バス停にはバスも人も見当たりません。

時刻表を確認して、2人で顔を見合わせました。

前の晩に見ていたのは、休日の時刻表だったのです。

バス停に書かれた番号へ電話すると、バス会社の女性が申し訳なさそうな声で言いました。

「すみません。平日は、その路線のバスが走っていないんです」

駅前にタクシー乗り場はなく、次の電車が来るのは1時間半後。

遊園地までは約10キロありました。

ここまで来て引き返すのも惜しくて、私は友人に言いました。

「10キロなら歩けるよ。山道だって、ハイキングみたいなものじゃない?」

「そうだね。空気もおいしいし」

友人もうなずき、私たちはリュックを背負い直して歩き始めました。

山道で出会った白い車の男性

最初は鳥の声や木漏れ日を楽しむ余裕がありました。ところが、進むほど道は細くなり、坂も急になっていきます。

人影はなく、車もほとんど通りません。いつの間にか2人とも汗だくで、足は重くなり、水筒の水も残りわずかでした。

「ねえ、これ、ハイキングというより登山じゃない?」

友人の声には、さっきまでの元気がありません。

「もう少しで着くよね。きっと、この坂の向こうだよ」

そう答えたものの、確信はありませんでした。歩くと言い出した手前、なかなか弱音を吐けなかったのです。

そのとき、白い車が私たちを追い越し、少し先で止まりました。

ゆっくりバックしてきた車の窓が開き、スーツ姿の40代くらいの男性が顔を出しました。

「どこまで行くの?」

「この先の遊園地です」

「どこから歩いてきたの?」

「駅からです。バスがなくて…」

男性は驚いた顔で山道の先を指さしました。

「それなら、ここでようやく半分くらいだよ」

「えっ、まだ半分ですか?」

私たちは顔を見合わせ、道端にへたり込みました。

男性は少し笑うと、後部座席の荷物をよけながら声をかけてくれました。

「ちょうどそっちの方面へ仕事で行くんだ。乗っていく?」

知らない人の車に乗ることには一瞬迷いました。それでも、これ以上歩くのはつらく、申し出に甘えることにしました。

男性は遊園地の入口まで送ってくれました。お礼を言う私たちに、男性はお礼の言葉だけを受け取り、仕事先へ向かって走り去っていきました。

その日は、どの乗り物に乗っても、話題はあの白い車のことばかり。

ジェットコースターの列に並んでいると、友人がぽつりと言いました。

「今日いちばんありがたかった乗り物、あの車だよね」

「本当に。あのまま歩いてたら、どうなってたんだろうね」

2人で顔を見合わせ、お腹を抱えて笑ってしまいました。

時刻表の確認を間違えたことも、山道を甘く見ていたことも、忘れられない旅の思い出です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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