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「今どこ?」を重いと言われて3年送れなかった私→彼から初めて届いた同じ言葉

  • 2026.10.14
ハウコレ

3年間、入力欄に打っては消してきた言葉がありました。北口のベンチでハンカチを探しながら、彼がなぜ今日になってそれを送ってきたのか、私にはまだ分かりませんでした。

乗り換えの駅に着いた途端、電光掲示板の表示が一斉に赤く切り替わりました。運転見合わせのアナウンスが響くホームから、彼に遅れると連絡を入れたあとのことです。届いた返信は、付き合って3年、彼から一度も来たことのない言葉でした。

使えなくなった言葉

その日は、彼の家の近くのお店で待ち合わせをしていました。

付き合い始めたばかりの頃、仕事帰りの彼によく「今どこ?」と送っていました。何度目かの日に返ってきたのが、「今どこ?って毎回聞かれるの、ちょっと重いかも」というメッセージです。

笑っているスタンプを返して、その話は終わらせたつもりでした。けれどその日から、この言葉は私の中で使ってはいけないものになったのです。

帰りが遅い日は「気をつけて帰ってね」。待ち合わせに彼が遅れる日は「着いたら教えて」。入力欄に「今どこ」まで打っては消して、別の言い方を探すのが癖になっていきました。

既読のあとの数分

ホームのベンチに座り、彼に「電車止まっちゃった。ちょっと遅れるかも、ごめんね」と送りました。

既読はすぐについたものの、返信は来ません。

今頃お店で1人、予約の時間を気にしているのだろうか。せっかくの約束を台無しにしたと、あきれているのかもしれない。画面を消してはつけ直し、そのたびに彼とのやりとりの画面を確かめていました。

アナウンスが再開の見込みは立っていないと繰り返すなか、ホームの人たちは次々に改札へ。手の中で通知が鳴ったのは、それから数分後です。

初めて届いた通知

表示されていたのは「今どこ?」。

彼から届いたのは、3年間で初めてでした。私が数えきれないほど打っては消してきた言葉が、彼の吹き出しの中に並んでいたのです。

同じ言葉なのに、こんなにうれしく聞こえることもあるんだ。

バッグの底のハンカチを探しているうちに、自販機の明かりがぼやけました。

改札を出て北口のベンチへ移り、どうにか「乗り換えの駅。北口のベンチ」と返すと、すぐに「そっち行く。待ってて」と返ってきました。

そして...

北口の階段を駆け上がってくる彼の姿が見えたのは、20分ほどしてからです。ハンカチを握ったまま顔を上げると、彼は私の前で足を止めて「重いなんて言って、ごめん」と言いました。

3年も前のあの返信を、彼が覚えているとは思っていませんでした。どうして今日、あの言葉を送ってくれたのか。聞きたいことはあったのに、隣に座った彼の袖をつかむのが精一杯でした。

スマホの予測変換には、今も「今どこ?」が一番上に出てきます。最後まで打ってから消すかどうか迷う時間は、少しずつ短くなっています。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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