1. トップ
  2. エピソード
  3. 「父さん、財布忘れてよかったね」直売所でスイカも卵も買い込んだ私。財布を忘れて、届けに来た息子が笑った理由

「父さん、財布忘れてよかったね」直売所でスイカも卵も買い込んだ私。財布を忘れて、届けに来た息子が笑った理由

  • 2026.10.14

安さに夢中で、買い物かごがいっぱいに

先月の日曜日、私は自転車で、家から20分ほどの農産物の直売所へ出かけました。

朝晩は少し涼しくなってきたころで、薄い上着を羽織り、前かごには買い物袋を1枚だけ入れていました。

ところが、店に入って値札を見た瞬間、思わず足が止まりました。

トマトも卵も、いつものスーパーよりずっと安いのです。

奥の台には、季節の終わりの大きなスイカまで、驚くような値段で並んでいました。

「うわ、安いな!卵もスイカも買って帰ろう」

つい声に出してしまうと、隣で玉ねぎを選んでいた年配の女性が、くすっと笑いました。

少し恥ずかしくなりましたが、目の前のお買い得品を見ていると、そんなことはすぐに忘れてしまいました。

トマトを1袋、卵を2パック、とうもろこしを5本。そして最後に、いちばん大きなスイカを選びました。

両手で抱えると、ずっしりとした重さがあります。

「これは喜ぶだろうな」

家でスイカを切ったときの妻と息子の顔を想像すると、自然と頬が緩みました。

レジで気づいた、まさかの忘れ物

レジには女性の店員さんが1人いました。

私はかごの中身をレジ台に並べ、最後に大きなスイカを置きました。後ろには、すでに2人のお客さんが並んでいます。

「わあ、たくさん買われましたね」

「いやあ、安かったもので。つい買いすぎちゃいました」

得意げに答える私に、店員さんも笑顔を返してくれました。

「お会計、1,980円です」

私は上着のポケットに手を入れました。

しかし、財布がありません。

反対側のポケットも、ズボンの後ろも探しましたが、出てきたのは家の鍵だけ。

そこでようやく思い出しました。出かける前、玄関の棚に財布を置いたままだったのです。

レジの横には「お支払いは現金のみ」の札。

「あの……すみません。財布を忘れてしまって…」

顔が熱くなり、声も小さくなってしまいました。

すると店員さんは、少しも嫌な顔をせずに答えてくれたのです。

「あ、大丈夫ですよ。こちらで取っておきますね」

少しだけ気持ちが軽くなった私は、後ろのお客さんに頭を下げてレジを離れました。

財布を届けてくれた息子の、思わぬ一言

店の隅に移動し、息子に電話をかけました。

「ごめん、頼みがあるんだけど。玄関の棚に財布があるだろ?直売所まで持ってきてくれないか」

それから30分後、息子が自転車でやってきました。

財布を受け取って無事に会計を済ませ、ようやく買い物が終わったと思った、そのときです。

息子がレジの横に置かれた大きなスイカを見て、首をかしげました。

「父さん、このスイカ、どうやって自転車で持って帰るつもりだったの」

「…あっ」

言われて初めて気づきました。

トマトに卵、とうもろこし。それに、両手で抱えるほどのスイカまであります。

安さに夢中になるあまり、帰りの荷物のことをまったく考えていなかったのです。

息子に指摘され、自分でも思わず笑ってしまいました。

帰り道は、息子の自転車のかごにスイカを載せ、私の自転車にはトマトや卵、とうもろこしを積んで帰りました。

すると息子が、笑いながらこう言いました。

「父さん、財布忘れてよかったね」

「……ほんとだな」

財布を忘れなければ、あの大量の買い物を、どうやって1人で持ち帰るつもりだったのでしょう。

安いものを見つけると、つい夢中になってしまう私。次からは財布だけでなく、帰りの荷物のことも考えて買い物しようと思いました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ