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函館朝市の隠れた名物「生とば」が全国展開へ。父が作った味で函館の新名物を目指す

  • 2026.10.12

北海道・函館で半生タイプの紅鮭加工品「生とば」を製造・販売する生とば函館は、2025年9月の独立から1年を待たずして、年間販売本数2万本を突破した。2期目からは法人化し、加工場も拡張。年間10万本を目標に、生産体制の強化と全国への販路開拓を進めることを発表した。

父から受け継いだ函館の味

「生とば」は、紅鮭を塩漬けし、約1日だけ乾燥させて仕上げる半生タイプの鮭加工品である。水分を残しながら干すことで、しっとりした食感と紅鮭の旨味を引き出しているのが特徴だ。刺身のような新鮮な旨味と、干物ならではの凝縮された旨味の両方を味わえる、新しい鮭の食べ方といえる。

その始まりは、現在の代表・飯野修大氏の父が、約20年前に函館朝市の一角で紅鮭を使った独自の商品として作り始めたことにある。大きく流通することはなく、朝市を訪れる常連客を中心に、知る人ぞ知る味として受け継がれてきた。

息子と仲間で歩んだ独立への道

父の味と製法を息子の飯野修大氏が継承。自ら紅鮭を加工し、商品を作り、店頭に立って販売する日々が続いた。しかし、「生とば」という商品自体がほとんど知られておらず、なかなか売れない時期もあったという。

それでも製造をやめることなく一つひとつ作り続けるうちに、商品を支持する客が少しずつ増え、製造や販売、事業づくりを支える仲間も加わっていった。母とその仲間たち、そして小西食品の応援も支えとなり、2025年9月に「生とば函館」として独立を果たした。独立後は商品づくりに加え、ECサイトやInstagram、動画、店舗づくりにも取り組み、自分たちの手でブランドの発信を強めていった。

SNSで育む顧客とのつながり

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来店客と撮影する飯野氏[/caption]

生とば函館は、独立後の約1年間、ほぼ無休で営業し、Instagramのストーリーズも毎日投稿を続けてきた。購入客に撮影協力を依頼し、代表の飯野氏自身が一緒に写り、その日の会話や感謝の気持ちを届けている。

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実際のストーリーズ[/caption]

独立後1年間で投稿したストーリーズは3,173本にのぼる(※1)。商品だけでなく、店に立つ人や客との関係が伝わる発信によって、SNSで店を知り、遠方から函館まで足を運ぶ人も増えている。2024年3月1日~2026年9月14日の閲覧数は約395万回、リーチ約127万アカウント(※2)。中には1本で約107万回見られたリール動画もある(※3)。

生産体制と販路を拡大

販売数が伸び、完売する日も増える一方で、手作業が中心の「生とば」は、作れる数量が需要に追いつかないことが新たな課題となっている。この課題に対応するため、加工場を従来の約2倍の広さに拡張。飯野氏が一人で行っていた加工作業には仲間が加わり、2人体制となった。さらに、製造スタッフの増員に加え、生産設備や工程、原材料の調達から包装・保管、物流まで見直しを進めている。

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新千歳空港の売場[/caption]

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商品を見に集まった人々(ポップアップの記録動画から)[/caption]

個人事業として歩んだ1期目を経て、2期目からは生とば函館として法人化。函館で育ててきた味を全国へ届けるため、次の一歩を踏み出した。9月12日と13日には、初の函館外でのポップアップ販売として、新千歳空港で開催された「SORAマルシェ」に出店。これを足がかりに、空港・土産店・小売店への卸販売や、北海道内外での催事・ポップアップ出店など、新たな販路開拓を進めている。

「生とば」と「冷とば」で全国へ

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生とば[/caption]

生とば函館は、「生とば」「冷とば」の商標登録を取得している。

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冷とば[/caption]

「冷とば」は、生とばを冷凍した商品だ。半解凍ではルイベのような食感を、完全に解凍すればしっとりした生とば本来の食感を楽しめる。冷凍で保存・配送ができる「冷とば」は、函館から離れた地域へ味を届けるうえで重要な商品となる。店頭で味わう「生とば」と、冷凍で届ける「冷とば」。それぞれの特性を活かし、全国展開を目指す。

次の目標は年間販売10万本。「函館に行ったら、生とば」と言われる商品を目指し、約20年前に朝市の一角で生まれた味を、北海道の新しい鮭の食文化として全国へ届けていく取り組みに注目したい。

■生とば函館 拠点住所:北海道函館市若松町9-22 朝市ひろば内 公式EC:https://namatoba.base.shop 公式Instagram:https://www.instagram.com/namatoba.hakodate

※1 2025年9月~2026年8月の月別記録の合計で、お礼の投稿以外も含む。 ※2 同社Instagram集計資料(9月15日確認)。閲覧数3,952,180回、リーチ1,273,418はMeta Business Suiteで2024年3月1日~2026年9月14日を指定した値。過去データの欠落により全期間の累計ではなく、閲覧数には広告等による表示を含み、人数を意味するものではない。 ※3 約107万回は2025年11月13日投稿のリール1本の閲覧数。

(Kanako Aida)

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