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「事故を起こした。今すぐ50万円いるんだ」いとこに振り込んだ50万円。だが、正月の親族の集まりで明らかになった本当の事情

  • 2026.10.12

「事故を起こした」いとこからの突然の電話

去年の秋、夜遅くに、40代のいとこから電話がかかってきました。

いとことは子どものころから兄弟のように遊んできた仲です。

普段とは違う、震えた声を聞いて驚きました。

「事故を起こした。今すぐ50万円いるんだ」

突然の話に、私は戸惑いました。

「えっ、事故?何があったんだ。大丈夫なのか?」

しかし、いとこは私の質問を遮ります。

「とにかく急ぐんだ。明日でいいから頼む」

50代の私にとっても、50万円は簡単に出せる金額ではありません。

それでも、事故で困っているといういとこを放っておけず、翌朝、指定された口座に振り込みました。

ところが、それきり連絡が途絶えてしまったのです。

事故がどうなったのかも分からず、お礼の一言もありません。

気にはなりましたが、無事に片づいたのならいいと、自分に言い聞かせていました。

そんな年末、別の親族から気になる話を聞きました。

いとこが投資の取引で大きな損失を出し、借金を抱えているというのです。

しかも、損失を出したのは、私に50万円を頼んできた去年の秋でした。

事故の話は本当だったのか。疑問を抱えたまま、正月を迎えました。

「正月から金の話はやめてくれよ」

正月、叔母の家に親族が8人ほど集まりました。

座敷の長い座卓には、上座に叔父、端に私が座り、私の向かいにいとこ、その隣に叔母が座っていました。

いとこは一度も私と目を合わせません。

お開きが近づいたころ、私は声を落として尋ねました。

「あの50万円のことだけど、どうなった?」

すると、いとこは急に大きな声で笑い、手を振りました。

「事故の後片づけで、まだ大変なんだよ。正月から金の話はやめてくれよ」

その声に、周りの親族がこちらを見ました。

私だけが正月早々、お金を催促しているような空気になり、居心地の悪さを感じました。

けれど、ここで黙ってしまえば、また話がうやむやになってしまいます。

私は湯のみを置いて、落ち着いて尋ねました。

「事故の相手の方は、もう大丈夫なのか。叔母さん、事故のこと、聞いてましたか?」

すると、隣にいた叔母が驚いた顔でいとこを見ました。

「えっ、事故?そんな話、聞いてないよ」

いとこの笑顔が消えました。

叔父が差し出した一枚の紙

私は、いとこの顔を見ながら話しました。

「去年の秋、事故を起こしたから50万円必要だって電話をもらったんだ。翌朝には振り込んだよ」

いとこは口を開きかけましたが、何も言いません。

すると、上座にいた叔父が湯のみを置きました。

「取引で損をした話は聞いていたぞ。それなのに、事故だと言って50万円も借りたのか?」

叔父の問いかけにも、いとこはうつむいたままでした。

叔父は立ち上がり、棚から紙とペンを持ってくると、いとこの前に置きました。

「何してるんだ!返すつもりなら、ちゃんと書きなさい。毎月いくら返すのか、いつから返すのか」

いとこはしばらく紙を見つめていましたが、やがて震える手で書き始めました。

そこには「毎月2万円、2月から」と書かれていました。

書き終えたいとこは、座卓に手をつき、私に頭を下げました。

「2月からだな。待ってるよ」

私はそう伝えて、紙を折り、内ポケットにしまいました。

正月の親族の集まりで、こんな話をすることになるとは思いませんでした。

書かれたとおりに返してもらえるかは、まだ分かりません。

それでも、曖昧になっていた50万円について、ようやく返済の約束を形にできました。

先ほどまで大きな声で笑っていたいとこは、最後まで顔を上げませんでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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