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冷蔵庫の事故記録815件 大掃除で動かす前の5つのNG

  • 2026.10.12

冷蔵庫の事故の記録815件のうち、使い方や置き場所などが原因と書かれたのは70件。ネズミなどの小動物22件、電源コードを踏む・押しつけるなど9件でした。コード・プラグ・裏のゴミ・引火・故障のまま通電の5つのNGと、措置の欄に社告などがある260件のうち81件は社告などの日より後に起きていたことも紹介します。

冷蔵庫を引き出して裏を掃除する年末に、見直したい場面が事故の記録に残っています。ネズミなどの小動物が配線をかじった・ふん尿で傷めた22件。電源コードを冷蔵庫の脚で踏む、壁との間に押しつける、圧縮機に巻き付けるなどした9件。引火しやすいものを庫内に入れた・下にスプレーした6件。故障したまま電源を入れていた4件、裏のプラグにほこりや湿気がたまった3件。
いずれも、冷蔵庫の事故の記録815件(1996年4月〜2026年1月に発生)のうち、使い方や置き場所、周りの環境が原因と書かれていた70件の中身です。記録は製品評価技術基盤機構(NITE)という国の機関のデータベースにあるもので、weboo編集部が原因の欄を読んで数えました。
古い記録が多い点は先にお伝えします。70件のうち2010年以降に起きたのは27件で、小動物の22件は2017年の記録が最後、プラグの3件は2003〜2008年に起きたものです。
このうち、NITE・東京消防庁・東京都の注意喚起にも同じ場面が書かれている5つを、NGとして順に見ていきます。

原因の欄から見た815件 使い方や置き場所は70件

SAFE-Liteで品名を「冷蔵庫」として検索すると895件。このうちワイン用や電子式、携帯型、冷蔵庫用のACアダプターなどを除いた、品名が「電気冷蔵庫」「冷蔵庫」の815件を数えました。被害の欄に「火災」とある記録は328件です。
内訳は、使い方・置き場所・周りの環境(小動物を含む)が原因と書かれた記録が70件、業者の工事・修理・輸送中の扱いの問題とされた記録が4件。残る741件は、原因の欄に部品の不良や長く使ったことによる劣化、原因不明などが書かれ、使い方への言及がない記録です(区分の欄で見ると、設計・製造などに問題があったとされたもの217件、原因不明151件、製品に起因しないとされたもの72件、経年劣化23件、区分の欄が「--」のもの278件)。
「可能性がある」「特定に至らなかった」にとどまる記録は70件に入れていません。たとえば、ネズミなどの小動物がかかわった可能性(かじる・ふん尿など)は書かれているものの、原因が特定されなかった記録が20件あります。また70件のうち9件は、NITEの区分で製品の設計や表示の問題も影響したとされた記録(6件)か、メーカーが無償の点検・部品交換をしている製品の記録です。

70件の中身 小動物と扉まわりで半分以上

70件を中身で8つに分けると、多いのはネズミなどの小動物22件と、扉・引き出し・運ぶときのけがや破損16件です。続いて、電源コード9件、引火しやすいもの6件、そのほかの使い方6件、置き場所4件、故障や異常のまま電源を入れていた4件、プラグのほこり・湿気3件でした。
置き場所の記録には、流し台の下で水漏れの水が入った、背面下部に雨水などがかかった、周りに衣類が山積みで熱がこもったといったものがあります。そのほかには、庫内灯の電球を指定より大きいワット数のものに替えた、冷凍室の霜をアイスピックで取ろうとして、壁の中の配線を傷めた、といった記録が並びます。

NG1 冷蔵庫を戻すとき、電源コードを脚で踏む・壁に押しつける

掃除が終わって、冷蔵庫を元の位置へ押し戻す。床をはっていたコードが、脚の下に入ったことには気づかない。
電源コードが原因とされた記録は9件で、うち2件は死亡事故です。冷蔵庫の脚で踏まれた状態で置かれていた記録が3件(設置から長く使われていたもの、設置した人が不明のものを含む)。ほかに、コードを冷蔵庫の裏と壁の間に密着させて上のコンセントまではわせていた記録、コードを圧縮機に巻き付けたまま使っていた記録、人が出入りするドアの前をコードが横切っていて引っかけられていた記録、横に置いたキャスター付きの台でコードに傷がついていた記録、利用者がコードを切って延長するなどの施工をしていた記録がありました。
9件のうち1件は、原因の欄には外的要因でコードが局部的に傷ついたとだけ書かれ、NITEの区分で「消費者の不注意」とされた記録です。一方、ふだん力のかからない位置のコードに断線や溶けた跡があり、製品に起因しないとされたものの、何が力を加えたかは書かれていない記録15件と、人が行き来する壁側の下のコンセントに差したプラグの内部でコードが切れていた病院の記録1件は、数えていません。

こうしておく:コードを本体の脚や壁との間にはさまず、無理な力をかけない。
NITE九州支所は2020年2月の資料で、家電製品全体の注意点として「電源コードに無理な力を加えたり、きつく束ねたりしない。」と挙げています。東京都も2019年4月の資料で、配線器具などの点検ポイントに「コードが家具などの下敷きになったり、押しつけなどにより傷ついたりしていないか。」を挙げています。東京消防庁の「令和4年版 火災の実態」には、死者が出た火災の事例として「居室内の電気冷蔵庫の電源コードが電気冷蔵庫自体に踏みつけられたり、壁際に押し付けられて負荷が加わったことにより、電源コードの絶縁が劣化して短絡し出火したものです。」という出火原因が載っています。

NG2 引き出しても、裏のプラグとコンセントのすき間を見ない

冷蔵庫のコンセントは、買ったときに差したきり。裏にあるので、何年も見たことがない。
プラグにほこりや湿気がたまったことが原因とされた記録は3件です(2003〜2008年)。冷蔵庫の裏のコンセントにプラグが長い間差し込まれたままで、ほこりや湿気がたまってトラッキング現象(たまったほこりなどを伝って電気が流れ、発熱・発火する現象)が起きたとされた記録、ほこりと湿気の多い納屋で長く使われ、延長コードとのつなぎ目のすき間にほこりがたまった記録、軒下に置かれ、延長コードとのつなぎ目にほこりや水分がついた記録です。3件のうち2件は、延長コードとのつなぎ目にたまった記録です(延長コード側の注意は関連記事「延長コード・タップのNG5つ ミスはコードの傷みが最多」で)。プラグやコンセントのあたりから火が出たとされる記録はほかにもありますが、ほこりや湿気、置き場所が書かれていないものは数えていません。

こうしておく:動かしたついでに、プラグとコンセントのすき間を見る。
東京都は2019年4月の資料で「特に埃や湿気の多い環境や、家具等の陰に隠れている配線器具等には細心の注意を払いましょう。」と呼びかけ、点検ポイントに「差込みプラグとコンセントの間にすき間が生じていないか。埃がたまっていないか。」を挙げています。東京消防庁は「令和4年版 火災の実態」の冷蔵庫の電源コードの事例の教訓で「長期間使用する電気製品は、電源プラグやコードの定期的な清掃を実施し、異常がある際には速やかに業者による点検や交換を行いましょう。」と書いています。

NG3 裏や下のネズミのふん・ゴミをそのままにする

冷蔵庫を引き出したら、裏に黒い粒と紙くずがたまっていた。見なかったことにして、元に戻す。
小動物が原因とされた記録は22件(2010年以降は8件)。ゴキブリの1件のほかは、ネズミや小動物、動物と書かれた記録です。電源コードや、本体の背面下部にある機械室の配線がかじられてショートしたとされた記録が中心で、ふん尿で端子がさびたり、配線の絶縁が弱くなったりしたとされた記録もあります。冷蔵庫の裏にゴミがたまっていてネズミが歩き回っていたとみられる記録、本体の下部にネズミの巣があった記録、電源基板のカバーの中にゴキブリのふんと死がいがたまっていた記録もありました。

こうしておく:製品の周りをこまめに掃除し、焦げ臭さなどの異常は点検へ。
NITEは2017年8月の資料で、2012〜2016年度に集めた小動物や害虫による事故について「小動物による事故は電気冷蔵庫及びエアコンに多く、特に電気冷蔵庫はネズミによる事故が認められます。」と書いています。防ぐためのポイントとしては「小動物や害虫の侵入する可能性がある製品の周りはこまめに清掃し、動作不良や焦げ臭いなどの異常がみられた際は点検を受ける。」を挙げています。

NG4 冷蔵庫の下へ殺虫スプレーを吹き込む・庫内に引火しやすいものを入れる

冷蔵庫の下にゴキブリが逃げ込んだ。すき間に向けて、殺虫スプレーを長めに吹きつける。
引火しやすいものが原因とされた記録は6件です。1件は、冷蔵庫の下に可燃性ガスを含む殺虫剤を3秒ずつ3回噴射したところ火が出た記録で、殺虫剤の本体には、すき間には1〜2秒噴射する旨の使用量が書かれていたと記されています(点火源は特定されていません)。残る5件は、揮発しやすい接着剤や潤滑油、薬品、実験用のガス、実験途中の物質を庫内に入れていた記録です。4件は庫内の温度調節の部品などで出る火花に引火したとされ、1件は入れてあったものが爆発したとみられています。5件とも工場・学校・研究室・大学の記録で、うち2件は家庭用の冷蔵庫を接着剤や試薬の保管に使っていたと書かれています。

こうしておく:冷蔵庫の近くで可燃性スプレーを使わず、庫内に引火しやすいものは入れない。
NITE九州支所は2020年2月の資料で「冷蔵庫は庫内に引火しやすいものは入れない。」と挙げています。東京消防庁は「令和4年版 火災の実態」の事例で「居室などの屋内でスプレー缶を噴射すると、可燃性ガスが滞留し、こんろの炎や冷蔵庫、照明等の電気機器で発生するスパークで引火する可能性があります。」と書いています。

NG5 冷えなくなった冷蔵庫を、プラグを差したまま置いておく

半年前から冷えが悪い。物置代わりにしているので、プラグはそのまま差してある。
故障や異常に気づいたまま電源を入れていたことが原因とされた記録は4件です。冷媒が抜けて冷えなくなってから約1年、修理もプラグを抜くこともしないまま置かれていた記録(取扱説明書には、冷えないなどの故障の際は使用をやめてプラグを抜き、修理を頼む旨が書かれていたとされています)。10年前の中古品で、約1か月前に焦げ臭いにおいと煙が出て動かなくなっていたのに電源を入れたままだった記録。故障していると知りながら使い続けた記録、故障してプラグを抜き物置にしていた冷蔵庫を誤ってコンセントにつないだ記録もありました。なお、4件のうち3件は事務所・倉庫・自動車販売店の記録です。

こうしておく:異音や異臭など不具合を感じたら使用をやめる。
NITE九州支所は2020年2月の資料で、家電製品全体の注意点として「異音や異臭など不具合を感じたら使用を中止する。」と挙げています。同じ資料の、電子レンジ・冷蔵庫・電気洗濯機・電気掃除機を使用する際に注意するポイントとして「譲り受けるなどした中古品や賃貸に据え付けられているものなど、長期間使用されているものは、劣化している場合もあり、点検が必要。」とも書かれています。

措置の欄に社告などがある260件 81件は社告の後に

815件のうち260件は、再発防止措置の欄に、メーカーなどが社告や告知を出し、無償の点検・部品交換・改修などをしている旨が書かれた記録でした。いちばん大きいのは、冷蔵室の扉の取り付け部が壊れて扉が外れて落ちたとされた143件(1996〜2000年に発生、うち軽傷16件)です。
260件の発生日を、措置の欄に書かれた日付のうち最も早いもの(社告や告知などの日)と比べると、81件はその日より後に起きた記録で、うち50件は被害の欄が「火災」でした。その製品が点検や部品交換を受けていたかどうかは、記録からはわかりません。
NITEも2019年9月の資料で、2007〜2018年度に関東甲信越の1都9県で起きたリコール後の重大製品事故560件のうち、冷蔵庫が31件あったとしています。2020年2月の資料では「リコール対象製品はすぐに使用を中止し、製造・輸入事業者やお買い求めの販売店に連絡を取る。」と呼びかけています。SAFE-Liteではリコール情報も品名で検索でき、品名を「冷蔵庫」とすると27件が出てきます(携帯型やワイン用などを含む)。冷蔵庫を引き出したときに、本体の表示で型番を控えておくと照らし合わせやすくなります。

扉が外れた6件は無償点検の対象 運ぶときのけがは2件

扉・引き出し・運ぶときの16件のうち、冷蔵庫を運ぶときのけがは2件でした。1件は重傷で、運搬用の取っ手を持たずに素手で背面下部の底を持って運び、変形していた部品の端に触れたとされています。記録には、その冷蔵庫の取扱説明書に「保護具(軍手)を着用する。」「2人以上で、前面下部内側と背面上部の取っ手を持ち静かに運ぶ。」旨が書かれていたと記されています。動かす前に、自分の冷蔵庫の取扱説明書で運び方を確かめておくと確かです。
扉では、庫内の物がはさまったまま開け閉めを繰り返して扉が外れた記録が6件。この6件はいずれも、メーカーがホームページなどで知らせ、扉の部品(ドアカムとヒンジ)を無償で点検・交換している製品の記録で、うち3件はNITEの区分で「設計不良で使い方も事故発生に影響」とされています。ほかに、扉に強い力がかかり続けた・扉のストッパーを外して使っていたなどの記録が4件ありました。

まとめ 引き出したら、コード・プラグ・裏のゴミ・型番

出典 www.nite.go.jp

冷蔵庫を引き出した日は、ふだん見えない裏を確かめられる数少ない機会です。裏や下にネズミのふんやゴミがあれば片付け、プラグとコンセントのすき間にほこりがないかを見ます。下へ殺虫スプレーを吹きつけるのは避けます。元に戻すときは、コードが脚の下や壁との間に入っていないかを確かめます。型番を控えてリコール情報と照らし、冷えない・焦げ臭いなどの異常があれば、電源を入れたままにしないことです。
電気代を抑える置き方や温度の設定は、関連記事「冷蔵庫の節電5つ 全部見直すと年約5,180円の節約」で紹介しています。大掃除そのものを12月だけに詰め込まない日程の組み方なら関連記事「大掃除は10〜11月に分散 窓と網戸は都市で時期が違う」を。

※数えたのは、2026年10月11日にNITE SAFE-Liteから取り出した公開中の記録で、分け方はweboo編集部によります。NITEに届いて公開された分だけなので、冷蔵庫で起きた事故をすべて集めたものではありません。

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