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蛍光灯をLEDランプに替えるとき 付け方の事故記録14件

  • 2026.10.11

蛍光灯の器具はそのままに、ランプだけをLEDに替えて起きた付け方の記録が14件。グロー球を外さなかった6件、必要な工事をしなかった5件が中心でした。NITEに届いたLEDランプの記録122件を全件読んで数え、大掃除の前に見直したい4つのNGと、電球形の記録もまとめています。

グロー球を外さないまま付けた6件、必要な工事をしないまま付けた5件、調光機能付きの器具に付けた2件、点灯方式の違う器具に付けた1件。蛍光灯の器具はそのままに、丸い蛍光灯やまっすぐな蛍光灯の形をしたLEDランプへ替えて、起きた事故の記録は、合わせて14件ありました。
数えたのは、国の機関NITE(製品評価技術基盤機構)が「NITE SAFE-Lite」で公開している事故の記録です。品名がLEDランプのもの122件(2009年9月〜2025年12月に発生、発生日不明1件)を、weboo編集部が1件ずつ読みました。
年末の大掃除で照明のカバーを外すと、切れかけた蛍光灯が目に入り、ついでにLEDにしようと考える人も多いはずです。蛍光灯の製造・輸出入が終わる時期と、外した蛍光灯の出し方は、関連記事「蛍光灯の捨て方 政令市20市中6市はごみの日に出せない」で扱っています。この記事では、記録とNITEなどの公的な資料の文の両方がそろう4つのNGを取り上げます。

記録122件を結論の文で3つに分けた

122件の形の内訳は、電球形61件、環形(丸い蛍光灯の形)40件、直管形(まっすぐな蛍光灯の形)20件、コンパクト形1件です。被害が「火災」とされた記録は58件ありました。
NITEが記録ごとに書いている結論の文を読み、3つに分けました。器具との組み合わせや取り付けの手順が書かれた記録(この記事では「付け方の記録」と呼びます)が23件、そのほかが4件(付属品以外の電源を使った、屋内用を屋外で使った、電源を入れたまま外した、の各1件と、落雷1件)。残る95件は、基板の部品の発熱や部品の不良などが書かれ、使い方の問題は書かれていない記録です(NITEの区分では、製品の不具合とされたもの27件、原因が不明とされたもの26件、区分の欄が「--」のもの41件など)。
付け方の記録23件を形で見ると、環形9件、直管形5件、電球形9件。23件のうち18件は2016年以降に起きたもので、13件は被害が「火災」です。また4件は、組み合わせや手順が影響した可能性は書かれているものの、結論が原因の特定に至らなかった記録です。
品名が「照明器具」「電気スタンド」などで、本文にLEDランプが出てくる記録もありますが、品名の外なので数えていません。NITEも2025年3月の資料で、NITEが受け付けた製品事故情報のうち、2015〜2024年に発生した「不適切なランプ交換による事故」12件(表の内訳は直管形と環形)をまとめていますが、範囲が違うためこの記事の数とは足し引きできません。

付け方の記録23件 環形・直管形の14件は蛍光灯の器具で

23件を記録の中身で7つに分けると、多いのはグロー球(点灯管)を外さずに付けた6件と、水銀灯やHIDランプ(高圧ナトリウム灯など)用の器具に電球形を付けた6件です。続いて、必要な工事をせずに付けた5件、調光機能付きの器具に付けた2件、断熱材施工器具で使った2件、点灯方式の違う器具に付けた1件、投光器用の電球形をダウンライトに付けた1件でした。
水銀灯・HID器具の6件は、店舗や体育館、集合住宅などで、従業員や管理人、工事業者が取り付けた記録が中心です。家庭でランプを替える場面に近いのは、環形と直管形の14件。どれも蛍光灯の器具はそのままに、ランプだけをLEDに替えた記録で、このうちグロー球の6件が最も多くなっています。

NG1 「グロー球を外す」LEDランプを、外さずに付ける

丸い蛍光灯を外し、同じ形のLEDランプを差し込む。器具の中の小さなグロー球は、そのまま残っている。
グロー球を外さずに付けた記録は6件(環形5件・直管形1件)。グロー球を外さなかったため点灯時に過電流が流れ、異常発熱して焼損したと推定された記録が並びます。取扱説明書に外すよう書かれていたものの焼損に至る危険性は書かれていなかった記録、説明書が外箱に1枚だけで個別に入っておらず気づきにくかった記録、英語の説明しかなかった記録もありました。1件は、取り外しが必要な製品だったと推定されたものの、説明書の有無などが確かめられなかったため、原因は特定できなかったという結論です。

替える前に:グロー球がある器具では、指示どおり先に外す。
NITEは2024年10月の資料で、この6件のうち滋賀県の事例の着目点として「器具のグローランプを外すだけで使用できる LED ランプでしたが、グローランプを外さずに使われたことによる事故です。」と書いています。一方で同じ資料は、いまはグローランプの取り外しが要らないタイプなど、ランプの中に必要な回路を持つものも売られているとしています。外すかどうかは、買ったLEDランプの箱や説明書の指示で決まります。

NG2 点灯方式の違う器具に、そのままLEDランプを付ける

前の蛍光灯の箱に「グロー式」とあったので、LEDランプもグロー式用を選んだ。器具そのものの表示は見ていない。
点灯方式の違う器具に付けた記録は1件で、インバーター式の照明器具に、グロースターター式の器具なら工事なしで付けられるLEDランプをそのまま付け、基板が異常発熱して出火したと推定された環形の記録です。取扱説明書などの注意表示が不十分だったことも事故に影響したとされています。品名の外にも、インバーター式の電気スタンドに直結工事が必要なLEDランプをそのまま付けて出火したと推定された記録が2件ありました。

替える前に:器具の点灯管の有無と銘板で、点灯方式を確かめる。
NITEは2024年10月の資料で、蛍光灯器具の点灯方式(グロースターター式・ラピッドスタート式・インバーター式)について、インバーター式の器具にはどの方式の蛍光ランプでも使えるものがあるなどの例外を挙げ、「よって①の蛍光ランプが使われていたからといって、①の LED ランプに交換すると、事故に遭うおそれがあります。」としています(①はグロースターター式)。2025年3月の資料では、器具側の点灯方式は点灯管の有無や銘板の記載で、LEDランプ側の対応点灯方式は商品パッケージや説明文で調べられるとしています。同じ資料の別紙は、銘板の書き方の例として、グロースターター式は「グロー式」、インバーター式は「半導体式」「電子式」「Hf式」なども挙げています。別紙の表には点灯方式ごとの「適合ランプの記号」も載っていて、インバーター式の欄にはFHFやHf、ラピッドスタート式の欄にはFLRがあります(FLとFCLは複数の方式の欄に載っています)。

NG3 工事が必要なLEDランプを、工事なしで付ける

箱に「工事が必要」と小さく書いてあるけれど、差し込めば形は合う。ネットで安く買ったLEDランプを、そのまま付ける。
必要な工事をせずに付けた記録は5件です。器具の中の安定器(蛍光ランプに流れる電流を一定に保つ部品)を外す工事や、安定器を通さずに電源をつなぐ工事が行われていなかった記録で、店舗や事務所の記録もあります。2010〜2011年の2件は、包装箱に英語で安定器を外すよう書かれているだけで日本語の注意表示がなかったとされています。30年以上使われた器具に、工事をせずに付けられていた記録もありました。説明書は「工事不要取付方法」として取り付け方を図示しており、長く使われた器具にはバイパス工事が必要だという記載が十分でなかったとされた記録です。1件は、工事が行われていなかったため出火に至ったと推定されたものの、製品の詳細が確かめられず、原因の特定には至っていません。

替える前に:工事が必要なら自分で付けず、販売業者や電気工事業者へ。
NITEは2025年3月の資料で「工事が必要な場合や不明点がある場合は、絶対に自分自身での交換作業はせず、販売業者への相談や電気工事業者への工事依頼をしてください。」と書いています。消防庁も2024年7月の事務連絡で「バイパス工事を適切に実施した器具で LED ランプを使用する場合は、安定器に起因する火災のおそれはありません。」と伝えています。

NG4 10年を超えた蛍光灯器具に、ランプだけ替えて使う

器具は家を建てたときからのもの。カバーを拭けばきれいになるので、ランプだけ新しくすれば十分だと思っている。
NITEは2026年3月の資料で、NITEに届いた2016〜2025年の蛍光灯器具の事故205件のうち、使用年数が推定できた133件の約9割(120件)が10年を超えていたとしています。
この記事で数えた環形の記録にも、器具の古さが書かれたものが4件ありました。ただし、器具の古さが原因と推定まで書かれたのは1件で、NG3で紹介した「30年以上」の記録と同じものです。ほかの3件は、設置から25年たった器具に付けられ、グロー球は外されていたが直結の工事はされていなかった記録と、同じ型式で、近くの器具が設置から25年だった記録(いずれも大学)、器具が20年前に買われたものだった記録で、どれも原因の特定には至っていません(20年前の器具の記録は、詳細な使用状況が不明とされています)。大学の2件と同じ型式の別の記録の措置の欄には、輸入事業者がホームページで『当該型式品の点検及び交換を促す旨の注意喚起』を掲載しているが書かれています。

替える前に:銘板の製造年を見て、器具ごとの交換を考える。
同じ2026年3月の資料は、ランプだけを交換する方法について「『LED ランプに交換すれば、 ずっと使える』 は間違いです。」と書き、「蛍光灯器具の銘板に記載されている製造年を確認し、使用年数が目安となる10 年を超えている場合は、新しいLED 照明へ蛍光灯器具ごと交換することを検討してください。」と呼びかけています。

電球形61件 器具の表示とカバーの落下

電球形の61件のうち、付け方の記録は9件でした。多くは店舗や施設の水銀灯・HID器具ですが、家庭のダウンライトなどに近い記録もあります。
断熱材が施工された照明器具で使われ、熱がこもってグローブ(光るカバー部分)の樹脂が変色したと推定された記録では、電球の外装に、断熱施工された照明器具で使用しない旨が書かれていました。この記録では、使用者が交換のときに販売店に確かめ、使えると答えられていたことも記されています。投光器用の電球形をダウンライトの器具に付け、放熱が足りずに部品が劣化して焼損したと推定された記録もあります(この製品に取扱説明書が添付されていなかったことも影響したとされています)。電源を入れたまま照明器具を掃除していて、外れない電球を引っ張ったところ火花が出た記録もありました。結論は、口金の固定部分が外れた原因について、製品によるものかどうかを含めて特定に至っておらず、記録には照明器具の取扱説明書に、手入れや電球交換の際は必ず電源を切る旨が書かれていたと記されています。
この記事で確認したNITEと消防庁の資料は直管形と環形を対象にしたもので、電球形を断熱材施工器具・密閉形の器具・調光器付きの器具で使うときの公的な呼びかけの文は見つけられませんでした。記録に引かれていたのは、電球の外装や個装箱の表示です。電球形を替えるときは、箱の対応表示と器具の表示を並べて確かめておくと安心です。
もう一つ目立ったのは、カバーが外れて落ちた記録12件です。いずれも2011年11月〜2013年8月に起きたもので、ドーム状のカバーを留めていた接着剤が、使ううちの発熱と湿度などの影響で軟らかくなり、カバーが外れて落ちたと推定されています。落ちたカバーが肩や幼児の頭・腕に当たった記録も3件ありました。措置の欄には、カバーが外れたという申し出に無償交換などで応じていることや、2011年に接着の方法を変えたことが書かれています。

点灯中の点滅・異音 記録に残っていた様子

点灯中に点滅や異音、においが書かれた記録もあります。ネットオークションで買った蛍光灯形のLEDに替えたところ、異音がして点滅し、焦げ臭いにおいがした記録(点灯管を外していませんでした)。調光機能付きの器具に付けられていた環形で、点滅が始まって4日後に点灯しなくなり、一部が黒く溶けていた記録(原因の特定には至っていません)。
交換後の確認として、NITEは2025年3月の資料で「「点灯しない・ちらつきがある」などの点灯トラブルや異音・異臭(焦げ臭いにおい)がした場合は、火災や故障のおそれがありますので、直ちに電源を切って使用を中止してください。」と求めています。2026年3月の資料でも、点灯時のちらつき・異音・焦げたにおいを放置すると発煙・発火につながるおそれがあるとしています。

まとめ グロー球・点灯方式・工事・製造年を器具で見る

出典 www.nite.go.jp

記録とNITEの資料から言えるのは、器具の中を一度見てから替えることです。器具にグロー球が付いていれば、買うLEDランプが外して使うものか、外さなくてよいものかを箱で見ます。器具の点灯管の有無と銘板で点灯方式を確かめ、LEDランプの箱の対応点灯方式と合わせます。箱に工事が要ると書かれていれば、自分では付けず、販売業者や電気工事業者に頼みます。器具の銘板で製造年を見て、10年を超えていれば、ランプではなく器具ごとの交換も考えます。
LEDランプの選び方の基本は、関連記事「蛍光灯の捨て方 政令市20市中6市はごみの日に出せない」でも紹介しています。大掃除の順番や、外回りと室内の分け方は、関連記事「大掃除は10〜11月に分散 窓と網戸は都市で時期が違う」にまとめています。

※件数の数え方:NITE SAFE-Liteで公開中の記録を2026年10月7日時点で取り出し、weboo編集部が1件ずつ読んで数えました。公開されているのはNITEに通知・収集された分なので、照明の事故がこれだけしか起きていないという意味ではありません。

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