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除湿機のコード 製品以外が元の46件中25件は本体側

  • 2026.10.11

NITEの公開記録で、製品に起因しない側とされた除湿機の事故の記録56件のうち46件はコードとプラグが元で、25件は本体側の付け根付近で傷んでいました。記録218件を全件読んで数えています。冬の部屋干し前に見直したい5つのNGと、デシカント式の内部のローターが火元とされた27件もまとめました。

雨や雪の日が続く冬は、洗濯物を部屋に干して除湿機をかける日が増えます。脱衣所や浴室、寝室と、乾かしたい場所へ本体を運ぶことも多い家電です。
製品の事故を調べている国の機関、NITE(製品評価技術基盤機構)が2016年5月にまとめた資料では、除湿の方式のうちデシカント(ゼオライト)方式が低温(冬)時でも除湿しやすいと説明されています。2014年1月の資料では、2008〜2012年度の事故について、除湿機は一年を通して事故が発生しているものの、2月に増加する傾向があるとしていました。
weboo編集部は、NITEの事故情報データベース「NITE SAFE-Lite」から、品名が除湿機・除湿乾燥機・除湿器の記録218件(1999年5月〜2025年3月に発生)を全件読み、結論の文で分けました。2006年以前の記録は23件で、2017年以降も88件あります。
製品に起因しない側とされた記録のうち、コードやプラグが元だったのは46件。そのうち25件は、プラグ側ではなく本体からコードが出る付け根のあたりで傷んでいました。NGは、記録の場面とNITEの注意喚起の文の両方がそろうものを5つ選んでいます。

製品に起因しない側の56件 46件が電源コードとプラグ

NITEは記録ごとに原因の区分を付けています。218件のうち、誤使用や不注意(区分E)、その他製品に起因しないもの(区分F)とされた記録が46件。区分がまだ付いていない記録のうち、再発防止措置の欄が空で、結論の文が製品に起因しない事故や使う側の扱いを原因としている記録が10件ありました。この56件を編集部で「製品に起因しない側」としてまとめ、結論の文で分けると、46件(82.1%)が電源コードとプラグでした。
内訳は、コードに引っ張りや曲げ、ねじれ、挟み込みなどの力が加わって傷んだもの27件、修理やつなぎ直し、テープでの補修がされたコードから出火したもの14件、力の記載はないもののコードの断線部から出火し製品に起因しないとされたもの3件、プラグと延長コードの接触不良などが2件です。残る10件には、除湿機の内部のローターに付いた物やほこりが熱せられた記録5件などが入ります。
NITEも2022年6月の資料で、2017〜2021年度に起きた除湿機の事故のうち調査が完了している36件について、製品の不具合以外による事故8件を「いずれも、電源コード周辺からの発火となっています。」と書いています。

コード・プラグが元の46件 本体側の付け根付近で傷んだのが25件

製品に起因しない側のうちコードやプラグが元の46件(力が加わった27件、修理・つなぎ直し14件、力の記載のない断線3件、延長コードとの接触など2件)について、傷んだ位置を見ました。製品の不具合とされた記録(プラグの中の接続不良など)や、原因の特定に至らなかった記録(力が加わった「可能性」までの4件を含み、4件とも本体側の付け根付近)にもコードやプラグまわりのものがありますが、この数には入れていません。
結論の文に書かれた位置で分けると、本体側の付け根付近が25件。プラグ側(延長コードとの接続部を含む)は6件、コードの途中が7件、本体の中が1件、位置の書かれていない記録が7件でした。本体側の25件は、力が加わった記録14件と、付け根で切れたあとに修理・つなぎ直しがされた記録10件などです。46件のうち12件は2020年以降の記録で、古い記録だけの話ではありません。
weboo の関連記事「布団乾燥機のNG4つ 事故の記録で目立つのはプラグの根元」では、コードに力が加わった26件のうち21件がプラグ側でした。布団乾燥機の数は原因の区分を問わず「力が加わった」記録を数えたもので、この記事の製品に起因しない側だけの数とは数え方が違いますが、除湿機では傷む位置が逆の側に寄っています。
付け根には、コードが急に折れ曲がらないよう守る部品が付いています。NITEは2016年5月の資料で、この部品について「電源コードには、本体からの飛び出し口に「コードプロテクター」といって、コードに過度な折れ曲がりの力が加わらないように保護する部品が取り付けられています。」と説明しています。同じ資料は、2010〜2014年度の除湿機の事故のうち、使用期間がおよそ10年以上のものに、コードを繰り返し折り曲げたりよじったりしたことによる、製品に起因しない事故が集中しているとしています。
最も被害の大きかった記録は、2013年12月に建物が全焼し2人が亡くなったものです。コードを本体に巻き付けてしまい、使うときに巻いたまま本体を抜き出す使い方が日常的に行われ、コード全体が強くよじれていたとされています。出火した部位は不明とされているため、位置は「記載なし」に数えました。NITEは同じ資料で「電源コードを束ねた状態で使用しない。」とも呼びかけています。

NG1 コードが引っ張られる位置に、本体を置いて使う

コンセントから少し遠い窓ぎわや物干しの下へ、コードが届くぎりぎりまで本体を寄せる。取っ手を持って、隣の部屋へそのまま運ぶ。
記録には、電源コードが引っ張られた状態で使われていたため、本体側のコードの付け根付近に過度な力が加わり、線が切れて火花が出たとされた除湿乾燥機があります(使用期間は約15年)。本体を持ち上げると付け根のコードが曲がり、ねじれることが確かめられた記録もありました。ただしこの記録の結論は、使い方と部品の形のどちらが影響したかも含めて原因の特定には至らなかった、というものです。

見直すなら:プラグを差したまま動かさない。抜くときはプラグを持つ。
NITEは2022年6月の資料で「電源プラグや電源コードの付け根(コードプロテクター)で電源コードが断線し、スパークが発生し火災に至っています。」と書き、「電源プラグをコンセントに差し込んだまま製品を移動させないでください。」「また、抜く際は電源プラグを持って抜いてください。」と呼びかけています。2016年5月の資料も「また、「製品に起因する事故」以外でも、空気清浄機や除湿機を持ち運んで部屋を移動するときに、電源コードに無理な力がかかって損傷したものの、そのまま使用を続けた結果、電源コードの損傷部から発火した事故も発生しています。」としています。

NG2 コードを、ふすまや障子に挟んで隣の部屋から引く

干している部屋にコンセントがない。そこで、隣の部屋からふすまのすき間にコードを通して引き込む。
記録には、隣の部屋からふすまを通してコードを引いていたため、ふすまの開け閉めのたびにコードに力が繰り返し加わり、線が切れかけてショートし住宅が全焼した例と、コードが長い年月、障子に挟まれた状態で使われていた例の2件がありました。浴室の外から延長コードで電源をとっていた記録もあり、浴室の入り口にはドアがあって、プラグの近くでコードが押しつぶされ「くの字」に曲がった箇所が見つかっています。この記録はドアに挟まれたとは書かれていないため、件数には入れていません。

見直すなら:コードをドアなどに挟み込まない。
NITEは2016年5月の資料で、コードに負荷がかかる使い方をしないよう求め、注意事項として「電源コードを上から重いもので踏みつけたり、ドアなどに挟み込んだりしない。」を挙げています。2014年1月の資料でも、部屋間の移動など使う場所を変えることが多い製品だとして、コードを傷つけないよう注意を呼びかけていました。

NG3 付け根で切れたコードを短くし、つなぎ直して使う

付け根でコードが切れてしまった。まだ動くから、切れたところを切り落とし、残りのコードを本体につなぎ直す。
修理やつなぎ直し、テープでの補修がされたコードから出火したとされた記録は14件。そのうち10件は本体側の付け根付近でした。つないだコードが同じ機種のコードより8cm〜40cm短くなっていた記録が4件、付け根の保護部品が外されていた・無くなっていた記録が5件あります。保護部品を外して修理したため、使ううちに付け根に力が集中して線が切れ、家族の1人がやけどをした記録もありました。このほか、電源が入る位置でコードをガムテープで固定し、線が切れかけていると知りながら使い続けていた記録もあります。なお、14件のうち数件は、つながれていた経緯や修理した人が分からない記録です。修理の記載はあっても結論が原因の特定に至らなかった2件は、数に入れていません。

見直すなら:ねじり接続や途中でつなぐ修理・加工はしない。
NITEは2022年6月の資料で「「無謀なDIY」による電源コードの修理や他のコードとのねじり接続、途中で接続するような修理や加工は行わないでください。」と書き、接続不良により発煙・発火するおそれがあるとしています。2016年5月の資料は、付け根の保護部品について「この部品を取り外すと、使用の際に本体からの引き出し部付近で電源コードに大きな力が加わり、断線・ショートするおそれがあります。」と説明しています。

NG4 洗濯物で吹出口をふさぐ・本体のすぐそばに干す

物干しが足りず、除湿機の上にもタオルを1枚。浴室の狭い床に本体を置き、そのすぐ上まで洗濯物を下げる。
吹出口や吸込口がふさがれていた、または洗濯物がすぐ近くにあったと書かれた記録は3件でした。浴室で使っていた除湿機の上面に複数の洗濯物が付いて吹出口がふさがれていた記録、無人の部屋で本体から30〜35cmほどの所にハンガーラックの洗濯物があった記録、床下で吹出口をふさぐ置き方をして本体の中の温度が上がり樹脂部品が変形した記録です。洗濯物の2件は、ふさいでいたことが原因とは結論づけられておらず、どちらも原因の特定には至っていません。

見直すなら:本体の周りに十分な空間をあけて使う。
NITEは2014年1月の資料で「製品本体の周囲は十分な空間をあけて使用してください。吸気口や吹き出し口がふさがれると、本体の温度が上昇し、製品樹脂の変形や発火のおそれがあります。」と呼びかけています。洗濯物の干し方や部屋の湿度の目安は、関連記事「秋の部屋干しは除湿が先 換気頼みは東京で11月から」にまとめています。

NG5 途中で止まる・においがするのに、使い続ける

スイッチを入れ直せばまた動く。少しこげたようなにおいがするけれど、今日の洗濯物が乾くまでは使いたい。
使う人が異常や故障に気づいていた、または異臭やぐらつきを感じていたと書かれた記録は5件でした。前の日から2度、点検ランプが点いて止まり異臭もしていたのに使い続け、内部のローターが回らないまま熱せられたと推定された記録。1年ほど前から途中で止まったり動かなかったりしたのを、スイッチを入れ直して修理せずに使っていた記録。1か月ほど前からコードの付け根がぐらつき、色が変わり、においを感じていた記録もあります。結論が推定や「影響したものと考えられる」とされたのは2件で、ほかは原因の特定に至らなかった記録と、NG3のガムテープの記録です。

見直すなら:使うのをやめ、製造・販売事業者に点検を頼む。
NITEは2016年5月の資料で「製品の使用中に、「製品が時々止まる」、「製品から異臭や異音がする」、「外装が変形したり変色している」などの事故の予兆に気づいたら、すぐに製品の使用を中止し、製造事業者・販売事業者に点検を依頼してください。」と書いています。2014年1月の資料も、コードを動かすと電源が入ったり消えたりする、コードが部分的に熱くなるといった様子があるときは、使うのを中止して修理などを頼むよう求めていました。

デシカント式の中 ローターが火元とされた27件

NITEの2016年5月の資料によると、デシカント方式は、取り込んだ空気を吸湿性のあるゼオライトに通して除湿し、吸湿したゼオライトをヒーターで加熱して水分をタンクに放出する方式です。コンプレッサー方式と使い分けるハイブリッド式の製品もあります。
218件のうち、結論の文で除湿ローター(ゼオライトや吸着材)が火元や熱を持った場所とされた記録は27件ありました(原因の特定に至らなかった記録を含みます)。そのうち16件には、ローターに吸着した・付いていた物が書かれています。多いのは「可燃性物質」と書かれた5件で、同じ事業者の製品の2008〜2011年の記録です。ほかに、入浴剤の製造工場で香料成分、工場の油煙で油分、金属加工工場で防せい油の成分を吸着した記録(工場の記録は3件)、溶剤やシンナーの成分が検出された記録、ほこりの記録などがあります。ローターの回転が止まったり遅くなったりして一部が熱せられたとされた記録も5件ありました。
このうち2件は、措置の欄に、2023年4月から行われているリコール(無償交換または回収)の対象であることが書かれた記録です(別の1件には、同じリコールの対象機種だが事故の原因はリコールの内容とは異なると書かれています)。消防庁の2023年4月の事務連絡は、このリコールの推定される事故原因を「当該製品内部の除湿ローターに付着した空気中の有機物がヒーター熱で加熱され発火し、ファンの回転数が減少し風量が低下した状態が重なった場合に、製品の焼損や溶融が発生する可能性があるもの。」と伝えています。消費者庁は2026年5月22日にも、このリコールの対象製品で発煙する火災があったことを公表しました(原因は調査中)。回収率は42.6%(2026年4月30日時点)とされています。対象の機種と製造番号は、この消費者庁の公表資料に載っている経済産業省のリコール情報で確かめられます。
工場の2件の記録には、事故品の取扱説明書に「油煙の舞う場所や近くで使用しない」「引火性、可燃性のもののそばや油煙の舞う場所で使用しない」といった趣旨の注意があったことも書かれています。手元の機種の説明書で、置いてはいけない場所を一度確かめておくと安心です。

火や煙に気づいた記録4件

記録の中には、火や煙に気づいた人がとった行動が書かれたものがあります。タイマーが切れたあとにブレーカーが落ち、黒い煙に気づいてプラグを抜き水を掛けて消した記録、約1mの高さの炎に水を掛けて消した記録、タイマーで運転して出かけ、13時間後に戻ると炎が上がっていて濡れタオルで消した記録。異臭と煙に気づいてコンセントを抜き、玄関に持ち出したところで火が出た記録もありました。これらは記録に残った対応で、同じやり方をまねるよう勧めるものではありません。
この記事で確認したNITEの資料には、除湿機から火が出たあとの消し方の手順は書かれていませんでした。NITEは2016年5月の資料で「空気清浄機や除湿機は、その使い方から、製品に何らかの不具合が発生し発火した場合その場に人がいないことが多く、大きな火災に発展するおそれがあるため、注意が必要です。」としています。部屋干しで長く運転するときほど、運転を始める前のコードと吹出口の確認、異常の予兆に気づいたときの使用中止が大切になります。

フィルターと取っ手 記録にあったこと

フィルターを付け忘れた記録はある?

フィルターやほこりが書かれた記録は5件で、付け忘れは1件です。フィルターを取り付け忘れたため本体の中に多量のほこりが入り、除湿ローターに付いたほこりがヒーターで熱せられて白い煙が出たと推定されました。ほかは、フィルターにほこりが詰まった状態で使い部品が熱を持った記録や、工場などで長い年月掃除をせずに連続運転していた記録で、原因の特定に至らなかったものも含みます。
除湿機の注意点として、2012年5月のNITEの資料は「フィルターを必ず装着し、使用してください。また、フィルターを定期的に掃除をしてください。ほこり等が機器内部に堆積し、発火の原因となることがあります。」と書いています。

取っ手を持って運んでも大丈夫?

取っ手が壊れて本体が足に落ちた記録が2件ありました。1件は約10年使った製品で、取っ手の強度が劣化して細かいひびが入ったまま使い続け、運ぶときに重さに耐えられず折れたと考えられています。NITEは2016年5月の資料でこの事故を、変色していた取っ手が折れて足に落ち、親指をけがした例として紹介し、予兆の一つに外装ケースなどの変形や変色を挙げています。運ぶ前に、取っ手の色の変化やひびを見ておきましょう。

まとめ 動かす前にプラグ、干す前に吹出口

出典 www.nite.go.jp

除湿機を別の部屋へ運ぶときは、先にプラグを抜きます。置いた場所でコードが引っ張られていないか、ふすまやドアに挟まっていないかを見て、付け根でコードが急に曲がっていないかも確かめます。付け根が切れかけたら、自分でつながずに販売店やメーカーに相談します。
干すときは、本体の上や吹出口の前を空けておきます。止まる、においがする、ランプが点くといった様子があれば、その日の洗濯物が乾いていなくても使うのをやめて点検を頼みましょう。
冬に出番が増える加湿器の注意は、関連記事「加湿器の湯こぼれと発火 記録に残る4つのNG」で扱っています。

※件数はweboo編集部の集計です。NITE SAFE-Liteの公開記録(2026年10月7日時点のもの)を、結論の文ごとに読んで分けました。NITEに届いた・集められた記録の数で、事故がどれだけ起きたかを示す数ではありません。

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