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北海道ではフグが1キロ20円…「こんないいものがあったのか」やっかい者を極上料理に

  • 2026.10.9

海水温の上昇により、いまやフグの水揚げ量が日本一となった北海道。
しかし、処理施設の不足などから「厄介者」として安値で取引されています。

そんな北海道産フグを極上の料理や新たな地域資源に変えるための挑戦が各地で始まっています。

温暖化で水揚げ日本一も…1キロ20円の衝撃

北海道網走市の網走港。いまが旬の秋サケに混ざって網にかかっていたのは、大量のフグです。この日だけで、700キロが水揚げされました。

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網走漁協の元角文雄副組合長理事は「北海道でそんなにフグはあがっていなかったが、この数年の温暖化で、ダントツ1位の水揚げ量になった」と語ります。

海水温の上昇に伴い、いまやフグの水揚げ量日本一となった北海道。
2024年は全国で最も多い約3000トンが水揚げされ、その数は10年で8倍に膨らんでいます。

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しかし、漁業関係者からは困惑の声が上がっています。

元角副組合長理事は「今の値段は非常に安い。本当に厄介者としかわれわれ漁業者は今のところとらえていない」と明かします。

毒の処理技術を持つ人材や加工施設が足りず、フグを食べる文化もないため、水揚げされたフグはそのまま安値で本州に出荷されます。
この日の取引価格は、1キロあたりわずか20円と、タダ同然の価格でした。

老舗料亭が絶賛!「こんないいものがあったのか」

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そんな中、北海道産フグに価値を見いだす飲食店もあります。
北海道産食材にこだわった懐石を提供する、札幌市の老舗料亭「きょうど料理亭杉ノ目」です。

2024年から、北海道産フグの焼き物と酢の物をメニューに取り入れています。

きょうど料理亭杉ノ目の吉田浩技術顧問は「業者からフグがとれているので使ってほしいと言われたのがきっかけ。こんないいものがあったのかとびっくりしましたね」と振り返ります。

仕入れているのは、北海道佐呂間町で水揚げされたマフグ。
船の上で活締めし、鮮度を保った状態で店に届けられます。

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塩こうじ焼きを味わったHBCの堀内大輝アナウンサーは「身がしっかりしていますね。ほんのり甘みがあって身の肉質はしっとりしていて弾力がある」と感嘆します。

現在は焼き物と酢の物のみの提供ですが、今後は「薄造り」もメニューに加えたいと考えています。

その薄造りも試食させてもらうと…「コリコリで甘い。飲み込んだ後もフグの優しい甘さがほのかに残って、すごく食べやすいですし、生臭さなども全然ないですね」と太鼓判を押します。

吉田技術顧問は「身自体に少し味がある。ホタテの稚貝を食べているからだと思う。流通がしっかりしてくると、本来であれば生で食べるのがおいしいということをアピールしたい」と手応えを語ります。

即席麺に「コシの強い食感」!道総研が進める研究開発

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北海道産フグを活用するための研究も進んでいます。

道総研が2026年度から始めたのが、北海道産フグを使った即席麺の研究開発です。
新たな加工食品への活用方法を見いだそうとしています。

道総研水産研究本部 網走水産試験場ではマフグの魚肉を冷凍して乾燥させて粉末状に粉砕したものを麺に練りこんでその評価を行っています。

網走水産試験場の藤田主査によると「マフグを入れていない麺に比べて少し伸びやかさは失われるが、食感がしっかりとした硬い感じになる。讃岐うどんのようなコシの強い食感のある硬めの麺ができあがった」ということです。

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麺に合わせるスープも、フグの骨でだしをとります。
煮込むこと約1時間、美しい黄金色のスープが完成しました。

「うま味の成分のひとつにイノシン酸という物質がある。その成分がすごく多く入っているのが特徴。マフグは白身の魚だが、サケやタラなど他の魚に比べすごくイノシン酸のうま味が強い魚だと報告されている。しっかりとしたうま味の強いだしになっていると思う」

研究の成果は今後、北海道内の食品メーカーなどに提供し、新たな商品開発に生かしてもらう予定です。

「フグは活用の幅が広い食材だと思う。ほかの水産物と比べて肉質がしっかりと硬く魚臭さも少ない。刺身や焼き物だけではなくから揚げなど、いろいろな商材に活用できる可能性があると考えている」

道総研によると、だしをとる食材として、昆布やシイタケの代わりとしても期待できるといいます。

フグの女王

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北海道でとれる9割以上はマフグという種類です。
高級魚として有名なトラフグが「フグの王様」と呼ばれるのに対し、マフグは「フグの女王」と呼ばれています。

甘みが強くトラフグに負けないおいしさがあり、トゲがなく体の表面が滑らかなことから別名「ナメラフグ」などとも呼ばれています。

一方で、鋭い歯を持っているので、網を食いちぎるなどの漁業被害も懸念されています。

資格取得の壁…広がる受験支援と試験枠倍増

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広く流通させるのにはまだまだ課題もあります。一番の課題は資格取得の壁です。

猛毒を持つフグが加工できるのは、北海道が実施するフグ処理者の認定試験に合格した人がいる施設に限られており、作業も資格を持つ本人、もしくはその監督のもとで行うルールになっています。

認定試験は「学科試験」のほか、食べることができる種類なのかを見分ける「鑑別試験」、実際にフグを処理する「処理試験」が行われます。
試験日は毎年10月下旬ごろの年1回で、会場は札幌市のみです。

フグの主な産地では、秋サケ漁やホタテ漁の最盛期のため、漁業関係者からは試験を受けに行くこと自体が難しいという声も上がっています。

ただ、フグ処理者の需要が高まっていることを受けて、さまざまな支援も始まっています。

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北海道は、2025年に50人だった受験枠を2026年は100人に倍増させました。
2025年は50人以上が受験を希望して抽選を行ったものの、2026年は100人以上の希望者がいましたが全員が受験できるようになりました。

さらに北海道網走市は、1人あたり4万円を上限に受験費用を助成しています。
北海道斜里町では、7月に実技講習会を初めて町内で開催しました。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年9月25日)の情報に基づきます。

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