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「英語の授業は、トレーニング以上に重要」欧州屈指の「育成工場」クラブ、300億円超の売却益を生む秘密とは

  • 2026.10.9

デンマークのFCミッティランが、近年欧州屈指の育成・転売クラブとして存在感を高めている。その原動力はなんと「英語教育」であるそうだ。

『Guardian』によると、クラブは2018年以降、選手売却で2億ユーロ(およそ360億円)以上を稼いできたそう。そして今夏は、クラブの歴史上最も大きな利益を生んだ移籍市場になったという。

ギニアビサウ代表FWフランクリーノ・ジュがトラブゾンスポルへ、チリ代表FWダリオ・オソリオがクリスタル・パレスへ買取義務付きのローンで加入。この2件だけで最大6200万ユーロ(およそ110億円)に達する可能性がある。さらに生え抜きのアラル・シムシルと韓国人DFイ・ハンボムがクラブ・ブルッヘへ移り、合計2500万ユーロ(およそ44億円)を確保した。

その育成工場を支えているのは、ピッチ外まで徹底した教育だ。クラブは外国人選手に対し、週3回以上の英語授業を義務付けているという。テクニカルディレクターのクリスティアン・ケア氏は、その狙いをこう説明する。

「英語の授業は、トレーニングと同じくらい重要です。6カ月以内に英語を理解できなければ、監督とコミュニケーションを取ることができません。だから、我々全体の成功にとって非常に重要なのです」

トップチームには5大陸17カ国の選手が所属しており、最初から「国際的なクラブ」として運営されている。そのため世界各地からコーチやスタッフを招いており、新加入選手が生活面でも適応できる体制を整えている。

今夏クリスタル・パレスへ渡ったオソリオは、その象徴的な例だと伝えられている。ミッティランは2023年、RBライプツィヒやミラン、アタランタとの争奪戦を制してウニベルシダ・デ・チレから彼を獲得した。

しかしケア氏によると、オソリオはチリ時代、夕食に大量の白いパンを食べるなど栄養面に改善の余地があり、「なぜ朝になると十分なエネルギーがないのか理解できていなかった」という。クラブは食生活から見直し、欧州で戦うための生活習慣を一から整えていったそうだ。

オソリオは加入初年度からリーグ戦8得点。その後さらに伸び、クラブ側が「リーグのレベルを超えた」と判断するまでの選手になった。

さらに、ミッティランは売るだけのクラブではない。オソリオとジュの退団後には、MLSのロサンゼルスFCから20歳のベネズエラ代表ダビド・マルティネスを730万ユーロ(およそ13億円)で獲得。これはデンマーク国内の移籍金記録となった。

また2004年に設立したナイジェリアの提携アカデミー「FCエベデイ」からも、若手を継続的に発掘している。現在コヴェントリーでプレーするフランク・オニェカらが育ち、今季もオラシレ・ムサ・ラワル、イケンナ・ウデチュクらがトップチームへ加わった。

高額で売り、その資金を次の若手へ回す。ただし獲得するだけでなく、語学、食事、生活習慣まで面倒を見る。それがFCミッティランが移籍市場で勝利を収めている理由であるそうだ。

筆者:石井彰(編集部)
画像提供:Getty Images

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