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「承知しました。晩ごはんハンバーグがいいな」妻と間違えて課長に送った僕。普段は無表情な課長が返した一言

  • 2026.10.10

返事と夕飯の希望を続けて打った

昼すぎのオフィスで、僕は自分の机のパソコンに向かっていた。

昼休みに妻から「夕飯、何がいい?」と連絡が来ていて、返事を書きかけたまま午後の仕事に戻っていた。

そこへ、部屋の奥の席にいる課長から社内連絡が届いた。

今日の15時までに書類を出してほしい、という内容だった。

課長は50代で口数が少なく、冗談を言っているところをほとんど見たことがない。

僕は課長への返事に「承知しました」と打ったところで、妻への返信を思い出した。

画面を切り替えたつもりで、そのまま夕飯の希望を続けて入力し、何も考えず送信ボタンを押した。

画面に表示されたのは、こんな一文だった。

「承知しました。晩ごはんハンバーグがいいな」

数秒後、宛先を見て固まった。

妻ではない。課長だった。

「すみません、送り先を間違えました」

慌ててそう送り、恐る恐る部屋の奥を見る。課長はいつもと変わらない顔で画面を見ていた。

怒られるような内容ではない。それでも、普段ほとんど冗談を言わない課長に夕飯の希望を送ってしまったと思うと、恥ずかしくて顔が熱くなった。

1分後、課長から届いた返事

しばらくして、課長から返信が届いた。

「では、ハンバーグに間に合うよう、今日は18時ぴったりに帰ろう」

僕は思わず画面を二度見した。

隣の席の同僚が僕の様子に気づき、画面をのぞき込む。事情を知ると、口元を押さえて肩を震わせた。

「これ…課長、冗談ですよね?」

「たぶん。でも顔を見ても全然分からない」

二人でそっと奥を見ると、課長はやはり真顔で仕事をしていた。

そして18時。課長はかばんを持つと、そのまま僕の机の横までやってきた。

「時間だ。ハンバーグが待っているぞ」

あまりにも真面目な顔で言うので、今度は僕もこらえきれなかった。周囲からも笑い声が上がる中、課長だけは表情を変えず、僕が立ち上がるのを待っていた。

僕は耳まで熱くなりながら、定時で会社を出た。

ところが家に帰って、妻に言った。

「ただいま。今日、ハンバーグだよね」

妻は不思議そうな顔をした。

「え?返事こなかったから、焼き魚にしたよ」

そこでようやく気づいた。妻には結局、一度も送っていなかったのだ。

その日の夕飯は、もちろん焼き魚だった。

翌朝、席に着いた僕のところへ課長がやってきた。

「昨日、ハンバーグは食べられたのか」

「……焼き魚でした」

課長は少し間を置いてから、重々しくうなずいた。

「次は、奥さんにも送るように」

そう言って、何事もなかったように自分の席へ戻っていった。

それ以来、この課では定時で帰ることを、ときどき「ハンバーグにする」と言うようになった。

そして誰より先に口にするのは、いつも課長だった。

「今日は、全員ハンバーグだ」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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