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「早く来た人の勝ちでしょ」ホテル朝食で何度も料理台へ戻る男性。だが、補充しにきた料理長が止めた瞬間

  • 2026.10.10

朝7時半、料理台の前にできた長い列

40代の私が、数年前に家族旅行で泊まったホテルでの出来事です。

朝7時半ごろ、朝食会場はかなり混み合っていました。

温かい料理が並ぶ台の前には10人近い列ができ、私は小学生の子どもと一緒に、皿を持って列の中ほどで待っていました。

先頭付近にいたのは、50代くらいの男性です。

男性は大皿にウインナーとベーコンを山盛りにすると、いったん近くの席へ運んでいきました。

ところが少しすると、男性は最後尾には並ばず、そのまま料理台の前へ戻ってきました。

そして再びウインナーとベーコンをたっぷり取って、また席へ戻っていったのです。

それが何度か続き、料理はみるみる減っていきました。

子どもが心配そうに私を見上げます。

「お母さん、ウインナーなくなっちゃうかな」

男性のすぐ後ろにいた30代くらいの女性が、ためらいながら声をかけました。

「すみません。皆さん並んでいるので、次は後ろからお願いできませんか」

男性はちらりと女性を見ると、トングを持ったまま言いました。

「早く来た人の勝ちでしょ。関係ないよ」

女性は驚いたように口を閉じました。

私も子どもの前で言い合いになるのは嫌で、黙って順番を待つしかありませんでした。

焼きたての大皿を運んできた料理長

やがて、ウインナーとベーコンの皿はほとんど空になりました。

男性の席を見ると、料理を山盛りにした皿が並んでいます。

それでも男性はまた料理台の前へ来て、スタッフに声をかけました。

「まだなの?早く補充してよ」

「申し訳ございません。ただいまお持ちします」

しばらくして、60代くらいの料理長が、焼きたてのウインナーとベーコンを載せた大皿を両手で運んできました。

料理長が皿を台へ置くと、男性はすぐにトングへ手を伸ばします。

すると料理長は、男性の前へそっと手を出しました。

「恐れ入ります。こちらは、後ろでお待ちのお客様からどうぞ」

男性は眉を寄せました。

「いや、俺はさっきからここにいるんだけど」

料理長は表情を変えずに答えました。

「一度お席へ戻られていますので、次にお取りになる際は最後尾からお願いいたします」

男性は何か言いかけましたが、後ろには皿を持った人たちがずらりと待っています。結局、トングから手を離し、そのまま自分の席へ戻っていきました。

列はようやく動き始めました。先ほど声をかけた女性も料理を取り、私たちの番も回ってきます。

子どもは焼きたてのウインナーを2本取ると、ほっとしたように笑いました。

「お母さん、まだ湯気出てるよ」

私も思わず笑ってしまいました。

男性の席には、先ほど運んだ3枚の皿がまだ並んでいました。料理をたくさん取ること以上に、みんなが待っている場所では順番を守ることが大切なのだと、あらためて感じた朝でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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