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結婚の答えが「487日後」?彼女を怒らせた数字の裏にあった、月ごとの貯金と資格試験の予定

  • 2026.10.9
ハウコレ

言えばよかった理由はいくつもあったのに、説明より先に彼女は玄関を出ていってしまいました。送ったメッセージに既読がついても、返信は届きません。

スマホの表計算アプリを開くと、1番上のセルの数字がまた1つ減っていました。貯金の額に資格試験の日程、引っ越しの目安まで、月ごとに書き込んできた表です。すべてが決まるまでは、彼女に見せるつもりはありませんでした。

毎日減っていく数字

付き合って3年になる彼女とは同い年です。表を作ったのは数か月前。再来年の彼女の誕生日にきちんと言おうと決め、1番上に書き込んでいました。そこから逆算して、毎月いくら貯めるか、いつ資格を取って給料を上げるかを並べていきました。

彼女が結婚の話をするたび、話題をそらしてきた自覚はありました。先に口にしてしまえば、額が足りなかったときに引っ込みがつかなくなる。約束を破る自分になるのが怖かったのです。

理由を添えなかった答え

夕食の片づけを終えてソファに並んだところで、彼女が言いました。

「結婚はいつ考えてるの?」

反射的にスマホを取り、アプリの数字を確かめていました。

「487日後」

それが答えのすべてのつもりでした。理由を1つも添えていないと気づいたのは、彼女がテーブルに目を落としてからです。

「ふざけてるなら、もういいよ」

鞄を持って立ち上がった背中に「待って」と声をかけたものの、玄関まで追いつくより先に、ドアの閉まる音がしました。

打っては消した説明

彼女が出ていった部屋で、アプリを開きました。長い説明を打っては消し、結局、表の画面を切り取った画像に短いメッセージだけを添えて送ります。

「ふざけてない。ちゃんと見てほしい」

少しして既読がつきました。返信はありません。

1番下の行の「ちゃんと言う」は、指輪を渡す日まで伏せておくはずの言葉でした。先に見せてしまえば、その日の意味が薄れる気もします。それでも、あの数字だけを残して終わるよりはずっといい。そう思えたのは、送ったあとでした。

そして...

インターホンが鳴ったのは、追いかけようと靴を履きかけたときでした。ドアを開けると、スマホを握った彼女が立っていました。

「なんで黙ってたの?」

「決めた額に届いてから言いたかった。途中で崩れたら、約束を破ることになるから」

口にしながら、これは怖かったという話なのだと自分で分かりました。

「私の欄も作ってよ」

思わず笑ってうなずき、その場で彼女の名前の列を足して、表を共有しました。

彼女を駅まで送り、改札で別れてから、もう1度アプリを開きます。1番上のセルは、まだ487のまま。自分の列に今月の貯金額を入力し、上書き保存しました。

(20代男性・施工管理)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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